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じじい晩餐会を経験する

無駄な抵抗も虚しくパーパスはパーパス・ランスとなった

ランス姓は250年ぶりとかで現王派も反現王派も右に左に大騒ぎしとったわい

何故解るかって?

年の功というヤツじゃ

賑々しい式典が終わると出席者を招いた絢爛なパーティが行われる

定番じゃな

日頃はこの国の王族と言うのはあまり派手に金は使わぬのじゃがお祭り好きで羽目を外す時はとことん外す傾向がある

今日がその時なのじゃろう

相変わらず両親やジョンのところには人だかりが出来ていて、ワシはというと…

「モブデス家三女ダレヤネンと申します…」

いや本当に誰やねん

歳の近い子供をお近づきにさせたい貴族達が一言挨拶させようと着飾った子供を我も我もと紹介してくる

まかり間違えば次の王かもしれんとはいえ、六歳のガキに同世代の子供をあてがったらところで気に入ったから許嫁とはならんじゃろうて

ぬしら必死すぎるぞい

ソーディアス王国は武を重んじる騎士の国

故に権謀術数よりもシンプルな武が求められる

大抵の貴族はこの時点で脱落するのじゃが、そうなるとどこの世界でもやる事はこんなもんなのじゃろうかのぅ

「この僕を無視するな!」

ボーっとしていると目の前で見覚えのある太ったガキが怒っておった

「わざわざこうして何時かの無礼を詫びにきたのに失礼じゃないか!」

確かレバニラだかそんな名前じゃったかのぅ

ワシを平民呼ばわりしてたガキじゃったな

「失礼しました、少し考え事をしていたもので、ええとレバニラさん…でしたっけ?」

自信無くワシがそう訪ねると

「ライバだ!」

と即答された

済まんのぅ、歳を取ると物覚えが悪くなるのじゃ

それはそうとワシ、こう見えて爵位は無いが伯爵扱いなのじゃがそれはいいのかのぅ?

権力振りかざす気は無いからええのじゃが

「お互い小さかったですし気にしていませんよ」

にこりと微笑みながらワシは言う

「フンっ」

それを見て毒気を抜かれたか怒りの矛先を失いぷんすかしとる

「ちゃんと謝りなさい」

小柄で痩せたおとなしそうな中年男性が片手でライバの頭を掴んで持ち上げる

(こやつ、出来る…)

「と…父様…」

表情の読みとれない笑みを浮かべた中年男性を父と呼ぶライバの顔色は真っ青になった

「カタナ様はああ言ってくださっていますが、本来伯爵扱いを受ける辺境伯の御子息様ですよ?」

握る手に力が入り嫌な音がする

「ハモン・ナイフ殿、僕たち子供の間の事ですのでどうか穏便に!」

見ていられなくなり遂にワシは助け船を出してやる

トマトの様にされても寝覚めが悪いからのぅ

「これは失礼致しました」

相変わらず表情は読みとれないが子供を離しワシに一礼する

この男の名はハモン・ナイフ

王位継承権を持たぬ王族であり、ワシが知る限りでは事務仕事を取り仕切っておる有能な貴族としかわからん

レバニラの父親はこやつだったのじゃな

「考え事をしていた僕にも非はありますし、最初から怒ってはいませんでしたので」

それも本音である

怒ったところで仕方も無いからのぅ

「寛大なる処遇、感謝致します」

親子はそう言うと一礼して去っていった

こんな子供にも頭を下げなければならぬとは、貴族というのも思いの外楽しくは無さそうじゃ

そしてそんな貴族が次から次からご機嫌取りの挨拶をしにやってくるのじゃから堪らんのぅ

「皆の者、聞いて欲しい」

突然会場の中心でジョンが皆に向かって言い放った

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