要の願い、冬史の葛藤
お待たせしました。
新しい話しが出来上がりましたので投稿します。
楽しんで読んで頂ければ幸いです。
冬史が劉表のところから部屋に戻って見たのは澪と要の仲睦まじい姿だった。
「あっ、姐さんお帰りなさいっす」
冬史に気が付いた澪は笑顔で出迎えの言葉を送ったのであった。
「……おかえりなさい」
要も出迎えの言葉をかけてくれたが、澪とのそれとはかなり温度差のある言葉だった。
(私が劉表様の所に行っている間に……)
さっきの二人の姿を思い出して冬史は若干やきもちを焼いていた。冬史が部屋に入ってきてから何も言葉を発しなかったため澪は不思議に思い、少しだけ心配した面持ちで話しかけたのである。
「姐さん、劉表様はどうだったんっすか?」
「………ッ、あぁ、劉表様も中止の件はちゃんと理解して下さった。だから以後の授業はなくなったぞ」
その声で思い出したように話した冬史であった。
「本当っすか?さすが姐さんっすね。皇子、良かったっすね~♪」
「……う」
返事を聞く前に澪は嬉しくなって要の手を握りぶんぶんと大きく振ったのである。実は澪も全く不安がなかった訳ではない。いくら冬史が理解してくれても劉表がそれを認めなければ正直、授業の中止は難しかったからである。その気持ちは要も同じであった。そんな二人を最初は羨ましい表情を浮かべて見ていた冬史だったが、途中からはあまりにも微笑ましく思えて苦笑した表情に変わっていたのであった。一頻り要と喜びを分かちあっていた澪は満足したようにそれを止めて、冬史に今後のことを訊ねたのだ。
「姐さん、本当にありがとっす。じゃあ、すぐに都に戻るっすよね?」
「あぁ、それなんだが…」
澪の問いかけに対して、劉表と話し合って決めた内容を伝えたのであった。
「なるほど、それはしかたないっすね。出発まで十日の時間があるっすけど、どうしまっすか?」
「そうだな………。順当に行けば襄陽の街見物だな」
「そうっすよね。皇子、何処か行ってみたいことあるっすか?」
「よく、わからないよ」
部屋に戻る途中で色々と考えていた冬史であったが、妙案が浮かばなかったため無難な襄陽見学を伝えたのであった。この襄陽は洛陽に比べれば街の規模は数段劣るが、それでも荊州全体から見れば大都市にあたる。また、洛陽に戻ってしまえば、容易に要が街へ出歩くことが難しくなるため、この機会にとの考えも含んでいた。冬史の考えを聞き、澪は何かを考えていた。そして、妙案が浮かんだという顔をして冬史に話しかけたのである。
「って、姐さん?」
「何か良い案でも浮かんだのか?」
「はいっす。すご~く、妙案が浮かんだっすよ。たしか、亡くなった王美人様のご生家ってこの地方じゃなかったっすか?」
「あぁ、そうだった。たしか長沙の北で江夏から長江を渡河してすぐの県の県令をしていたはずだ。澪、まさか……」
澪からの問いかけに翡翠の実家のことを思い出した冬史だった。だが、その話しを笑顔で聞いている澪を見て、冬史の背中には嫌な汗が流れていた。その笑顔から、澪が言いたいことが分かったからだ。
「ええ、その通りっすよ!時間的に余裕があるっすから、この機会に行ってみましょうっすよ~」
「いや、しかしだな……、皇子の安全上の問題があるからそれは無理だ」
現在、冬史がすぐに動かせる兵は無理をして禁軍所属の百名だけであった。洛陽から同行している軍の兵九百は指揮権が違うため、おいそれと動かすことは出来ないのだ。勿論、緊急と言えばすぐ動いてはくれるのだが、それでもいくつかの問題が残ってしまう。
まず、皇子の警護だ。さすがに千名だけでは心許なく荒野では逆に目立って危険だった。次に、董太后の息がかかっている禁軍だけなら滞在先以外に立ち寄ったことを隠し通せるが、軍を動かせば間違いなく十常侍達に知られてしまう。緊急時でもないのに玉座の前で決まった場所以外に軍を動かすのは非常に危険な行為だ。もし知られてしまえば指揮権乱用で死罪だろう。
