じじいと第四の男
「大賢人様…いつ此方へお戻りになられたのですか?」
隊長がじい様に問う
大賢人とはまた大層な称号じゃのぅ
「なに、ちょいと鼻タレ小僧どもに呼ばれてな、さっき戻った」
じい様はケラケラと楽しそうに笑いながら言う
話の流れ的にはパーパスの事じゃろうか?
「ん?そこのガキんちょ、お主パーパスのせがれだろ、何となく面影があるな」
じい様がワシに気付いて言う
「はい、パーパス・ランス辺境伯は私の父ですが?」
ワシが素直に答えると今度は腹を抱えて笑い出す
「あの田舎もんが辺境伯とは出世したもんだ…いや、貧乏くじ引いたか」
本当に楽しそうに笑う男じゃのぅ
「あの、失礼ですが父とはどのような?」
目の前のじい様とパーパスとの接点が思い浮かばず直接聞いてみた
「パーパスの奴、随分と冷たくなったなぁ」
そう言うとじい様は詰め所の壁の端にしゃがみこみ足元にのの字を書き出した
何とも喜怒哀楽の激しいじい様じゃ
「シスが生まれた時は呼んでくれたのだがなぁ、やはり祝福で永続強化魔法を赤子に掛けたのを未だに根に持ってるのか、小さい奴め」
シスの事も知っとるのか
というか永続強化魔法?
強化魔法はワシでも解る
何かを強くするという事じゃ
永続というのも言葉の通りならずっと効果が続くという事なのじゃろう
それが可能のかは解らんが
『チュートリアル:永続魔法について』
ガイダンスさんが説明してくれるところでは永続魔法とは基本的に魔力の供給が続く限り効果が持続する物らしく、普通は道具に魔晶石を埋め込み魔力の供給を行うのが一般的らしい
パーパスが作った農作業用のヒーターの様な魔道具も永続魔法の一種なのじゃろう
しかし、人間に魔晶石を埋め込む事なんぞ流石に出来んじゃろう
そんな事したら出禁じゃろう
ヘイヨー
って、やかましいわい
『その場合魔法の発動者による魔力供給が行われる事になります、一般的には持って数時間とされています』
待つのじゃ、生まれてすぐに掛けたのをじゃよな?
あのシスの異常な動きの速さの秘密は解ったのじゃが十年は持続しとるじゃろ…
『何らかの異能であると推測されます。このチュートリアルは役に立ちましたか?(Y/N)』
それはイエスで良いのじゃが、ガイダンスさん…推測とか言い出したぞ?
これも人工頭脳の学習という奴かのう?
『ありがうございます、お役に立てて嬉しいです。チュートリアルのレベルが3になりました、また何でも聞いて下さい』
相変わらず機械の用な無機質な声じゃが何とも感情豊かになったもんじゃのぅ
「おお、そうだ自己紹介だったな」
じい様は帽子を脱いで恭しく腰を落とす
…禿げとる
「頭をジロジロと見るなバカタレ」
怒られてしもうた
「俺様は大賢人マナ・ライ、このソーディアスと同盟関係にある仙人の杜の主で魔王討伐に加わった勇者パーティーの魔法使い様だ」
そう言うとぷりちーじゃない笑顔100点満点でニカっと笑う
勇者パーティーのメンバーじゃったか、じゃが待て一度も聞いた事が無いのじゃが…
パーパスがあまり若い頃の話をしたがらないのもあるのじゃが、それにしてもジョンの嫁さんになったマリアさんの話は聞いた事があったぞ…
どんだけパーパスに嫌われとったんじゃこのじい様 …




