じじい成長する
そんなこんなで四年の歳月が過ぎた
子供の成長と言うのは日進月歩じゃのう
この世界では四歳八歳十四歳でイベントがあり、十六歳になると晴れて成人となり母神様の加護が消失するのじゃそうな
もうじき四歳のイベントじゃ
姉のシスも八歳のイベントが同じ時期にある様で我が家は大忙しの様じゃのう
四歳のイベントは言うたら七五三みたいなもんじゃな
母神様の神殿に行って無事に育ってる報告をして寄進をして帰ってくるだけの簡単な物じゃ
八歳のイベントはというと…
「カタナ、準備は出来ているか?」
父パーパスがワシに苔を掛ける
「はい、父上」
孫より若い青年を父と呼ぶのに多少の違和感を感じなくは無いがこの男、中々どうしてしっかり者じゃ
王位継承争いからママンサを遠ざける為に適当にあてがわれた小規模な農村だったにも関わらず一日も休まずに良く働き気が付けばワシが生まれて四年の間で王都とも取り引きを持つちょっとした規模の農村になっておる
何より凄いのは冒険者として自ら遠方まで足を運んで手に入れたこの村の特産品の里芋じゃな
どちらかと言うとタロ芋なのじゃが
比較的寒いこの辺りの気候でこれを育てる為に火属性魔道具で温度管理をする装置を開発して量産した事でこの村のみならず近隣の村も冷害から救って見せおった
その功績から今や伯爵号に手が届きそうな子爵様じゃ
ワシはこれからそんな子爵様と一緒に王都の母神様の神殿に向かう段取りになっておる
「俺、ああいうところ苦手なんだよなぁ…」
パーパスが愚痴を漏らす
この男儀式とか会議というのは本当に嫌いらしい
その弱点が無ければもう伯爵だったと村の衆によく弄られておる
村人に面と向かってからかわれる中堅貴族と言うのも難儀な物じゃ
「何時でも出発出来ます」
ワシは元気に返事をする
年頃の幼児を演じるのも楽じゃ無いわい
それを書いたパーパスは馬車に乗る様促す
今回はワシとパーパスと事務仕事全般をやってくれる執事のセバスチャンが同行する
パーパスが出世した時に王都から連れてきたママンサの世話役だった初老の男じゃ
その動きから察するにワシやパーパス程では無いがおそろしく腕の立つ男なのは間違いないじゃろう
今回ママンサはシスの方のイベントの準備に回る様じゃ
男三人は一路王都へ向かうのじゃった




