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真・恋姫†無双〜後漢最後の皇帝   作者: フィフスエマナ
第一章 降りかかる運命
3/31

はじめてのおでかけ

ようやく続きが完成しましたので投稿します。


前話にて今回から鬱が少しあると案内しましたが、気がついたら膨大な文章になったため小分けしての投稿することにしましたので徐々に入ってきます。

また、今話から一章最終話まで一気に投稿しますので、一話あたりの量が少なくなっています。

ご容赦お願いします。


まだまだ、誤字脱字でつたない文章ですが、一読いただければ幸いです。

時は少し遡る。

心地好い暖かさに包まれて要は目を覚ました。

そして目の前には翡翠が慈しみを込めた笑顔で、


「おはよう、伯和♪」


明るい声で話しかける。


「おんぎゃ〜♪(おはよう、翡翠お母さん♪)」


少し照れながら返す。


そして翡翠の胸に吸い付いて母乳を飲む。

これがここ最近の要の朝の日課だ。


当初、母親とはいえ転生前の世界なら、自分の半分ぐらいの年齢の翡翠のことをどう呼ぶか迷っていた。

精神的には年下だから翡翠ちゃんと呼ぼうと考えてみたが、それが癖になり言葉を話せるようになった時に、つい口に出そうになるだろうと思いやめた。


想像してほしい。赤子の最初の言葉がママとかではなく自分の名前をちゃん付けで呼ばれたらと…、これこそまさに青天の霹靂である(笑)


しかし、翡翠のことを純粋にママと呼べる精神的な年齢でもないため、無難に翡翠お母さんと呼ぶことにしたのである。


翡翠がはだけた服を直すために抱いていた要を木蓮に渡す、翡翠から要を受け取り背中をトントンと軽く叩き、ひとしきりゲップをし終えた要は改めて木蓮を見上げて、


「きゃっきゃ〜(おはよう、木蓮さん♪)」

「おはようございます。伯和皇子♪」


こちらもお互い朝の挨拶を済ませる。


そして、まじまじと要は木蓮を見て思う。

木蓮の見た目は黒目、黒髪で髪は長く、顔は整っており清楚な美人である。

また、女性でも背が高く元いた世界なら美人のモデルで通用すると。


(相変わらず木蓮さんは美人さんだね〜)


などと赤子にあるまじき邪なことを考えていると、


「伯和は木蓮が大好きなのね♪」


横から服を直し終えた翡翠が、少しやきもちを含んだ声で木蓮に話しかけながら近付いてきた。


そんな翡翠に、やれやれと内心苦笑して、木蓮は赤子を渡しながら言葉を続けた。


「そんなことないわ、翡翠。伯和皇子は翡翠と一緒にいる時が一番幸せそうな顔をしてるわよ♪」

「そうかしら?うふふ、ありがと木蓮♪」


母親なら当たり前であろうことを言われたが、まんざらでもないといった感じで翡翠が微笑んだ。


そんな幸せそうな表情をしている翡翠を要はまじまじと見上げた。


そこには皇帝の側室ではなく、年頃の娘の表情をした翡翠がいた。


翡翠の見た目は雪のような真っ白な髪を頭の上でまとめており、目は少したれ目気味でおっとりとした感じである。また、背丈はそんなに高くなく元いた世界では良家のお嬢さんって雰囲気だった。


(翡翠お母さんはやっぱり可愛い系だよな。でも、木蓮さんの方が個人的には好みのだよな~)


