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進化させるもの

「しかし、始原種が3体も揃うとは、随分ぜいたくだな。」


「3体?」


「その妖精は、始妖精の転生体だ。でなければ、こんなところまで来れないからな。」


「私?」

言われてもあまりピンとこないような表情の妖精。


始虫が起きる。

魂だけの空間でなんで寝られるのかわからない。

「あいつがいじめる。一郎助けて!」


「彼も何もしなければいじめてきませんよ。」


「一郎と言ったか。ずいぶん、始虫と仲がいいんだな。」


「まあ、体感で、3年くらい一緒にいましたからね。それよりあなたはいつまでもここにいていいんですか?」


「私もお前に興味があるのでな。幸い、外とここでは、時間の流れも違う。そういうわけで、お前達が暴走しないように見ていることになんの問題もない。」



始不死種の巨人もクローディアの王族のように、全ての情報があるアカシックレコードにアクセスすることができる。

だから、彼は、異世界の概念の脅威も知っていたし、その原因となる一郎と龍二の存在も知っていた。


始不死種の巨人は、異世界の概念の流入をなんとか阻止したいと思っていたが、そもそも、異世界人が入り込んだ時点でどうしようもないこともなんとなくわかっていた。


無差別に暴れる始虫の処理が終わった今、問題は、異世界人である一郎と龍二だ。


そもそもが、進化を司るサリアラムが、世界を進化させるために、世界を変化させているのかもしれない。

そうも考えられるが、どうにも急すぎる。

このままでは、現在、そこに住む意思ある生物は、滅んでしまうことになる。

始不死種の巨人は、それは看過できない問題だった。


一郎や、始虫も長い事観察していて、今となっては、情も移ってしまってしまっている。

出来れば穏便に済ませたい。



進化を司るサリアラムは、周りを強制的に進化させ続ける存在。

世界の枠であるエンディアと、概念の総体であるクーティルとともに、始神から生まれたこの世界の秩序。

意思はなく、その権能は、法則と言っても過言ではない。


サリアラムは、一郎や龍二をも進化させる、

一郎は、まるで、主人公のように、強くなり、世界を背負うほどの力を身に着け、龍二は、封印の中で、サリアラムに干渉を受け、アカシックレコードを更新し続けていた。


サリアラムは、世界のさらなる進化を促していたが、残念ながら、今の世界の概念やルール、法則との矛盾が大きく、一郎と龍二の持ち込んだ新たな概念たちは、空想のままだった。


それでも、進化は勝手に進む。

サリアラムに進化を止めることはできないからだ。

進化のサリアラムと概念のクーティルは、膨張し、世界の枠エンディアを壊そうとしていた。

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