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龍二と騎士団長

「龍二君は、この後、どうするんですか?」


「セティのところで厄介になるのもありかと思ってる。」


「ああ、それもいいんじゃないですか。」


「一郎さんは?」


「僕は、どうしようか迷ってます。このままリリエットさんについていっても足手まといですからね。」


そんな感じで、城に帰って来た二人。

平和なのは、そこまでで、2人は、騎士団長に呼び出され、ラスティル家の騎士の訓練場にいた。


「逃げても良かったんだぜ。」

騎士団長が不敵に言う。


「逃げられませんよ。リリエットさんのお家の方からの呼び出しなので。」


「一郎さん、これ喧嘩売られてんだよな?」


「そっちのぼうずの言う通りだ。俺は喧嘩を売ってる。買うも買わないも自由だが、逃げるならもううちのお嬢様には、関わるな!」


「ああ、そういう奴か。一郎さん、俺にやらせてくれ。一郎さんも、なんかカッコ悪いこと言い出して、逃げようとするのはなしだぜ。」


「俺は、二人同時に相手をしてもいいぜ。」


「龍二君、相手のこと舐めないようにしてくださいね。最初から全力でです。」


「わかってる。一郎さんの番まで回すつもりないが、俺がやられたら、後頼む。」


「倒してしまっていいんですよ。」


「やっぱ、一郎さんは、カッコ悪いなあ。じゃあ、行ってくる。」


龍二は、ボコボコにされる覚悟で訓練場の舞台に上がる。

周りは、向こうの騎士団員たち。

完全にアウェーだ。


騎士団長もゆっくり舞台に上がる。

「練習用の木剣だ。俺も同じのを使う。」

騎士団長は、カンカンと叩き、細工がないのを確認、龍二にも剣を渡そうとする。

龍二は剣を受け取らなかった。


「俺は、剣はいらない。どうせ、使えない。」


「⋯そうかよ。まあ、いいわ。好きにしろ。」

騎士団長は、龍二が剣を持っていようが何をしようが関係なく勝負を決めようと思っていたが、龍二が何をするか興味が湧いてきていた。


龍二は、どうせ、カインと同じかそれ以上に強いのだろうと思っていた。

だったら、今の自分にできるのは、一撃当てることだけ。

まっすぐ行って、ぶつかる。

そのために必要なのはなんだ?


龍二は、騎士団長を見る。

「今から、まっすぐぶつかりに行く。避けたきゃ避けな。」


「⋯そうかい。」

騎士団長は、その気持ちいいくらい稚拙な挑発に乗りたくなった。

しかし、ただで乗ってやるのも芸がない。

少し意地悪をしてやることにした。


騎士団長は、突きの構えを取る。

このまま来たら、大怪我するだろう。

さらに、威圧と殺気を強める騎士団長。

龍二が、突っ込むことを躊躇するほどの嫌な時間。

龍二は死への覚悟を固めていく。

周りの騎士もつばを飲む。


一郎は、最悪な事態を想定する。

龍二が無茶したら止めようと思った。


しかし、その時は来なかった。

騎士団長は、龍二の首筋を優しく打ち、龍二を気絶させたのだ。


龍二は、突っ込んで来る。

騎士団長にはそれがわかった。

だからこそ、こんな意地の張り合いで、龍二を潰したくないと思ったのだ。

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