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じじい会食をする

数日後、ようやっと多忙な父パーパスとの会食にこぎ着けた

親子じゃというのに最近は殆ど顔も合わせとらんのぅ

「廃村の魔族狩り、ご苦労様」

パーパスは何時もの様にワシに明るい口調で労いの言葉を掛けてくれた

散々に怒られたのじゃがのぅ

勝手に武器を持ち出したワシも悪いが怒りすぎじゃわい

「俺のコレクションを黙って持ち出した事はいけない事だ」

ワシの不満そうな顔を見て察したかパーパスが話し始める

「とは言え武器も持たせずにオニ達に魔族狩りをさせようとしたのは俺の考えが足りなかった、許せ」

パーパスは子であるワシに頭を下げる

「父上、頭をあげてください、配下の方も見ていますので」

ワシは慌ててパーパスに訴える

そう素直に出られては此方が引くしかあるまい

「それに今日はその話をしに来たのではありません」

ワシは早速本題に入る

まだまだ近隣に多くのオニが隠れている事、彼等も保護したい事、それには今の村では賄えない事、をじゃ

「難しく考えなくていい、村を大きくしたらいいのだから」

パーパスはあっけらかんと口にする

忘れておった、この男小さな農村を物流の拠点に作り替えた男じゃった…

ワシの生まれ育った村、パーパスが最初に所領した小さな名もない農村はパーパスの尽力によって荒れ地でも育つ芋の生産が始まり、それを王都でも売る様になり麦と並ぶこの国の主食の地位にまで押し上げた

この世界の麦は高いからのぅ、庶民は安い芋派が圧倒的に多いとも聞く

その芋の生産と管理の拠点となった村はパーパスがナナシ村などとふざけた名前を付けておったが今じゃ地方都市顔負けのちょっとした街になっておる

その男が言うのじゃ、説得力が違うのぅ

じゃが

「それで宜しいのですか?」

懸念はある

オニが人と比べ圧倒的に戦闘力が高いという事、人に牙を剥くという偏見が根強い事じゃ

「彼等には彼等にしか出来ない仕事を与えれば問題は無いと思うよ」

パーパスは軽く言う

そういう性格なのはあるが、出来ない事を軽く語る男ではないのは確かじゃ

「何かお考えが?」

ワシは素直に教えを乞う

年の功より経験が物を言う

その点においてワシは村の運営は素人じゃからのぅ

「嘆きの森を開墾して広げた場所をカタナに預ける、税は魔物から取れる魔晶石でいい」

魔晶石…

魔物が動物がそこらの魔素の影響を受けて変質した物という話は以前したが、魔晶石はその魔素が魔物の体内で凝縮したもんじゃ

魔道具の材料やら燃料になったり、純度が高けりゃ宝石としての価値も生まれる

商人によってはカネより価値があると言う者もおるとか

「なるほど、近隣の村の誤解も解けて一挙両得というヤツですね」

ワシはパーパスの考えに素直に感心した

元々このソーディアス王国は冷涼な土地で作物は育て辛い

パーパスのアイデアで火属性の魔道具を暖房にして野菜を育てるという事をしておるのじゃが、領地が大幅に増えた事で魔道具とその燃料となる魔晶石が大量に必要という領内の都合と、人と積極的に関わる事で人との間にある誤解やわだかまりを解消するというのは素晴らしい考えじゃ

「それで宜しければ是非ともやらせてください」

当然考える理由なんぞ無い、二つ返事じゃ

「そうか、此方としても助かるよカタナ」

そう言うとパーパスは横に控えていた執事のセバスチャンに目配せをする

するとセバスチャンはワシに数枚の紙を渡す

「目録…ですか?」

そこには武器や農具、薬品や食料品の名前がずらりと書かれていた

「これでも前回の準備不足、俺も反省しているんだよ、これはその詫びだから受け取って欲しい」

パーパスがなんやかんや弄られながらも近隣の村々で圧倒的な人気を誇る理由が良く解るのぅ

その後ワシらは親子久しぶりの食事を楽しむのじゃった

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