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じじい母神と出会う

翌日、ようやっと解放されたパーパスとセバスチャンと三人で母神の神殿へ行く

全ての子供に強大な加護を与えるというだけあり、その神殿の規模は以前行った水の神の神殿の比では無いのぅ

派手さは無いが兎に角大きい

聞くところによると孤児院や初等教育を行う機関も併設しているとか

その全てを国費ではなく寄進で賄っとるとかで国も口を挟めぬらしいのぅ

そもそもワシらはここに四つの祝いをしに来たのじゃから随分と遠回りしたものじゃのぅ

セバスチャンが手続きを済ませると待合室の様な場所に案内された

ご自由にと書かれたカゴの中には大量のメケメケが無造作に入っていた

多くのガキ…同世代の子供達がそれを貪り食っておる

「嫌ですねぇ、貧乏人の子供は遠慮が無くて」

声の方に目をやると華美なビビットリンクのドレスに三角メガネという如何にもな金持ちそうなマダムと太ったガキが立っておった

声の主はガキの方じゃのう

「ボクちゃん、本当の事でも失礼ザマスよ」

マダムは嗜めているのか煽っているのかわからない事を子供に言う

何とも、何ともじゃのぅ

「ボクちゃんはこのソーディアス王国のナイフの名に恥じぬ様に振るわなければならないのですからね」

マダムは敢えて聞こえる様にナイフの一言を殊更強調して言う

王位継承候補の選外の王族が名乗る姓がナイフじゃな

面倒じゃから放っておくかのぅ

「おい、そこの平民」

太ったガキがワシを見て言う

また水戸黄門をやるのかのぅ…

「平民?」

ワシを平民呼ばわりした事にセバスチャンの気配が一段階強くなったがそれをパーパスが制止する

「よい、子供の戯れだ」

パーパスは聞こえない様にセバスチャンに言う

おそらくはワシと同じで面倒なのじゃろうな

「無視をするな、このライバ様がお声を掛けてやっているのだぞ!」

ガキが声を荒げる

げんこつで黙らせた方が良いのかのぅ

「なんでしょうか?」

取り敢えず返事だけして様子を見る事にした

「お前が腰に付けてる剣の飾り、気に入ったから買ってやる」

スミスの剣か

本当に男の子はこういうの好きじゃのぅ

「構いませんが、お金ありますか?」

ワシは特に煽るでもなく疑問を相手に投げ掛けた

「バカにするな!ボクは名門貴族だぞ!!」

ガキは再び声を荒げた

「成る程、ではこの剣大金貨10万枚でお譲りしますよ」

ワシは淡々と答えた

「じゅうま…この国が買える額ザマス、バカにするのも大概にしなさい!」

今度はマダムが怒り出す

お前さんは自分のガキを止めんかい

「冗談ではありません、これはスミス・ブラウニーが製作した魔剣ですから大金貨10万枚なら安いくらいですよ?」

そう言うとワシは念を込めてキーホルダーを短剣のサイズに変えて見せた

「母上、ボクあれ欲しい!!」

ガキがマダムに懇願するがこれは持ち主固定じゃから譲っても使えんがのぅ

「ならばその剣、税として私が接収するザマス」

権力を振りかざせばタダで手に入ると思ったか、したり顔でマダムはワシに言う

そろそろババアに降格かのぅ

「そろそろ勘弁願えませんかねぇ」

見かねたパーパスが面倒臭そうな顔をして割って入る

今日の水戸黄門はパーパスじゃな

「何処の冒険者風情か知らないザマスがこの私をコッパー・ナイフ男爵夫人と知っての無礼ザマスか!」

ババアが声をあげる

男爵なら子爵で時期に伯爵になるパーパスの方が格上じゃのぅ

それ以前に国の英雄の顔すら知らんのは不味かろう

社交界に顔を出したがらないパーパスが悪いのじゃが

「あー、ハイハイ男爵夫人様失礼致しました」

パーパスはへりくだる

面倒じゃから逃げの一手に出た様じゃ

「ですが…それはそれとして民から不当な税を徴収するとはどういう了見だ?」

パーパスの言葉が強くなる

見誤った

あの男、田舎の村の出で民との距離が近いんじゃったな

「なっ…ぶれ」

無礼と言おうとしたババアの言葉をパーパスは剣を抜いて黙らせる

「切る訳じゃねぇ、剣の紋章よく見てみろ」

剣のはばきには剣を持つグリフォンの紋章が書かれている

勇者パーティが魔王を討伐した時に当時の王からパーティに贈られた特別な紋章である

「剣を…持つグリフォン…」

ババアが流石に気付いて絶句する

ワシより水戸黄門しとるのぅ

「あんたが余計な事を言わなければガキ同士のいさかいとして黙ってるつもりだったが王国の威信を汚した以上はそうは行かない、今日の儀式が終わったら覚悟しておけ」

そう言うと剣を鞘に納める

と同時にセバスチャンがメケメケの入っているカゴの横に新たな菓子を置く

「みんなぁ驚かせちゃってごめんねぇ、このお菓子はおじさん達からのお詫びだから食べてねぇ」

パーパスは萎縮する他の子供やその親達におどけて見せる

それを聞いた子供達は表情を明るくして菓子に群がった

「元々土産に置いていくつもりの菓子だったがナイスだセバスチャン」

パーパスはセバスチャンにサムズアップしてウインクする

この男やはりサポートはかなり優秀じゃのぅ

そうこうしている内にワシの順番が回ってきて神殿の中心部へと案内されるのじゃった

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