と、翡翠と木蓮がけして想像もできないことを考えている赤ん坊こと要であった。


「そういえば翡翠。今日も庭園でゆっくりする?」

「ううん、今日は体調もいいから伯和を連れて、董太后様の宮殿に挨拶と妊娠中にお世話になった御礼を兼ねて行こうと思うの」

「董太后様の宮殿へ?少し距離があるな…心配だから一緒に行くよ」

「ありがと木蓮。でも、董太后様の宮殿だし侍女達も一緒だから大丈夫よ。だから、今日はゆっくりしてて木蓮」

「いや、しかしだな翡翠。体調が…」

「木蓮、貴女の方こそ伯和が産まれてから昼夜を問わず付きっきりでほとんど休んでなかったでしょ?だから、今日ぐらいははゆっくりしてて…お願い」


少し上目遣いで木蓮を見上げながら翡翠は訴えかけた。


「いや、しかし…」

「じーー」


「えっと…」

「じーーー」


「翡翠…」

「じーーーー(ウルウル)」


「あ〜、わかった、わかった!今日はゆっくりするよ。だから頼むからその目はやめてくれ」

「ありがと木蓮♪」


パッと、花が咲いたような笑顔をして翡翠が木蓮を見上げた。


(やれやれ、さっきの表情といい、この笑顔をする翡翠には昔から敵わないな)


などと、皇帝に嫁ぐ前から幾度もなくこの展開でやられている自分に対して内心で苦笑しつつも、主であり親友でもある翡翠の心遣いに嬉しく思った木蓮であった。


「ただし、絶対に無理はしないこと!変だと感じたら我慢せず、すぐに侍女に言うんだぞ」

「はーーい、木蓮♪」

「まったく、調子のいい奴だな」

「えへへ♪」


「でも、ありがとな翡翠」

「どういたしまして。明日からはまた無理をお願いすると思うからゆっくり休んでてね」

「ああ、ゆっくり休ませてもらうよ。そろそろ、行くのか?」

「ええ、そのつもりよ」


翡翠からの返事を聞いた木蓮は、少し大きめの声で扉の向こうに控えている侍女達に声をかけ、それを聞いた侍女達はてきぱきと準備を始める。


(この二人、本当に仲がいいな)


二人のやり取りを見上げながら聞いていた要が微笑ましく思っていると、準備が整ったことを一人の侍女が伝へに部屋に入り董太后の宮殿へ出掛けることになったのだ。


「じゃあ、木蓮行ってくるわね」

「行ってらっしゃいませ、王美人様」


と、木蓮が恭しく見送りの言葉を伝える。


(相変わらず侍女達がいる前では私の真名を呼んでくれないんだから…でも、木蓮らしいか)


などと、真面目な親友を思いつつ董太后の住む宮殿へ侍女を連れだって出掛けたのである。


そんな翡翠をよそに要は今回のお出かけに期待を膨らましていた。

なぜなら転生して此の方、翡翠の部屋から一回も出たことがなかったからである。

また、翡翠、木蓮と側室付きの侍女達以外の人とも会ったことがなかったので尚更であった。


(楽しみだな~。外はどんな建物なんだろう)


侍女が先導する形で翡翠に抱かれた要は部屋の外に出た瞬間…


「おん…(うわ)」


思わず声が上擦って漏れた。


それもそのはず、部屋の外に広がる景色は建物内にもかかわらず圧巻だった。

まず、最初に目に引くのは天井の高さ、その高さはゆうに大人5人分以上の高さがあり、天井に近い付近の外側に面している壁には光を取り込むために小窓のようなものがいくつものあり、そこから入った太陽の光が建物内の廊下を明るく照らしている。


(へっ?)