また、いくら同じ高祖の血縁だとしても領内で勝手に軍を動かせば、劉表やその部下達もいい顔はしない。それは荊南州側も同じだ。通告なしに進入すれば確実に大問題に発展する。それを、澪に伝えようとした。いや、澪ならばこんなことぐらい分かっているはずだ。そう思い冬史は澪を見ると、澪は腰を落して要に話してかけていた。
「やっぱり皇子も王美人様の家族に会ってみたいっすよね?」
「えっ!? この近くにいるの?お母さんの家族?」
「んと、この襄陽から少し離れてますが、時間的には行ける距離っすよ」
「おぃ、澪。ちょっと待て!」
「本当?行けるんだったら行ってみたい」
「お、皇子それはいけません!!」
冬史が澪を止める間もなく、澪が要に話してしまった。澪から翡翠の家族がこの近くにいると聞いた要は目を輝かせていた。自分にはまだ血の繋がった普通の家族が残されていると知ったからだ。きっと翡翠を育てた両親なら自分のことを一人の人間として扱ってくれるだろうと思っていたので尚更だった。その思いを援護する形で澪は話しを続けたのである。
「姐さん、皇子もこう言ってることっすし」
「いや、駄目だ。いくら皇子の願いだと言えどもそれは無理だ。皇子を警護するのには兵があまりにも足りない。それに、長沙はたしか江東の虎……孫文台様が治めていたな。正式な使者を出さずに軍を進入などさせたらとんでもないことになるぞ。噂通りの人物なら最悪、一戦交えることになるかもしれん。それに宮中に迂闊に知られるわけには……。澪もそれは分かっているだろう?皇子、本当に申し訳ございませんが、行くことは叶いません」
「………義真。どうしても?」
「申し訳ございませんが……」
冬史の話しは大陸のことを考えれば最もだと思った。簡単に言えば警視庁の警察が捜査のため、他の県に団体で詰掛ければさすがに来られた方はいい顔はしない。しかも当初の予定以上の捜査をした挙句、隣県に通告なしで捜査のため入れば大問題になる。それを同じだ。いや、要の身分などを考えればそれ以上だった。
だが、突然降って湧いた話に期待を膨らましたため、頭では理解出来たが感情では納得は出来なかった。何度も冬史を見上げて聞いてみたが、難しい表情で顔を横に振るだけであった。
また、冬史も本音では何とかしてあげたかったが、その後のことを考えると何も出来なかった。そのため自分の無力さに悔しくて、ますますその思いが顔に出てしまったのであった。しかし、そんな二人を見比べていた澪がその空気を切り裂いたのである。
「じゃあ、思い切ってお忍びで行くってのはどうっすか?あたし達だけで?」
「なんだと?」
「そうすれば、劉表様含め荊北州にも迷惑はかからないっすし、江東の虎さんや宮中にも気付かれることはないっす、おまけに旅人を装えば軍行動するより警備面も問題ないっすよ。ほら、良いこと尽くめじゃないっすか?………あれ?姐さん震えていますけど、大丈夫っすか?」
要のために思いついた案を冬史に説明していた澪だったが、突如として小刻みに震えだした冬史を見て、心配して問いかけたのだった。その冬史からは搾り出したようなうめき声が漏れていた。
「こ、」
「こ?っすか」
「この」
「この?なんっすか姐さん?」
「この大馬鹿者がーーーーー!!!」
「うっひゃ~、ね、ねえさ……」
「何がいいこと尽くめだ!もし、皇子の身に何かあったらどうするつもりだ!」
「い、いやっすね。で、でも………」
「いやも、でもも、あるか!その性根を叩き直……」
冬史は澪の浅はかな考えに怒っていたのである。こんな考えでは皇子の警護が勤まるわけがないと本気で思っていたからだ。だから、洛陽に帰るまでその性根を叩き直そうと考え、まさにそのことを澪に伝えようとした。だが、思いがけない人物から服を引っ張れそれは遮られたのであった。
