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じじいとオニと父親と

その日の夜ワシは父パーパスの所へ行った

久し振りに見るパーパスは相当疲れとる様じゃった

まあ村一つだった領地が突然何百倍にもなればそうもなるのじゃがのぅ

「珍しいなカタナ、父さん今忙しいのだが…」

パーパスはワシを見るなり力無くそう話す

忙しいでは済まんからワシが出張ったのじゃがのぅ

「父上にご報告したい話が御座いまして」

ワシは昼間のオニに襲撃を受けた事を隠してオニと接触し窮状を聞いた話をした

「なんと、そんな事が…」

パーパスも冒険者時代にオニとは何度か接触していた事があったらしく存在は知って居ったそうで説明の手間が大分省けたのが幸いじゃった

「人数などの詳細な話は解りませんが、対応はどうしたら宜しいでしょうか?」

七歳児のワシが積極的に対応するのもどうかとも思うたが、現状マトモにオニと交渉が出来るのもワシしか居らんでのう

「先方はお前を子供と思ったから心を開いたのかも知れんしな、少し危険だが任せても大丈夫か?」

少し考え方後でパーパスはそう言うと何やら手紙を書き始め呼びつけたセバスチャンにそれを渡す

「領地の中にある廃村、そこでも良かったら俺の名前で匿おう」

過去に魔族の被害で廃村になった比較的状態のいい廃村が有るとかでそこに住まわせても良いとのことじゃった

まあ、アイツらの戦闘能力ならばゴブリンごときに遅れは取るまいか

「流石にカタナ一人では難しかろうから大人を一人着けるから難しい話はその人に任せるといい、カタナはオニ達を安心させてやる事だけを心がけなさい」

そう言うとパーパスはワシの頭に手をやり雑に撫でる

こういう所は村の領主の頃から変わらんのぅ

「ありがとうございます父上…」

照れ臭そうにそう言うとワシはパーパスの所を後にした


翌日

ランス家の家紋が入った立派な馬車が用意されておった

なんでも舐められたら負けだから最初はハッタリが肝心だからと夕べの内にパーパスが手配した様じゃ

そういう所は冒険者のままなのじゃろうな

尤も、ヤンキー気質なのかも知れぬがのぅ

「おはようございますカタナ様」

背後からの声に振り向くとそこには見覚えのある顔がいた

確かレバニラ君のお父さんのハモン・ナイフ男爵じゃな

パーパスが辺境伯としてこの地に着任した時に国王のジョンから贈られたとパーパスが言って居った

贈られると表現される程の手合いなのじゃな

「和議を結ぶのが目的の為なので護衛は付けませぬがご安心を、私が居ますので」

そういうとハモンは優しく笑う

腐っても武を重んじる国で出世している男である

セバスチャンと同程度か下手をするとそれ以上の実力者じゃな

馬車に乗り込み昨日アカに教えて貰った集落へと向かう

「以前息子が失礼を致しました」

ハモンが口を開く

二人きりの馬車で沈黙は辛いからのぅ

「いえ、あの時も言いましたが子供同士のたあいの無い話ですので」

ワシは他意鳴く本音で話す

「ありがとうございます、あの子も本来は優しいいい子なのですがどうにも妻があまやかせて育ててしまい…今は私がきっちりと躾て居りますので学校に入られた時は仲良くしてやってください」

ハモンは恐縮そうにそう言う

半年かそこらでワシも初頭学校じゃったな、忘れとったわい

「僕も知り合いが居た方が安心なので是非お願いしたいです」

ワシはそう言うとニコリと微笑む

最高神ワルド様ですら認めるぷりちーな美少年の笑顔を食らうがいい

などと内心で遊んどるとオニ達の集落…と言えば聞こえはいいが、見るも無惨な敗残兵達の野営地を見ているかの様じゃった

「嫌なもんを見せてくれおるのぅ…」

久し振りにワシはじじいの言葉を洩らしてしもうた

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