その照らされている廊下の先を見ようとした要はさらに驚いた。

真っ直ぐ延びている廊下が長すぎて先が見えないのだ。


転生前の世界でも庶民の要はこんな長い廊下を見たことはなかった。


しばらく呆気にとられていたが気をとりなおして、周囲に目を向けると派手な色の柱が目についた。


その柱は等間隔に建てられており柱はすべて朱色に染められていた。


そして、柱と柱の間にある壁には屏風絵のような色々な絵と欄窓よりももっと細かい彫刻が施された壁が天井まで交互に続いていた。

そして天井にも細かい彫刻がびっしりと施されていた。


要はこの時まで自分の暮らしていく生活環境を理解してなかった。


翡翠と暮らすこの宮殿が、当時の世界最高の建築技術と芸術技術の粋と莫大なお金をかけて建築された豪華絢爛な建物であることを。


目に写る物すべてに驚愕して呆気にとられていると、そんな要を見て翡翠は微笑みながら、


「初めて見るお外だから、伯和も興味津々ね」


などと、同行する侍女達と一緒に談笑している。


「おんぎゃ〜(いや、興味津々の度合いが違うから!)」


興奮して答える要を見て翡翠は、


「あらあら、顔を真っ赤にして♪あまり興奮したらダメよ、伯和♪」


などと、少しあやす風に装いそれを周りで見ていた侍女達からも自然と笑みが漏れる。


何気に部屋を出てから、何度となくこのやり取りが続いている。


まぁ、要が驚くのも無理はない。


元々、翡翠の祖父は禁軍(近衛)の将まで上り詰めた人物で性格は実直だった。

そして、そんな祖父の性格を色濃く受け継いだ父は武ではなく文の才能に恵まれていた。

そのため、父は生まれ故郷の并州は晋陽の街で高級文官として任官したのである。


だが、賄賂が横行する官の中で頑なに実直であったため、すぐに左遷されることになった。

その後も、左遷に左遷が続き、翡翠が産まれた頃には楚地方、荊南州は長沙の片田舎の県令にまで落ちていったのである。

また、そのころには祖父の時代築いた栄光も財の欠片もなく家は貧困になってしまっていた。


そんな家に生まれた翡翠であったが、とある理由で年に一度、洛陽で行われる大神事を手伝うことになり、洛陽へ出向いた時に霊帝に見初められて後宮入りして側室になったのである。


そのため、豪華な生活にうまく馴染めず、礼典、式典、祭典などの必要な行事以外では豪華な物を極力遠ざけているため、要と暮らす部屋の調度品や着る服などは、後宮で暮す人々の中でも意外なほど質素な物だった。

ただ、質素といえども庶民や有力諸侯などから見れば、それでも充分に豪華であるのは後宮の品位を落とさないために宦官が翡翠を説得した結果である。


時折、廊下の先に侍女や女官が見えるが見えた瞬間に侍女や女官達は壁際に避けて道を譲り、膝を床につけ恭しく翡翠が通り過ぎるまで頭を下げている…、そんな姿を見て皇帝の御子を産んだ翡翠が後宮内でも高い地位にあることを改めて認識する要であった。


複数の侍女や女官を伴った地位高いと思われる人物などは翡翠に対して出産の祝辞などを申し上げ、それに対して翡翠が一言、二言返していた。


そんな中でも印象的だったのは、見るからに年をとった男性?と思ったが、顔の作りは若く、声がやたら高い、まるで変声期前の少年のような人物であった。


そのアンバランスさに気持ち悪いと感じつつも、何度かすれ違っていく間にとりあえず見慣れた要であった。

それが男性禁制の後宮で働く宦官であることを知るのは、少し先の話しである。


そんな驚きの連続だったたが、廊下の先にいる侍女を連れた一際豪華な服に身をつつんだ人物が目に止まった瞬間に翡翠が要を少し強く抱きしめ、それと同時に侍女達に緊張が走った。


侍女達は壁際に避け膝を床につけ頭を下げる。

翡翠も壁際に避け膝を床に落とすが頭は軽く落とすだけに止まり、その人物が通り過ぎるのを待った。


その人物が近付くにつれて要を抱く腕には力がはいり、普段の穏和な表情ではなく極度に緊張した顔をした翡翠を見て要は驚ていた。


(どうしたんだろう?翡翠お母さん)


