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じじいの居るところ

ワシが主役じゃ

「のわぁぁっ」

ワシは盛大に石畳の床に転げ落ちる

大賢人マナ・ライから飛行の魔法を教わっておったが、風属性魔法の初歩らしいがこれが中々に難しい

「もっとこう、全身で風を感じろ」

床に転がるワシを見てマナは楽しそうに笑う

魔法の習得を困難にしているのはこのマナの教え方にも原因があるとじじい思うの

こやつは典型的な長嶋タイプ…若い子には解らんか、天才肌で本人が感覚的に出来てしまうから感覚的にしか教えられないタイプじゃな

こういう師匠は感性が合わんと苦労する

「そら、さっさとやり直せ」

ワシはマナの催促を受けて座禅を組み瞑想する

身体に風がまとわりつく感覚を覚えると共に浮遊感…実際に浮いておるのじゃが…風が身体を浮かせる

ここからが難しい

この身体を囲む風の力を限界まで小さくして身体がギリギリ収まる様にせんとならんのじゃ

そうせんと魔力の消費が大量になってしまい実用性が無くなるし風が空気抵抗を生むから速くは飛べないらしいのじゃ

「むぎゅっ」

何度目じゃろうか、ワシはまた床に落っこちる

風の形を制御しようとするとどうしても飛行するのに必要な風の制御が疎かになってしまう

「転生者と言った所でまだまだ青いなぁ、まあ教えてその日の内に浮いたヤツなんて俺も初めて見たけどな」

なぬ?

それは聞き捨てならんのぅ

「大賢人マナ・ライ、では何故飛べと…」

石畳に頭をぶつけて出来たてコブを撫でながらワシは恨めしく言う

「あん?そんなの決まってんだろ、面白れえからだよ」

マナはワシを眺めながら悪びれる様子もなく楽しそうに笑って返す

何時か痛め見せちゃる

「それは兎も角として…」

マナは笑いながら言う

再び座り意識を集中しながらワシは頷きながら言う

「腕はそれ程でも無いですがかくれんぼが上手な子が一匹…いえ、二匹いますね」

それを聞いたマナは立派な髭を撫でながら言う

「お前、一体どんな生き方したら魔力探知も無しにそれが解る?」

マナの言いたい事も理解しなくはない

一人は巧妙に隠れては居るがバレる事を厭わない大胆な動きをしておるが、そいつはあくまで囮

本命は奥で息を殺しているヤツじゃろう

「少しだけ長生きしただけです」

ワシは目を瞑り宙に浮きながら返す

「で、どうするよ屋根裏のネズミ」

マナは気にせずに言う

まあ普通500年生きないからマナも多少の長生きは気にせんのかも知れんのぅ

「盗み食いされて困る物もありませんし放っておきましょう」

ワシの薄い反応に驚いた様に言う

「てっきり駆除するもんだと思ってたぜ」

一体ワシをなんだと思っとるのやら

「その為の小細工ですので」

ワシの言葉を聞きマナは笑う

「そうだな、キリがないし巣ごと全滅させるに限るな」

ワシのの言葉の意図を理解してマナは楽しそうに笑う

それにしてもトカゲだったりネズミだったり忙しいのぅ

まさしく(ぬえ)というヤツじゃな

油断して笑うワシは今日何度目かの接吻を床とする事になった

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