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じじいと母神と

神殿の中央部

相変わらず質素だが広く、遊具や花が沢山飾られている

本当に子供の為の施設

というたところじゃのぅ

中の様子を伺っていると空間が灰色に変わる

これは初めての展開じゃのぅ

「あのねぇ、アンタ…」

声の主を辿り見上げると乳の大きな、ひ孫が言うておったバブみがするっちゅう言葉が似合いそうな女性が浮かんどった

表情は不機嫌というか、呆れているというか

そういう顔をしておる

「転生者とは聞いてたけどこう言うのは10代20代でしょ?オッサンがどうとかいうのも最近は流行ってるけどそれでも100越えの幼児なんてアタシも初めてよ…」

どことなく疲れた、気だるそうな言い方をする

女神様なのじゃろうか、随分とイメージと違うのが来たのぅ

「アタシは無垢な子供が好きなの、ショタジジイどころじゃないショタセンチュリー…ショタセンなんて興味ないのよ」

つまりワシが対象外だから機嫌が悪いのじゃな

言うてワシに言われても困るのじゃが

「何より憎らしいのがアンタの容姿がアタシにドストライクだって事よ!アンタがショタセンじゃなきゃお持ち帰りするところよ」

それはそれでダメじゃろう…

ひょっとしてこの世界にはロクな神が居ないのかのぅ

「アンタ今アタシをメイスイと比べてたでしょ!?」

確かに比較はしたけども、何とも騒がしい女神様じゃのぅ

「すみませぬがもう少しこう、手短に願えませんかのぅ…」

流石に一方的に巻くし立てられても困るのじゃ

「多分ですが子供を皆この空間に呼んどる訳でも無いのですじゃろ?御用向きをお聞かせくだされませんかのぅ」

本題に入る様ワシは促す

キリが無さそうじゃからのぅ

「コホン、これは失礼」

軽く咳払いをして両手をそのふくよかな胸元に置くと背後から暖かい光が差し込む

先程のヒスが無ければ立派な女神様にみえるのじゃがのぅ

「私の名はワルド…この世界を統括する最高神です…」

おやおや、母神様は実際には子供の守護神というのでは無いらしい

「国府田衛、いえカタナ・ダガーよ…十年の後にこの世界に異世界から勇者が訪れます、あなたはその勇者と共に魔王を討ち滅ぼすのです…」

女神様のお告げもこうやって見てる分にはそれっぽく見えるもんじゃのぅ

「解りました、ワシは強者を斬れれば何でも構いませぬ」

ワシは詳細を聞くでもツッコミを入れるでもなく素直に了承する

この世界で一番偉い神様に頼まれて断れんじゃろうからのぅ

「あら、思ってたよりは素直ね、良いわよそういうの」

素直な反応に女神様も機嫌を取り戻す

「取り敢えず十年も

したら世の中が騒がしくなるから、らそれまでは好きに生きなさい」

なんというかオンとオフの激しい神様じゃのぅ

「解りましたじゃ」

そう言って頭を下げたところで空間が元の色彩に戻っていく

「あとアンタ年齢詐称だから加護は剥奪するからね」

去り際にまあまあ酷い仕打ちをしていった

「何とも、なんともじゃのぅ…」

カタナの姿でじじいの言葉を発したのはこれが初めてであった…

その後神官による祈りの儀を終えワシらは王城に戻った

加護を失ってるならこの茶番はなんだったのかのぅ

「やはりこの世界にはロクな神は居ませんね…」

誰にも聞こえない様にワシはボソリと呟くのじゃった

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