足音が翡翠の前を通り過ぎるようとした瞬間、止まり辺りにさらに緊張が広がる。


「なにやら地味な服を着た者が目についたから、何処の田舎者が後宮内にいると驚いていたらよもや王美人であったとはのう」


辺りにその人物の小ばかにしたような声が響き、その人物が連れている侍女達と思われる笑い声が続いた。


(なんだ、いきなり)


と、内心ムカムカして要はその人物を見上げてると、そこにはあからさま過ぎるほど豪華な服や宝飾品に身を包んだ美女がいた。


赤髪で赤色の瞳をしていて、全体的に少しキツめの顔立ちをして妖艶な雰囲気を漂わせるその顔は充分に美人であった。

転生前の世界なら、十人すれ違えば十人とも振り返る…そんな顔立ちだった。


ただ、残念なことにその女性の顔立ち自体に華があるのにもかかわらず、身に付けているものが露骨過ぎるほど豪華なため かえって反発し異様な雰囲気を醸し出していた。

例えるなら、センスもなくこれでもかと言うぐらいに高級ブランド品で身を包んだあれのような感じなのだ。


内心で思っていると、強張った顔を普段の穏和な顔に変えた顔を上げた翡翠が、


「お久し振りでございます。何皇后様」

「なんじゃ、聞いていたよりも元気そうじゃな」

「はい、お陰様でございます、何皇后様」

「誰もおまえのことなど心配などせんわ、勘違いするでないわ」

「申し訳ございません、何皇后様」

「不愉快じゃのう、もしそのせいでわらわが倒れたらどうするのじゃ?王美人よ」

「何皇后様。私は何皇后様の体調を崩すなどとは微塵にも考えておりません」

「そうかのう。まぁ、人間上辺では何とも言えるからのう。本心ははたしてどうじゃかのう? 寧ろ、陛下の御子を産んだそちからしたら、わらわが体調を崩した方が好都合であろう…のう王美人よ?」


「いえ、そんな事は露とも思ってもおりません」

「で、あればいいのじゃがのう。しかし、万が一にでも簒奪などと考えでもしたら、わらわはおまえの一族郎党すべて生まれてきたことを後悔させてやるから覚悟せい」

「はい…」


と、あからさまに過ぎるほど何皇后が翡翠に対して毒を吐き続ける。


その後もますます何皇后の毒は続き徐々に翡翠の顔は青くなっていく、それを見てますます何皇后の毒は苛烈になっていく。

しかも、何皇后の侍女達は窘めるそぶりすら見せず一緒になって見下して笑っていてやりたい放題であった。


それが長い間続き、ついには翡翠の具合もかなり悪くなるもお構い無しだった。


「おやおや、あさましくも皇帝の御子を産んだ母親が話し一つしたぐらいでそのような…、世も末じゃな」


「まったく、産んだ皇子の簒奪は考えることが出来ても、いやはや体は逆で情けないのう」


ますます饒舌になって話しだす。


そんな何皇后に激しく怒りを覚えた要であったが、同時に赤子のため何もできない自分に苛ついていた。

文句の一つも言おうとした瞬間に、ついに翡翠が床に倒れた。


翡翠は薄れゆく意識の中でとっさに要を庇ったため、要自体に衝撃はなかった。


翡翠付きの侍女達が反射的に頭をあげて翡翠に駆け寄ろうとしたが、それを何皇后が手で制した。


そして倒れた翡翠を見て何皇后はさらに嘲笑っていた。、


「おんぎゃ〜(いいかげんにしろ)、おんぎゃ〜(ふざけんな)、おんぎゃ〜(鬼ババァ)」


辺り一帯に赤ん坊の甲高い声が響きわたった。


それを聞いて少し戸惑った表情をした何皇后であったがすぐに気を取り直して、


「おやおや、なんと皇帝の御子とは思えないぐらい下品な泣き声なじゃことじゃの」

「おんぎゃ〜(黙れババァ)」

「わが子の弁はもう少し上品な泣き声じゃったぞ」

「おんぎゃー(知るかババァ)」

「お〜、煩いのう。本当に皇帝の御子か?わらわが直接、確認してやろう」


倒れている翡翠の方に近付き要を奪おうとする。


要を見るその顔は、まるで汚い物を見るような表情をしていた。


「おんぎゃ〜(翡翠お母さんに触るな)」


一際大きな声が辺りに広がった瞬間…


「そこで何をしてるのですか!」


「!!」

(!!)


