エリクサー
「馬鹿野郎だな。」
「バカ。」
「さすがにここまでの馬鹿はいないよ。」
カインとアイシーとリリエットは、ベッドで寝ている龍二を見て言った。
「門番がはでにやりやがったから、引き取りに来てくれって言うから行ったら⋯。」
「いや、かなりイカしてると思うぜ。俺は。」
「俄然、興味が湧いたわ。」
「これ治ります?」
龍二の両足は膝から下が吹き飛んでいる。
「金はかかるがなんとかなるぜ。」
「私も前に腕やられた時に大金積んでやったわ。」
「これだと、エリクサー2本くらいかな。」
「エリクサーっていくらくらいになる?」
「一本1000万くらい。」
「いざという時の金があって、よかった。」
一郎は、ていねいな言葉も忘れ、安堵した。
カイン、アイシー、リリエットはそれに気づいていたが、あえて、言わなかった。
カインとアイシーの二人は、龍二と一郎がいつの間にか好きになっていた。
龍二が目覚める。
部屋には、一郎だけ。
「無茶しましたね。」
「悪いかよ!」
「いえ、悪くないと思いますよ。」
「あいつは?セティは?」
「無事です。怪我もポーションで治るくらいでしたよ。」
「ああ、そうか。よかった。」
龍二は、自分の足に視線を落とす。
「学ランふっとんじゃったな。」
「エリクサー使います?」
「いくら?」
「2千万だそうです。」
「じゃあ、いいわ。」
「龍二が良くてもあの子が気にしますよ。」
龍二は、ドキリとした。
確かにそうだ。
かっこつけるくらいならあがけだったっけ。
あがいてみるか。
龍二はベッドから降りると土下座で、頼む。
「2千万貸してください。」
「しっかり返してくださいね。逃がしませんから。」
「逃げねーよ!」
エリクサーを飲む。
どんどん腹が空いてくる。
龍二は、しばらくの間、ともかく食べ続けた。
セティは、何度も無きながら面会に来た。
最初は気恥ずかしくもあり、断っていた龍二だったが、途中から、あまりにも悲痛に泣いているセティがかわいそうになり、お弁当を頼むようになった。
セティは、エリクサーの話を聞いたあとは、「私が1千万払います!」と言って、龍二と喧嘩になっていた。
「私たちパーティじゃなかったの?」
そう言われて、龍二は、押し黙り。
「じゃあ、1千万お願いします。」
と頭を下げた。
龍二は、2周間で回復した。
龍二のレベルは、45になっていて、称号の【一郎の友達?】は、【一郎の友】に変わっていたそうだ。




