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じじいの朝メシ~その2~

最初から全開でちょっと疲れてしもうたが、二人目は貴族ではなく金持ちじゃな

「私は他の皆さんとは違いただの合法的な商いをしておりまして、はい」

にこにこと穏和そうな笑顔を見せる

が、この男についても叩かなくともホコリまみれじゃ

先日ハモンが使者からこいつらが捕まったという話を聞いたらしく情報を色々とまとめて届けてくれたからのぅ

「職人街での強引な土地の買収であなたに苦情が届いている様ですが?」

ワシは商人に負けないくらいぷりちーな笑顔で答える

「ダス商会絡んでますよね」

それだけでは違法とは言えぬがのぅ

「いやはやお見苦しいところを知られてしまいまして」

それを知っているからか後頭部を掻きながらヘラヘラと男は笑う

それで済むハモンではないのじゃよ

「そう言えば先月起きた職人街ての火事、放火と解りまして犯人捕まったそうですよ」

ワシは机の上で頬杖をつきながら笑顔を絶やさず言う

それを聞いた金持ちの顔が一瞬強ばる

「それはそれは、物騒な事でして、犯人捕まって何よりです、ハハハ」

まだ愛想笑いが止まらない

おそらくは口を割らないという自信でもあるのじゃろうが

「そう言えばですね、暇をもて余している老人が居まして」

ワシは椅子から下りて立ち上がり、ゆっくりと金持ちに歩み寄る

「大賢人マナ・ライ様、ご存知ですよね?」

ワシは金持ちの耳元で囁く

「いやぁ、あの方喋れない方の治療がとてもお上手でしてね、魔法使えば…」

そこまで言ったところで男か机を強く叩きワシの言葉を遮る

「そんな事をしたらタダでは!」

と、そこまで言って我に返って静かになる

「タダでどうなのか存じませんが、あなたが人質に取った犯人の家族、もう解放していますよ」

家族を人質に放火をさせ罪を全て犯人に押し付ける算段じゃったのだろう

「幸い、怪我人は出ましたが死人は出ませんでした、罪は軽めで済むでしょう」

ワシの言葉に金持ちの男の表情か明るくなる

「放火犯は、ですがね情状酌量の余地はありますしね」

しかしクズのゴミ市じゃのぅ

掘り出し物は無さそうなじゃがな

「王国法では首謀者は死よりも辛い罰が待っています…」話の途中で金持ちは両手を前に出してワシの言葉を制した

「ま…待ってください、私は首謀者ではありません!」

必死の形相でワシに言葉を投げる

まあ、魔族ひしめく未開の地の開拓送りじゃからのぅ

嘆きの森とそう変わらん実質的な最後通告じゃ

…とすると、嘆きの森を開拓してるワシらって一体…

「あまり残されたチャンスは多くないと心得てくださいね」

ワシは変わらずぷりちーな笑顔で男を見ながら言う

「ヒッ…しゅ…首謀者は…テケス男爵です…」

男は力無く言う

うん、嘘じゃな

王都の職人街の土地を開発する権限なんぞ宮仕えもしていない一介の男爵如きが得られよう筈もないからのぅ

「あなたも大変な立場なのは理解しますが、公爵を庇って死地に向かわれるつもりですか?」

ワシは項垂れる金持ちの肩に手をやり優しく囁く

無論、助けてやる気なんぞ更々無いがのぅ

「あぅ…あぅ…」

金持ちは公爵という言葉に反応して言葉をつまらせてしまう

カマを掛けたら正解じゃった様じゃな

「ゼン…公爵が…職人街など要らぬと…一体を…商業施設にせよと…」

金持ちは吐くように言葉を紡ぐ

「理解しました、つまりは放課の首謀者は公爵で共犯者はあなたとテケス男爵とダスという事ですね」

ワシの顔から笑顔が消える

「そ…そんな…」

金持ちは裏切られたといった顔でこちらを見つめる

最早睨む気力も残っておらぬ様じゃな

王国法では共犯者の罪は首謀者に準ずるのでどの道助からん

「残されたチャンスは多くないと言いましたよ、あなたは最後の選択を誤っただけです」

ワシの言葉を聞き男は泣き喚いておったがそのまま牢に連れ戻されていったのじゃった

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