じじい斬らない
タイトル詐欺じゃ
カネ返せ
って、取っとらんわい
ワシとてこれでも帝国陸軍士官学校をまあまあの成績で出とるエリートじゃ
まあ、南方の離島で守備隊の隊長をしとったがのぅ
貴家にただ斬って解決とはいかん事くらいワシでも解るわい
大方元代官に危害が及ぶ様に仕向けて居るのじゃろう
それを足掛かりにパーパスやジョンの発言力を落としたいのか、或いは国内を混乱させたいのじゃろう
腸が煮える思いじゃがトカゲの尻尾なんぞ斬っても意味が無いからのぅ
派手に本丸を斬らせて貰う
覚悟せいよ、トカゲの本体
などと考えて居ると部屋のドアからノックの音がする
「宜しいでしょうか、カタナ様」
声の主はこの家の執事のセバスチャンじゃった
「どうぞ」
ワシは腹の内の怒りを抑えセバスチャンに短く返事をする
「恐れ入ります、村の運営も大変かとは存じますがそろそろ学園への入学の準備をして頂かなくてはなりません」
セバスチャンは少々困ったという顔でいう
すっかり忘れて居ったがこの世界では十六歳までは四年置きにイベントがあるのじゃ
四歳でこの世界の最高神…性悪ロリショタバば…もとい、母神ワルド様に挨拶をして八歳から四年間身分に関わらず全ての子供が同じ学舎で学ぶ
その後は高等学校に進学したり家業を継ぐ準備をしたりして十六で成人になるのじゃが、ワシもうすぐ111歳…八歳じゃった
「解りました、調整は任せますので日程が決まったら教えてください」
ワシがそう返すと納得したのかセバスチャンは一礼して部屋から出ていった
「少々困りましたな、半年以内に決着を付けねばならなくなりました」
話を聞いていたハモンが言う
むしろお前さんは子供がワシと同い年なんじゃから憶えていろという話じゃ
最悪最後の手段は無くはないのじゃがのぅ
「内偵御願いします、あとお忙しいかとは思いますがご子息やごご夫人にもたまには顔を見せてあげてください」
ワシがそう言うとハモンは苦笑して頭を掻きながら一礼して去っていった
これで一人きりじゃな
ワシは心の中で念じる
ガイダンスさん、少々聞きたいのじゃがのぅ
『コールを確認しました、Q&Aを開きます』
感情の無い無機質な女性の声が頭の中に流れる
解らない事はなんでも教えてくれる便利なガイダンスさんじゃ
『▲注意:なんでもは答えられません』
頭の中が繋がってるからかガイダンスさんにツッコミを入れられてしもうた
ガイダンスさん、戦神の加護はどの程度まで細かく設定出来る物なのかのぅ
戦神の加護、それはワシがこの世界に来る時に担当になった神様の戦神バトル様から貰ったちょいと能力だとかいう特別な力じゃ
望むシチュエーションで思い切り戦う事が出来るんじゃが、戦うお膳立てはしてくれるが何か力を貸してくれたりはせんというワシの様なイカレた奴の為の能力じゃ
『戦局的に極端に有利な状況を作り出す事は不能となっていますが逆に不利な状況であるのなら一切が不問となっています、発動が可能かどうかはスキル発動時にアナウンスします』なる程のぅ、つまりワシが不利な分には細々とした事にも対応してくれるのじゃな
『その認識で問題ありません、このQ&Aはお役に立ちましたか?』
イエスじゃ、とっても参考になったのぅ
『お役に立ててなによりです、また気軽に質問してください』
そう言うとガイダンスさんの声は聴こえなくなった
しかし、今日のガイダンスさんは少しおしゃべりだった気がするのぅ
これも学習能力とかいうのじゃろうか?




