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じじいの戦後処理

廃村を占拠していた魔族と謎の男を撃退して半月が過ぎた

村の再建は物凄いスピードで進められている

「しかし大したアイデアですな、半完成品の家屋の材料を持ち込みここでは組むだけとは」

現場に視察に来ていたワシに同行していたハモンが感心する

「パズルで遊んでいた時にひらめきました」

と言ってワシは照れ笑いをしてみる

まあ、秀吉の一夜城のパクリなのじゃが

「こういう技術、全く無い訳ではないですが木材を中心に組むというのは早くて良いですな」

異世界日本人が既に持ち込んでおったかのぅ

まあ、野戦基地の設営技術持っとる様なのが他にも来てたらそれはそれで楽しそうじゃがのぅ

「復興はどの程度進んでいますか?」

ワシはワシやハモンに同行していたオニの代表であるソンに訪ねる

「はい、建築に関する技術の拙いワシらにとっては組むだけの物であれば力仕事は得意でして、女子供の一時住居を中心に問題なく進んでおります」

ソンはワシが派遣した大工の指示を聞いて働くオニ達を見てうれしそうに報告をしてくれる

「テメェら、若様が見に来られてんだ、緩い仕事してんじゃねぇぞ!!」

若いオニ達の動きが悪かったのかソンが年寄りには見えない声量で渇を入れる

相変わらずオンとオフの差が凄いのぅ…

ソンは年寄りという訳ではなく戦闘種族オニの中の指揮官種という特殊な個体であり、オニ達を束ねる能力が与えられた存在らしい

ワシの中の人と見た目はそう変わらんが、実は年齢は17歳らしい

17歳は歳を取らんっちゅう噂はどうやら本当らしいのぅ

ソンに教えて貰ったのじゃがオニにも色々とあってソンの様な指揮官種、前衛を得意とする剛力種、弓の使い手の射撃種、魔法を使う魔法種

そして…

「カタナ様ぁ、来てんなら声掛けてくださいよ、水くさいっすね~」

この舎弟気取りの赤毛のオニのアカは角に特別な力を宿す希少種というレア個体らしい

「お兄ちゃん、サボってないで仕事しないとソン様に怒られるよ!」

妹のユキが怒りながらアカを追いかけてくる

そう言えばユキは何種なのかのぅ、やっぱり射撃種なのかのぅ

「二人とも、こんにちわ」

ワシはぷりちーなえがおで兄妹に挨拶をする

「ちす、カタナ様」

体育会系というかノリが軽いというか、アカが挨拶を返すと怒ったユキにスネを思いきり蹴られる

「お兄ちゃん、カタナ様はとても偉い方なんだからちゃんとしないとダメでしょっ」

蹴られた事に抗議しようとするアカを一括で黙らせるとワシにペコリと頭を下げる

「兄が大変失礼をしました」

こう見ると孫ひ孫を見てる様で可愛いのぅ

「気にしないでください、流石に慣れました」

ワシは笑って見せる

言うてもワシが生まれ育った村じゃ今でもこんな扱いじゃしのぅ

たまにパーパスが里帰りしても高確率でからかわれておるし

それで良いのか辺境伯?

「何か困った事や必要な事があれば遠慮なく言ってくださいね」

ワシはぷりちーな笑顔でユキにそう言うと視察の続きを再開した

戦は圧勝で此方の被害は無し、集落を襲う無謀な人拐いも無し、後でパーパスに武器の持ち出しについてはこっぴどく怒られたが、まあそれは良しとしよう

ワシは改めて復興中の風景を見る

ソンに怒鳴られながら働く若いオニ、それを見て笑う女子供のオニ

初めて見た時の絶望と死臭の漂うとった集落を思えば今の彼らの顔を見られただけでも怒られた甲斐もあるという物じゃ


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