じじいのオードブル
フルコースとは
前菜、副菜、主菜、食後のコーヒーで構成されるコース料理の事じゃ
デザートは必須では無いのじゃが食後のコーヒーは必ず入る事になっとる
じゃから
味噌汁
飯
牛皿
食後の缶コーヒーと牛丼屋でフルコースが堪能出来るのじゃ
ワシはなんの話をしとるのかのぅ
もうボケたかのぅ…
ワシは打ち合わせの為に王都に来ておる
久しぶりの王都の小洒落た駄菓子屋でそこらのガキを見ながら優雅な食すメケメケ…
この歯応えの無い小麦で出来た煎餅の様な菓子
ハッピー〇ーンとかサラ〇煎餅のの様な
歯応えが無いのに中途半端に口の中で溶けて舌に残る残る甘じょっぱいこの菓子はこの世界では老若男女を問わず虜にするベストセラー商品じゃ
何でも早い段階でやって来た異世界転移者がハッピー〇ーンを再現しようとして失敗したものらしいのぅ
その頃の異世界人は今とは違って文化的な衝突自体はあった様じゃが概ね好意的に受け入れられていた様じゃのぅ
「どこの良いところの坊っちゃんだい?」
小洒落た駄菓子屋のババ…マダムがニコニコとワシの所に近付いてくる
「一応領収書書いとくからちゃんと保護者に渡すんだよ、解ったかいカタナ様」
マダムはそう言うと一枚の封筒をワシに押し付ける様に渡す
渡し方はアレじゃが嫌悪感とか悪意の様なもんは無さそうじゃ
それはそれとしてちゃんとワシの名前言ってたのぅ
「ほう、小間切れアッシェですか、中々良い趣味をされていますな」
背後から声がする
「こんにちは、コッパー男爵様、僕みたいな男児にどの様なご用向きでしょうか?」
ワシは声の主に答える
声の主はハモン
ソーデァアスの文官の中でも取り分け優秀な人物であり父パーパスの元で働いていて現在はワシの子守り役もしておる出来る男じゃ
「それはそれとして小間切れってなんですか?」
聞きたい様な聞きたくない様な物騒な単語が出て来たので一応聞いてみる
「ハハ、大して面白い話ではありませんよ、ただ敵対組織のアジトに一人で乗り込んで全員をバラバラにしたから付いた二つ名ってだけの話ですから」
聞かんければ良かった…
それをだけと言ってしまうハモンの倫理観もぶっ飛んどるのぅ、怖いのぅ、鍵閉めとこ
「最近傘下に加えたと聞きましたが彼は若い連中をまとめ上げて王国でもちょっとした勢力となっていますよ」
そう言うとハモンはワシの行きつけの小洒落た駄菓子屋をチラッと見て続ける
「素人相手の無茶なシノギをしないのでこうやって協力者も多いです、貴族たる者はそういう連中との付き合いはどうしても必要ですが…相手は選ばねば、ですねえ」
ハモンは含みのある言い方をする
黒幕が頭を過るがアッシェの人となりを知らんワシには真意は解りかねる
「アッシェさん、何か問題があるのですか?」
なのでワシは率直に聞いてみる事にした
「ああ、済みませんダスを思い出してしまいまして、申し訳ないです、アッシェは優秀な人材で私が欲しいくらいですよ」
そう言うとハモンは楽しそうに笑う
「そう言えば店のマダムが保護者にこれを渡せと言っていました」
ワシはそう言うとハモンに先程渡された手紙を差し出す
「ほう、これはこれは…カタナ様、もし宜しければ本当にアッシェを頂いても宜しいですかな?」
手紙を読むハモンがとんでもない事を口走る
「アッシェさんに泣かれそうなのでやめておきます…」
手紙の内容は知らぬがワシはそう言って力無く笑うのじゃった




