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しじいと叔父さん

晩餐会の会場の中心で突如として声を挙げ耳目を集める国王のジョン

何事かと注目する聴衆を確認するとジョンは目配せをする

その合図で一人の女性がジョンのもとへ向かう

確かあの女性は…

「私は本日このマリアと婚約する事をここに宣言する」

その突然の宣言に大きなどよめきが会場を包む

マリアは勇者パーティの回復役の修道女じゃったかのう?

1度だけ会った事があるのぅ

しかし、尼さんとそんなに簡単に結婚なんぞ出来る物なのじゃろうか?

とも思うたが、パーパスの表情を見るにおそらくはパーティ公認の恋人だった

そんな感じなのじゃろう

「皆の疑問も解る、私は辺境の魔王を倒した後に彼女にプロポーズをしたが当然断られた」

ジョンがワシや聴衆の疑問に答える様に独白を始める

「彼女の立場を考えれば当然だろう、だから私は待った」

成る程、ジョンが長らく浮いた話の一つも無く独身を貫いたのはそういう事か

「彼女が世俗に戻った今というタイミングでこうして公表させて貰った、どうか理解して欲しい」

そうジョンが締め括ると会場は割れんばかりの拍手と喝采で溢れた

まあ、勇者パーティのメンバー同士の結婚なら誰も文句は言えまい

そこに一人このめでたい席に文句を言う男が現れた

パーパスじゃ

「お前、また俺を利用しやがったな?」

成る程、パーパスの爵位拝命はカムフラージュ、という事かのぅ

「嫌だなぁ、パーパスくん、人聞きが悪いよ」

ジョンは今日一番バツの悪そうな笑顔を見せながら顔をパーパスから反らす

きっと若い頃からこういう関係じゃったのじゃろうな

王であるジョンの首根っこを掴んで頭をグリグリしているジョンに対して衛兵たちは止めるでも無く笑っているのか彼等の関係性の良好さを物語っている

「そういうめでたい話なら俺くらいには教えろよな」

そう言うとパーパスは明るく笑うとやっとジョンを解放する

「キミは嘘が苦手だからね」

そう言うとジョンもやっと安堵の笑みを浮かべる

これから王宮も忙しくなるじゃろうな

ジョンは辺境の魔王を討伐したパーティのリーダーとしての功績から王に抜擢されたが、それを面白く思わぬ兄弟姉妹も少なくはないじゃろうからのぅ

それこそ特に仲の良かった妹のママンサを信用出来るかつての仲間に嫁がせて王宮から遠ざける程度には

その信用出来る右腕とも言える男にランスの姓を与え辺境伯の爵位を与え、正妻にもかつての仲間をとなれば面子を潰されたと思う貴族も居るじゃろうのぅ

まあ、ワシは暗殺者ウェルカムじゃがのぅ

そんなこんなで混乱の中晩餐会は幕を閉じたのじゃった

翌日、ワシは叔父てあるジョンに呼びつけられ応接室に居た

強そうな剣や鎧がこれ見よがしに飾られておりソーディアス王国の武力や財力を見せつけるかの様じゃった

「呼びつけて済まなかったね」

ジョンはいつも通り穏和な笑顔で挨拶をする

だが目の奥の光はいつものそれではないのぅ

まあ、話の見当は付くのじゃが


「カタナ、申し訳無いが王位継承権を放棄してはくれまいか?」

ジョンの言葉は大体予想通りじゃった

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