じじいのスローじゃない開墾ライフ
今日も今日とてラゴウ村の視察じゃ
徐々にじゃが近隣の集落からオニ達が噂を聞き付けて村に集まって来ておる
今のところは何とかなっとるがその内色々と問題が起きるじゃろうな
「ああ、ダメです、伐った木材は領主の街に売るのでここでは使わないでください」
嘆きの森の木を加工しようとしているオニ達をワシは制止する
「意地悪とかではないんです、しっかり乾燥させないと使い物にならないのでこの材木を売って半完成した建材を街で買ってるんです」
ワシは何度目かの説明をオニ達にする
ある程度建物の建築の目処が立ったら木材の乾燥小屋も作らんとのぅ
「どうにも素人考えで動いてしまい申し訳ありませぬ」
ソンか飛んできてワシに頭を下げるや余計な事をしていた若いオニの頭にげんこつを入れる
ソンの様なオニを束ねる特殊個体のげんこつは何倍も痛く感じるように設定されとるとかで屈強なオニ達も彼のげんこつを怖れておる
「魔獣の方はどうですか?」
説教を終えたソンにワシは訪ねる
ノルマは課せられてはおらんが一応は税なのでのぅ
「はい、肉も欲しいところですのでヘビーボアやブレイドディアを中心に狩っとります」
つまり猪や鹿を狩っとるという事じゃな
まあ、討伐対象は指定されとらんしそれはそれで構わんのじゃが
「これは今回の分でございます」
ソンがそう言うと結構な料の魔晶石を差し出す
「ご苦労様、純度は高くは無いですが欲しいのは高度な魔道具用や宝石ではないのでこれで大丈夫だと思います、このまま続けてください」
ワシは魔晶石が受けとるとソンが何かを言いたそうにこちらを見ている
「何か他に報告がありますか?」
意を察してワシはソンに訪ねる
「実はかなり強い魔獣が出ておりまして少々手を焼いております、怪我人が出る程では無いのですが獲物をよく取られておりまして…」
戦闘種族であるオニを出し抜き続けるとは中々の物じゃのぅ
のぅ、ガイダンスさん
『スキル戦神の加護を使用しますか?』
ワシの呼び掛けに機械的な無機質な女性の声が帰ってくる
最近は反応が早くなったのう
これが人工知能とかいうヤツなのかのぅ
無論、イエスじゃ
『スキル戦神の加護を発動しました』
ガイダンスさんがスキルの発動を告知する
戦神の加護はワシが挑む戦いを戦いの女神様の力で用意してくれるとかいうとても便利なスキルじゃ
勝敗には関与せんのでワシが負ける事も十分に考えられるがのぅ
「私の方で何とかしましょう」
ワシはソンにそう言うとここ数日で一番の笑顔を見せた
ソンが言うにはソイツは狼の魔獣らしい
強さも去ることながらとても賢くて毎回裏を掛かれて狩った獲物を盗まれるそうじゃ
要は逃げん様にするだけじゃから簡単な話じゃ
「では準備もありますしこの魔晶石も持ち帰りたいので一度街に戻ります、くれぐれも狼相手に深追いはしないでくださいね」
ワシはそう言うと視察を切り上げ帰路につくのじゃった




