じしい王都へ行く
ソーディアス王国
父が宮仕えしている王国である
歴史ある王国で屈強な騎士団が国境を固く守護している為とても治安がいい
らしい
受け売りじゃがのぅ
日本ほどではあるまい
現告王ジョン・ソーディアス五世はかつて騎士として父ともに冒険の日々を過ごし、母とは異母兄妹なのだそうじゃ
御家争いとか有ったら嫌じゃのぅ
麦や芋がこの国の特産で輸出の要であり良質な炭を量産出来る事から工業も発展しとる、らしい
赤子のワシには何も解らんが
その国に今父と母と四つ年上の姉の四人で向かっとる
ワシの名付けと母の里帰りが目的じゃ
名前、ハリウッドスターみたいな格好いい名前がええのぅ
王都へは村から馬車で四日の場虚にる
そう考えるとそこそこ辺鄙な所じゃが僻地という程でも無い様じゃ
ひ孫が好きな小説ぎゃとかこらで盗賊がとか姫様が逃げてきてとなる所じゃが、流石は言うだけあって安全な旅行で何事もなく王都に到着した
ワシの興味を引いたのは魔物と呼ばれる獣に一度襲われたくらいかのぅ
土地の障気が悪さをして動物を違う何かに変えてしまう事が有るとかで治安がいいとかでは回避できないそうじゃな
父にあっさり倒されておったが
ワシも早く斬りたいのぅ、魔物
南方で虎は斬ったがあれより強いんじゃろうか?
馬車が停まりワシは母に抱かれたまま馬車の外に出る
僅かに見えるその城の大きさは日本人のワシでもその大きさは解るの
東京駅より大きいのぅ
いや、イマイチ解っとらんかもしれん
「みんなよく来てくれた、久しぶりだね」
爽やかな母に似た金髪のナイスミドルがキザな笑顔を此方に向ける
聞くまでもなくワシでも解る
国王で叔父のジョン・ソーディアス
彼がわざわざ王宮の入り口まで迎えに来ていたのだ
王自ら迎えに来るとは一体どれだけ厚待遇なのかのぅ
厚待遇の理由は直ぐに理解した
この王様、シスコンなのだ
それも重度の
「ママンサは僕のお嫁さんになってくれると思ったのになぁ」
ずっとこの調子である
「シスちゃんを女王にとも考えたけど、長男くんもママンサに似て可愛いから王位譲っちゃおうかなぁ」
国王の冗談に周囲が凍り付く
「冗談でもやめてくれ…」
パーパスがこめかみを指で押さえながら呻く
斎藤道三じゃったか、そんな輕口言って子供に討たれたの
この王様も畳の上では死ねぬかも知れんのぅ
畳があればじゃが
国王のジョンはまだ結婚しておらず弟が四人とママンサが居る状況でワシにも一応継承権が有るらしい
恐ろしいから早ぅ身を固めて欲しい物じゃ
「冗談は兎も角として名付けの儀は二日後、それまだはのんびりしていってくれたまえ」
国王はそう言うと公務に戻って行った




