表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/9

歌に想いをのせて-II

俺はさっそく曲作りを始めた。

告白するのだからバラード曲を作ることにする。

メロディはいくつか頭に浮かんでいた。

それをギターで音にしていく。

いいなという物もいくつかあったが、なかなか上手くまとまらなかった。

曲作りを始めて3日ほど経ってやっとおおまかに完成した。

Aメロ、Bメロ、サビ。

この3つを組み合わせていけば完成だった。

とりあえず残りは歌詞を作ってからにすることにした。

そして、俺は意気揚々と歌詞作りを始めるが・・・

ここで1つ大きな問題があることに気付いた。

「そういえば・・・俺、夕子の前で歌ったことないや・・・」

そう、俺が彼女にいつも聞かせる時はギターだけで歌ったことはない。

「・・・・・まぁ、練習すればいいか・・・」

何とも適当な考えであっさり解決。

俺は無事に歌詞作りを始めていった。


「・・・・・・・」

まったく思い浮かばない・・・

歌詞作りなんて初めての俺はまったくどうしていいか分からなかった。

結局、1週間程ずっと何も進まず得たものは目の下に出来たくまだけだった。


「浩太・・・お前大丈夫か?」

学校で眠たそうな顔をしている俺を見て飛鳥が話しかけてきた。

「あぁ、大丈夫だよ」

俺は欠伸交じりの声でそう言った。

「そうか?保健室で少し寝てこいよ」

「・・・あぁ、分かった・・・」

「先生には俺から言っといてやるよ」

「あぁ、ありがとな」

俺は飛鳥に礼を言って教室を出て保健室へと向かった。


保健室に入って空いているベッドを探す。

3つの内1つは使われていたが残り二つは空いている。

担当の先生もいないようだったから勝手に借りることにする。

ベッドで目を閉じた俺はそのまま深い眠りについていった。


「浩太、浩太。起きろよ」

誰かが俺の名前を呼ぶ声で俺を目覚めた。

呼んだ相手を確認すると飛鳥だった。

「どうしたんだ?」

「どうしたんだって・・・お前、今は放課後だぞ」

「放課後・・・俺ってそんなに寝てたの?」

「らしいな」

そこまで疲れていたのか・・・

「お前、相当疲れてるっぽいから。今日ぐらいは家でもゆっくりしろよ」

「あぁ、分かってるって」

「じゃあ、俺は部活行くわ」

「おう、頑張れよ」


飛鳥と別れた後は教室に戻り荷物を取りすぐに帰宅した。

家について眠ろうと思ったが完全に目が覚めていた。

結局、する事もなく俺は歌詞作りをする事にした。

10分ほど机に向かっていると今までは全然進まなかった

歌詞作りが驚くぐらいに進んでいった。

頭の中にいろんな言葉が思い浮かんだ。

彼女へ送りたい言葉がどんどん浮かんでいった。


驚いた事に歌詞は2時間で完成した。

後は曲と合わせて練習するだけ。

俺は何故だか緊張した。

彼女へ送るのはもう少し先だけど。

とにかく緊張した。


今日は調子が良いのかあっという間に完成した。

自分でも納得いく出来栄えだった。

後は練習して本番を迎えるだけ・・・だ。

さっきよりも緊張が高まった。

本番でもないくせにそれを想定したかのように胸が高鳴る。

「こんなんで本番、歌えんのかな?」

自問したのが可笑しくて俺は少しだけ笑った。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