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じじいの小さな戦(いくさ)その2

戦いは2日後の早朝…より僅かに遅い時間に決行した

この時間が一番敵が油断するんじゃ

今日はもう夜襲は無いだろう

その油断が命取りじゃ

「射て」

小さく、短くワシは射手達に矢を放つ様に命じる

当然火矢じゃ

焼けた家屋は後日早急に立て直せば良かろう

悲鳴と怒号と何やら伝わらん謎の言葉が飛び交う

ワレヤシュウニセイコウセリ

という奴じゃな

「第二波、準備は?」

ワシはオニの隊長格の男に声を掛ける

「何時でも!」

男は短く的確に答える

「よし、放て!」

ワシの号令と共に前日の内に用意しておいた無数の巨石が無情にも混乱する魔族の頭上に舞い降る

この質量攻撃こそが前日のアカとの戦いで学んだ戦術じゃ

こんなもんがポンポンと飛んできたらワシでもちょっと嫌じゃわい

ワシはキーホルダーの軍刀を実体化させ、それを敵が占拠する廃村に向け号令を掛ける

「突入部隊前へ」

ワシの命令を待ってましたと言わんばかりにオニ達がワシの後ろに横一列に並ぶ

「へっ、坊っちゃんがただモンじゃねぇのは今更だが、こりゃ素人の指揮じゃねぇだろ…」

オニの誰がが口にする

そりゃまあ、経験者じゃからのぅ

「皆さん、家に帰るまでが戦です!油断なく戦いましょう、突撃っ!」

油断するオニ達を戒めつつ号令を発する

号令を受けたオニ達は疾風…彼等の体躯なのでさながら暴風の様な勢いで飛び出していく

「オォォォォッ!!」

オニ達の雄叫びが挙がる度に哀れな魔族が宙を舞う

「俺達も出られますぜ」

石を投げていた連中が武器を持って合流する

「半分は弓兵の護衛に回ってください、弓兵は後方で廃村の様子を見て何時でも矢を射てる様準備を、人選は任せます」

ワシはそう言うと廃村に向かう

「カタナ様、ご一緒致します」

斜め後方からハモンがついて来る

やはり武威を以て良しとするこのソーディアス王国の指揮官が後方で眺めているというのは良くないからのぅ

ワシもハモンもその実戦いたくてウズウズしとる

「カタナ様、俺も連れてってくださいよぉ」

そこに投石部隊に参加していたアカも合流する

「構いませんが僕のところはつまらないと思いますよ?」

そういうとワシは正門を避け木で出来た柵を辿って廃村の裏門の方に向かう

「あ、下手に逃げられて増援来られても困るっスもんね、流石っス!」

アカはもうすっかり舎弟のノリである

30分程歩くと裏門にたどり着く

「コンナハズチガウ…コレ、ダレノシワザカ?」

片言の言葉を発する痩せたゴブリンと鉢合わせになる

「ゴブリンシャーマン、ここの軍師格でしょうか、逃す手は無いですな」

ハモンが言う

さっさと斬れば良いものをわざわざそれを口にするという事はそういう事なのじゃろう

ワシは息を吐くとその場から消える

「お見事」

ハモンがそう言うとゴブリンシャーマンは血を流して倒れる

敵の軍師格の首を取ればワシの手柄になる

武を尊ぶと言ってもそこはやはり宮仕えである

「運がよかっただけです、それより…」

ワシがそう言うか言わずかのタイミングでハモンも抜刀する

「よくお気付きになられました」

そう言うとハモンは近くに居た少し大きいゴブリンを一刀両断にする

確かゴブリンの上位種のホブゴブリンじゃったか

ゴブリンシャーマンの手下かのぅ

アカの方を見ると大剣を振り回すと金属製の盾で防御するホブゴブリンを盾ごと粉砕して斬り伏せている

「普通はこうなるんだよなぁ…」

アカがこっちを見て何か物騒な事を言うとるわい

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