遠くから鋭い叱責の声が響いてきた。


それを聞いた何皇后は徐に赤子に伸ばさそうとした手を引っ込め、あからさまに翡翠を抱き起こす動作をした。


それと同時に複数の急ぎ足の足音が近づいてきて、


「そこで何をしているのですか!何皇后!」


怒気を含んだ鋭い叱責がとび、何皇后を問い詰めた。


「王美人の具合が悪かったので介抱をしていましたわ、御母様」


先程とはうってかわって、すごく心配してますわよ、という顔を作った何皇后がしれっと答える。


「介抱を?嘘おっしゃい! 貴女と王美人のやり取りは私の警護の者が見ていたのですよ。嘘をつくなら、もう少しまともな嘘をつきなさい!」


「………」


それを聞いて、何皇后が苦虫を噛み締めた表情になった。


「それに貴女から御母様と言われる由縁もありません!」

「しかし、御母様。劉弁は陛下の御子で陛下の母君は御母様…董太后様です。ですので、劉弁の母親である私にとっても御母様なのです。私の生母以上にお慕い申し上げて何の問題がありましょうか」


と、いけしゃあしゃあと話しはじめる。


それを聞いた董太后は額に血管を浮かせながら、


「御黙りなさい!私は貴女を皇后なんて認めてません!まったくもって不愉快です。見た目といい口といい、着飾るだけの外面は達者ね!少しは王美人みたく内面を磨いて徳を積みなさい!それに…」


「お話し中に申し訳ありません、董太后様。まずは王美人様をお部屋に…」


さらに言葉を続けようとした董太后に対して、横から警護の女性が窘める。

それを聞いた董太后はハッとして、何皇后から踵を返して翡翠の方に歩をすすめた。


「今日は側仕えの医師はいないの?」

「はい、今日はお休みするようにと王美人様が言われまして…」


董太后に聞かれた侍女が答える。


それを聞き董太后は先程、自分を窘めた警護の女性…義真に赤子を抱き抱えるように指示をして、周りで固まっている侍女達に声をかけ、自身の他の警護兵に翡翠を部屋に運ぶよう素早く指示を出しはじめた。


(すごいパワフルなおばちゃんだ)


ふくよかな体型をした董太后に見てそう思っている要を、義真は翡翠の腕から丁寧に取り自ら優しく抱き抱えた。


ちょうど、それと同時に翡翠を部屋に運ぶ準備も整い、董太后を先頭に順次続く。

それを目にしながら義真は何皇后に軽く一礼をして列の最後に続く。


少し進むと腕の中の赤ん坊がブルブルと震えはじめた。

ふと、翡翠と自分の容姿は正反対だから嫌われたのだろうと怪訝な表情をした義真であったがすぐ気を取り直して足を早めていった。


しかし、赤ん坊が震えだした理由は別にあった…


そう、要は見てしまったのだ。


抱き抱えられた義真の肩ごしに何皇后の顔を…


そこには憎しみや怨み妬みといった様々な激しい感情が混じりあい言葉では形容できないぐらい醜い顔をした何皇后がこっちを見ていたのだ。


そして、そんな何皇后と目があった瞬間、要の中に一気に恐怖が広がったのである。


禁軍内(近衛)でも一目置かれている義真…皇甫嵩の腕の中であっても尚、何皇后の視線だけで意図もたやすく自分が殺されるという恐怖を。


後の人生でもめったに目にすることのない、人の醜い部分を心の中に刻みつけられながら…


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