「義真、おねがい」
「えっ?皇子」
「お願いだから、僕をお母さんの家族のところへ連れて行って……」
「ですが、皇子…」
「僕に唯一残された家族なんだ。だから少しでも行けるのであれば義真の指示に絶対従うから……だからお願い」
「………ッ!!」
「姐さん、あたしからもお願いっすよ」
「しかし……」
突然のお願いに冬史は面食らっていた。自分が嫌われていると感じていた要からお願いされるとは思っていなかったからだ。今まで冬史の方から要に問いかけることは何度もあったが、逆は全くなかった。しかも、初めて冬史の服を引っ張っりながらのお願いである。その要の目は真剣だった。今まで自分が警護していた中で一度も見たことがない、その真剣な幼い姿を見て冬史の心は痛んだ。そして、こんなにも真剣に頼んできている姿を見て尚、断らなければならない自分の臣下としての振る舞いを情けなく思っていた。もう二度と好かれることはないだろうと思い、心を鬼にして伝えたのであった。
「皇子、何度も申し上げますがそれは叶わないことです。また、そのような命は董太后様からもお受けておりません。申し訳ありませんが……」
「………そんな」
死刑宣告にも等しい冬史の言葉を聞き、要は引っ張っていた服から手を放し、がっくりと肩を下ろし顔を床に向けたのであった。その姿を見て冬史の心はますます痛んだのである。そして、最後の言葉を要に伝えようと口を開きかけた時、先程から黙って見ていた澪が先に口を開いたのであった。しかも、その声は場違いなほど明るかった。
「皇子、ちょっといいっすか?いきなりっすけど勉強の復習するっすよ♪」
「……朱儁?」
「さあさあ、そんな悲しい顔をしないで。あたしを信じて下さいっす!きっと、笑顔にしてみせますよ♪」
「本当に?」
「ええ、朝も言いましたけど、皇子に嘘をついたことないじゃないっすか、ね♪」
「うん、わかった信じるよ」
「ありがとっす♪姐さん、少しだけ待っててもらえるっすか?」
「………あぁ。だが、どう策を廻らしても無駄だぞ」
突然、澪から勉強の復習をすると伝えられた要は、澪の明るい雰囲気が何によるものか分からなかった。何故、この状況でそんな明るく出来るのだろうと疑問に思っていた。だが、朝も見た澪の優しさと真剣さを兼ね備えた目を見た瞬間、信じようと決めたのだった。こういう時の澪は要に対して一度も嘘をついたことがなかったからだ。澪に待っててと言われた冬史はそれで気が済むのならと思い返事をした。それは、どう足掻いても状況が好転することはなかったからだった。だが、冬史は失念していた。それに気付いた時はすでに手遅れだとも知らずに………
「姐さん、ありがとっす。じゃあ、皇子復習するっすよ♪質問ですが、軍は誰の命令で進軍しますか?」
「洛陽だと皇帝の命で進軍して、諸侯なら州牧や刺史、または太守かな?」
「さすがっすね~、正解っすよ。じゃあ、進軍先ならどうなっるすか?」
「進軍先?……えっと軍の司令官かな」
「その通りっすね。ちなみに司令官と副指令官、一応は同じ司令官っすけど、どっちの命令が優先されまっすか?」
「それは司令官。だって副官よりも上位職だから。もし、副官の命令が優先されると軍はおかしくなっちゃうよ。だから司令官が軍内にいる時は副官の命令が優先されることはないよ。逆に単独行動で軍内に司令官がいなければ副官の命令が優先されるよ」
(よく、短期間でここまで覚えられましたね)
澪と要の会話を近くで聞いていた冬史は、洛陽を発つ前とは比べようもないぐらいに見違えた要の姿を見て嬉しくなっていた。また、今回の滞在を決めて本当に良かったと心底思っていた。心なしか顔が緩んでいくのを分かった。だが、それは次の質問で凍りつくことになったのだった。
「では、そのことを踏まえて質問っす。今回、襄陽に同行した洛陽の軍の命令権は誰が持っていますか?」
(………ッ!!)
