表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
101/103

呼び出し

 特に芸術に興味の無い俺でも分かる、趣のある調度品に彩られた部屋の席に俺達(・・)は座っていた。

 俺の正面に座っているのは、この国の最高権力者である人でクリスの父だった・・・。

 流石に今回は俺に非難を集中して来ないが、娘大好きな困った王様(ひと)だ。

 しかも何回か目が合っても、何も言って来ない・・・

 何か言って欲しいが、言われたく無いし、全くこの状況は勘弁してくれ・・・。


 ちなみに俺のいる側に座っているのは、俺とレイとアマネとカーラとリリアに、ギルド総長のケハナと研究所の所長レジオスと・・・ え~っと何て名前だったっけ? このおばさん?

 まぁ いいか。

 ちなみに、クリスとアイシャは王様側に座っていた。

 まあ、他は何か見るからに大臣風の人たちだった。

 恐らく・・・ モブだろう・・・。


 そして話の内容は殆どリリアに関する事ばかりで、俺に話を振られる事が無い・・・。

 俺・・・ 要る?

 しかもここに連れて来られたのは強引だった。

 冒険者ギルドから家に帰る途中に、ギルド総長が乗った馬車に「王様がお呼びです」と言って有無を言わさずに乗せられたのだった・・・。

 俺が言ったのは「あっ ハイ・・・」だけだ・・・。

 そんな事を思い出して時間を潰す程の余裕があるが、話をしているのは主に大臣風のおっさんとレジオスだった。


 話始めはリリアの素性を確認する事から始まった。

 どこの出身で今まで何をしていたのか?

 リリア大橋を造ったのはリリアなのか?

 そんな様な事を大臣風の一人・・・ え~っと、マレオだったかな?

 その大臣①のマレオが問いかけて、リリアが答える。

 その回答をレジオスがメモを取って、気になった事を更に質問する・・・。

 の、繰り返し作業だった。

 その内容は俺達が聞いた内容とほぼ同じだったが、流石に元魔王との出会いは言わない様に、事前に打ち合わせをしていたので話していない。

 元とはいえ魔王と繋がりがあったら、怪しい事この上ないだろう・・・。

 しかし、リリアの間延びした話し方のせいで、一つ一つの回答に凄く時間が掛かる・・・。

 何せ橋の名前になる大昔の偉人と言っても問題無い程の有名人に、その当時の事を聞いているのだから仕方が無い・・・。

 話し合い終わりなく続きそうになってきた時に、ケハナの横に座っていたおばさんが手を上げた。


「すみません・・・ 少しよろしいでしょうか?」

「ああ、サシェ構わない。話してくれ」

 国王がおばさんの問いかけに答える。

 あ~ このおばさんはサシェという名前だったな・・・。

 よくよく考えたら自己紹介もサラッと流した感じで、この話し合いが始まった気がする・・・。

 人の名前ってそんなにすぐに、覚えられないよ・・・ しかも、日本名じゃないし・・・。


「今までの内容でリリアさんが、あの橋を造った偉大な魔法使いという事が分かりました。そこで私が聞きたいのは一つだけです・・・」

「はい~ 何でしょうか~?」

「リリアさんは『マレオ・ルシファウス』という人物を知っていますか?」

「マレオ~ ルシファウスさん~ ですか~?」

「はい・・・ そうです・・・」

 誰それ? リリアの話でそんな人の名前って聞いた事が無いが・・・。

 その人の事を知らないとダメって事?

 リリアも考えているが、思い当たる人物が居ないようだった。

 しかし・・・ マレオ(・・・)っていうと、目の前にいる大臣と同じ名前だが・・・。


「ちょっと! サシェさん! 私が質問をすると言ったのに・・・」

「貴方達に任せていたら、いつになっても終わりません!」

「ぅ・・・」

 サシェの質問を聞いてマレオが、抗議をするが一喝されて黙ってしまった。

 弱いぞマレオ!

 まぁ・・・ ちょっと迫力はあるけどな・・・。


 マレオとのやり取りをサッサと切り上げて、サシェはリリアの方を向いて答えを待っていた。

 リリアの方は思い当たる人を探しているようで、指を折りながら何かを数えていた。

 そんなので分かるのか・・・?


「リリアさん・・・ 貴方はその人から、何かを受け取ったはずです」

「・・・・・・・・・・・・! あ~~~・・・ これですか?」

 リリアは何か思い当たる事があったらしく、一つのアイテムを取り出した。

 それは俺もよく知る、()だった。

壊龍(かいりゅう)の杖』元魔王が使用していた禍々しい杖。

 リリアが何故か貰った物だった。

まだ、失踪してませんよ・・・。

ちょっと遅れてます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