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じじい修行を始める

ジョンとの秘密のやり取りから一年が過ぎた

ワシももう110歳…いや、七歳になった訳じゃ

パーパスも最近では忙しくあまり相手はしてくれん様になった

良い事じゃ

執事のセバスチャンも主に倣って多忙を極めておる

仕方がないので最近はもっぱらそこらの野良ゴブリンの巣を突ついて遊んどる

今日も今日とて暇潰しのゴブリン退治の最中じゃ

アリの巣をほじ繰り返す子供の気分じゃ

襲われるゴブリンも堪った物では無かろうがのぅ

幾つかの巣を潰して気が付いたのじゃがゴブリンという奴は存外に強かった

人間を越える身体能力で思っていた以上に知恵が回る

まあ、野良犬よりはマシ程度じゃがのぅ

アレが嘆きの森にはウジャウジャと居るというのじゃから近隣の村々もさぞかし怖い思いをしとるのじゃろう

パーパスの指揮下に入った騎士団が定期的に村や街道を巡回して警備をしておる

パーパスも時々森に入って魔物や魔族の討伐をしておるが、ありゃストレス発散の為の八つ当たりじゃろうな

ワシもう少しばかり骨のある奴と戦いたいのぅ

などと思っておると

『スキル戦神の加護を使用しますか?』

という機械的な女性の声が頭の中に響く

久し振りのガイダンスさんじゃな

もちろんイエスじゃ

と脳内で返事をする

『スキル戦神の加護を発動しました、まもなく強敵が出願します』

というアナウンスが頭の中に聞こえてくる

戦神の加護は望む戦いをさせてくれるという戦闘狂の為に戦いを司る神様がワシに授けてくれたチイトスキルというもんじゃな

まあ、勝敗には関与しないからワシが負けたらそれまでじゃが

ゴォンッ!!

刹那、凄まじい轟音と共にワシが居った場所に大きな岩が飛んでくる

「なんとっ!?」

かろうじてそれを避けたワシに第二第三の岩がふりそそぐ

が、剛力は解ったがもう少し知恵を働かせて欲しい物じゃな

大きな岩その物は確かに驚異じゃが如何せん攻撃が単調過ぎる

「で、それが囮で背後から伏兵、ですか」

正確に飛んでくる矢をワシはそのまま掴む

連携も取れて居るしゴブリンよりは強いのは強いのじゃか、子の程度とはのぅ

「もらったあっ!」

そんなワシの油断を突く形で赤毛の大男が文字通り飛び出して来て、その風体に違わぬ大剣をワシに向かって振り下ろす

が、ワシは掴んで居った矢をその大男目掛けて突き刺す

古流弓術にある近接戦闘の妙技という奴じゃ

意表を突かれ咄嗟に矢をかわし距離を取る大男

「舐めた真似しやがって…やるじゃねぇかこのクソガキ」

口の悪い男じゃのぅ

そこにまた矢が飛んでくる

正確じゃのう

「それだけに読みやすい」

ワシはそう言うと飛んできた矢を避け矢が飛んできた方向に手にした矢を投げる

まあ、手で投げるもんでもないので当たったところでじゃが

「ひっ」

か細い女性の声がしたのをワシは聞き逃さなかった

「ユキっ!!」

赤毛の大男が何か叫んでおる

射手の名前かのぅ

なのでワシは矢の飛んできた方向に走って向かう

こう見えて村のガキどもとのかけっこでは巻けたことが無いので脚力には自信がある

「やいテメェ、俺と勝負しやがれっ」

必死で追いかけるも距離が開く一方の大男が情けない声を挙げる

「そんなに大切なら大事にしまっておいてくださいよ」

ワシは小さく呟いた

「さてお嬢さん、まさか戦場に安全な場所があるなんて思ってはいませんよね?」

ワシは隠れていた少女のもとにたどり着いた

短い、青い髪と青い瞳

どこかメイスイ様を思わせるのぅ

さて、どうした物か

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