「洛陽から同行してる兵の?……う~ん、誰だろう。軍は軍司令官?禁軍は義真?いや、違うか。禁軍右将軍………かな?」
「おぉ~、さすがっすね♪じゃあ、更に聞くっすけど……」
「澪、その質問は…」
「では、禁軍に命令できるのは誰っすか?また、この滞在先の襄陽において禁軍に命令を出せる人物は誰っすか?」
(やめろ澪!その質問は……)
「禁軍右将軍に命令できるのは皇帝のみだよ。この襄陽においては劉表さん?いや、違うな……もしかして僕?」
「や、やめろ……澪」
「姐さん、約束しましたっすよね?」
「…ッ……、しかし」
冬史は澪が言わんとしたことがすでに分かっていた。それは自分が完全に失念していたことだった。そのため、動揺してしまい声が上手くだせなかった。また、何とか声を出すことが出来たが、澪から先程の約束を持ち出されたため、すぐに言葉が詰まってしまったのであった。
「残念っす!禁軍はすべて皇帝陛下の直属になっています。だから、この襄陽で皇帝陛下に命を受けた禁軍右将軍に命を出せる者はいないっすよ。それは皇子であっても出来ないことっす」
「そうなんだ……」
澪の答えを聞いて要は少しだけ肩を落した。だが、次の瞬間、澪が思いがけないことを切り出したのである。
「しかし、あたしと姐さんの二人だけは皇帝陛下と董太后様より、後宮内での警護のため皇子の直属の任を受けています。そして、それは襄陽に滞在してる現在も継続されていますよ」
「もしかして、それって?」
「そうっす!あたしと姐さんに対しての命令優先権は皇帝陛下、禁軍将軍の順ではなく、皇帝陛下、皇子、禁軍将軍の順になるっすよ。だから、この襄陽においてはあたし達、二人の命令権は伯和皇子が持っているんっすよ」
「本当に?」
「そうっすよね。姐さん?」
それは澪の言うとおりだった。滞在先での冬史と澪の命令権は禁軍将軍ではなく、皇子直属のため要の命令権が優先されるのであった。冬史は要が五歳の幼子のため、そのことを完全に失念していたのだ。それを表すように冬史は苦虫をかみ締めたような表情をしていた。そんな冬史を探るような目で再度、要は見上げてきたのである。
「義真?」
「………はい、朱儁の言う通りです。皇子が命を発すれば私はそれに従います」
「命令を?」
「はい、命令をして頂けば………」
「姐さん……」
冬史の姿はまさに感情を殺した臣下のそれであった。さすがに冬史のその姿を見た澪は、言葉がでなくなっていた。それは要に一番接して欲しくない姿だったからだ。そして、要と接する時だけは冬史に直して欲しい姿でもあったからだった。
「そっか、命令すれば聞いてもらえるんだね?」
「…………はい」
要は真剣な目をして冬史にそう聞いた。そして、冬史がそれに対して返事をした瞬間、一気に部屋の中の緊張が高まった。澪は要が命を発したら何か大事な物が壊れていくのが分かってしまったが、澪にそれを止める術はなかった。そして緊張が膨れあがって弾けかけた………
「うん、分かったよ。じゃあ、命令しないよ」
要は笑顔で冬史にそう話した。
「皇子?」
冬史は訳が分からなくなり、きょとんとした顔で要は見ていた。
「だって、そんな自分の感情を押し殺した顔でしか従えないような命令は僕には出来ないよ。だから、命令はしないよ。義真、苦しめてごめんね」
「いいのですか、皇子?」
「本当にいいんっすか皇子?」
冬史は驚いた顔し、澪は安堵した顔をして要に確認をした。要は先程の冬史の押し殺した姿を見て心がとても痛かった。その姿は、今まで見た姿のどれよりも感情が一切なく完全に臣下として徹していたからであった。もし、命令をすればきっと冬史は聞いてくれるだろう。だが、以降は今まで以上に臣下としてしか、接してくれないと察したのであった。
また、誰かに嫌なことを強要される辛さはこの世界に生を受けてから嫌というほど味わった苦しみだった。そんな苦しみを自分の都合だけで他人に強要するのは要には出来なかった。だから、命令はしなかったのである。でも、翡翠の実家に行きたい気持ちは諦めれなかった。だから……、
「うん、命令はしないよ。ただ……」
「ただ?」
「ただっすか?」
「僕をお母さんの故郷へ連れて行って下さい。お願いします」
「皇子!!」
だから、頭と膝を床につけて義真に本気でお願いしたのだった。その要の姿は真剣であり前代未聞であった。
「お願いします」
(まさか、私の行動が結果が、このような真似を招くとは………。くそッ!!しかも、初めてのお願いごとだぞ………、五歳の幼子の頼みごとすら聞けんとは全く不甲斐ない。あ~、もうっ!!)
