表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
26/48

授爵

次の日、ラスティル家からの使いが来る。

今回は、みんなで行くようだ。


「銀位貴族の家にお邪魔する時が来るとはな。」

さすがのカインも緊張しているようだ。


リリエットも、やはり緊張している様子。

アイシーが、なんとなく気遣っているのがわかる。


リリエットの家は、小さい西洋風の城だった。

水堀もあって、外壁もあって、しっかりしていた。

5人はそれぞればらばらに部屋に案内され、客人扱いになった。


リリエットは、再び父の執務室にいた。


「3年で5億と言ったが、あの話は無しだ。」


「⋯へ?」


「王族に色々献上したらしいな。」


「ああ、あれは仲間が勝手に。」


「王命で、リリエット・ラスティルを鉄位貴族に拝命するとのことだ。」


「私が、独立貴族に?」


「ああ。⋯なんだ。うれしくないのか?」


「不服と言えば、不服です。私の功績ではありませんので。」


「まあ、そんなものだ。人生なんて。何にせよこれで、自由に近づけるといいな。」


「⋯はい。」

二人の間に緊張が走る。

「お父様。鉄位貴族について、教えてください。」


「ああ。基本は、お前の知っている通りだ。詳しくは、この任命章で確認できる。」


「⋯ありがとうございます。」


「最後に、心に刻んでおきなさい。絶対、死ぬな。」


「⋯わかりました。」


執務室を出ていくリリエット。


「私は、お前には、こっち側は合わんと思っていたんだがな。貴族の嫁なら、割と自由でもあるからと。」


リリエットは任命章を確認する。

「納税に兵役。⋯こういうことか。確かに今のままじゃ、死んじゃうかもね。」


その足で、リリエットは自宅の書庫に向かう。

詳しく、鉄位と銀位貴族のことを調べるために。



ラスティル家の次期当主アルフィンは、当然、リリエットを取り巻く環境の変化は、把握している。

調べようと思えば、自領内の情報などすぐに集まるのだ。


集まった情報の中で、一郎と龍二の存在は、異質であった。

低レベルでリリエットと出会う前の情報は皆無でありながら、リリエットを鉄位貴族へとした立役者。

他国の間者かとも疑ったが、こんな怪しい奴らを使う国はないだろう。


アルフィンは、見極めるために少しだけ話をしようと思う。

最悪な自分が死ぬことになっても、もし、自分に何かあれば、二人が疑われるのは、当たり前のこと。


「あ、そうなんですか。教えていただきありがとうございます。」

アルフィンから見た一郎は普通の物腰柔らかな男だった。

殺気にも反応しない。

少々拍子抜けだ。


「ではな。」


「ええ、失礼します。」


アルフィンは、自室に戻るころには、すでに一郎のことなど頭の片隅に追いやられてしまっていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