表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
28/71

じじいの小さな戦(いくさ)

三日後、オニの集落には既に疲弊して絶望する者は一人も居なかった

もたらされたポーションの効き目よりもここで勝てば安住の地が手に入る

その希望が彼等の士気を高めて居った

「皆さんが好む武器がどの様な物か解らず居城にある物を適当に見繕って来る事しか出来ませんでした」

ワシは申し訳なくそう言う

やはり得意な武器で戦うのが一番効率がええからのう

「良いんですよカタナ様、俺達は戦闘民族です、そこにある武器で十分戦えます」

アカがワシに跪き頭を垂れながら言う

好かれたのぅ

「それに見てくだせぇ、適当に見繕ったなんてとんでもねぇ、どれも上物の武器じゃねぇですか旦那」

別のオニの男がもたらされた武器を手に取り上機嫌に笑っている

上物なのは間違いない

何せこの国最強の剣士のコレクションを黙って持ち出したからのぅ

王直属の騎士団でもなけりゃこんだけの武器を持った部隊なんぞおらんじゃろう

ただ、武器はすてぇたすで決まるもんじゃ無い

日々の鍛練と慣れも必要じゃ

スキルなんぞじゃ日々の鍛練を越えるなんぞ不可能じゃよ

「ですが皆さん、その武器を貸し出すに辺り一つだけ条件があります」

ワシの言葉に周囲にいたオニ達の視線が集まる

「この戦、必勝ではありません、全員無事で帰還する事が何よりも重要です」

ただのガキでしかないワシの言葉をオニ達は静かに、真剣に聞いてくれる

だからこそ言いたいのじゃ

「必ず生きて、明日を勝ち取りましょう」

ワシはそう言うとキーホルダーの軍刀を実体化させそれを天高く突き上げる

それに呼応するかの様にオニ達は雄叫びを挙げる

ここに来て一番の熱気じゃ

「見事な演説でした、カタナ様」

やや後ろでハモンがワシを褒めてくれた

「僕は本当の事を言っただけですよ」

ワシはそう言うと馬車に乗り込む

「同朋を口先だけで動かそうとする者に誰が命を預けましょうか」

ハモンは誰に言うでもなく呟く


廃村はオニの集落から2日ほど離れた場所にあったのじゃが、オニ達は健脚であり、その道のりは半分以下の一日足らずで目前までたどり着いた

集落には女子供とそれを守る護衛に何人かのオニとパーパスから借りた騎士数人と冒険者を護衛に付けた

この戦、後方の者に万が一があってはならんからのぅ

夜になりハモンの部下の一人が斥候を行い帰還した

「オークとゴブリンシャーマン…ちょっとした魔軍レベルですな」

ハモンは言う

魔軍とは軍隊として統率の取れている魔族の集団の事らしい

「強いのですか?」

ワシはハモンに問うた

情報は武器になるからのぅ

「統率者しだい、と言った所でしょうか」

ハモンが淡々と答える

「統率者の情報は何かありますか?」

ワシは斥候の者に問う

「申し訳ありません、用心深い性格の様で表には出てきませんでした…」

必要な情報を得られず申し訳無さそうに斥候の男が頭を下げる

「いえ、用心深い性格というそれだけでも十分な収穫です、お疲れ様でした、ゆっくり休んでください」

ワシは彼の労を労うと席を外させる

ああいう責任感の強そうなのは追い詰めると無茶しだすからのぅ

本能的で敏感な魔族に気取られぬ有能な斥候をこの程度の情報の為に一々擂り潰して居れんわい

「して、カタナ様、如何なされますか?」

ハモンは問う

構わんが、ワシは七歳児なの忘れんで欲しいのぅ

「先日オニの皆さんの力を見せて貰い、一つ良い事を思い付きました」

ワシはアカとの戦いの経験から一つ作戦を思い付いて居った

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