「皇子、御立ち下さい。皇帝の御子が軽々しく臣下に頭を下げてはなりません。御子を臣下は軽んじるようになります」
「でも……」
「一切、言い訳は聞きません。御立ち下さい!」
「ね、姐さん」
そう言うと冬史は要を無理矢理、抱き上げて立たせ、服についた汚れを丁寧に払ったのであった。突然の行動におっかないびっくりしてる要に、反論の余地がない雰囲気で冬史は話しかけたのである。
「皇子が他人に頭を下げる意味は我々のそれとは違います。だから、二度と軽々しく頭を下げないと私と約束して下さい」
「義真……」
「約束して下さい」
冬史は真剣だった。
「……うん、わかった。約束するよ義真」
だから要は二度と軽々しく頭を下げないと誓ったのである。それを聞いた冬史の顔は一気に優しくなり要に告げたのであった。
「はい、たしかに聞き届けました。それさえ約束して頂けたのなら、私は道中安心して皇子の護衛に付くことが出来ますからね」
「義真?」
「ね、姐さんそれって?」
「はい、翡翠様のご生家までご一緒致します」
冬史は要が命令しないと言った時に心が動かされたのだった。もし、命令されればきっと自分は従っただろう。だが、今後の主従の関係には確実に亀裂が入っただろうと思った。だから、命令しないと要が言った時、冬史の心の底から安堵したのだ。そして、目の前でお願いをされた瞬間、冬史の心は決まっていた。宮中に戻ればきっと自分では聞き届けることの出来ないその願いを、今回だけは聞き届けようと。
「本当に?」
「ええ、嘘はつきませんよ」
「義真、ありがとう」
その言葉を聞いた要は冬史に全身で抱き付いて来たのであった。そして、冬史を見上げるように満面の笑みを浮かべて何度も何度もお礼を伝えたのだった。
「あっ、いえ………ぽッ」
だが、初めての抱きつき攻撃を受けた冬史の衝撃は凄まじかった。その場で顔を真っ赤にして遥か彼方へ旅立ってしまったのであった。
何とか冬史が戻ってきた後、澪は街に要の服を見繕いに行き、冬史は劉表にのみ江夏にお忍びで行くことを伝えたのであった。劉表はそれを聞き、さすが手兵を出すと申し出たが、冬史が頑なに断ったため折れる形になってしまった。また、劉表は今回のお忍びを黙認するが、公式には一切知らないこととなったのだった。それは何かあった時のためである。勿論、冬史もそのつもりだった。
だが、冬史は劉表にも伝えてなかったのだ。自分達が長江を越えて他領へ行くことを………
読んで頂き、ありがとうございます。
少し回りくどい内容になりましたが、これは要の立場のせいだと思って下さい。
また、明日もこの続きを投稿しますので、楽しみにしていて下さいね。




