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セティと龍二

祭りがあったことを聞きつけてやってきた新人冒険者のセティは、ゴブリン相手に何も出来なかった。


3帯では、たまに出るはぐれモンスターを狩れていたのに不思議と今は倒せる気がしない。


これは、中央都にある結界魔道具によって、中央都に近づくにつれ、モンスターが弱っているからなのだとセティは知っていた。


「でも、こんなに強くなるなんて⋯!」

セティの光の魔弾は、ゴブリンに当たるもゴブリンは、ほんの少し嫌がるのみ。

それよりも、怒りを増しているようにも見えた。


セティは、それでも、光の魔弾をうち続ける。

それしかできないから。


限界は早かった。

ゴブリンも半分くらいダメージを負った。

庇っていたゴブリンの左手は無惨な状態で、それでも、まだ右手はしっかり動く。

それに対して、セティは、すでに魔力切れで座り込んでいた。


ゴブリンはゆっくり近づき、セティの杖を奪い捨てる。

そのあとは、ただ蹂躙するだけ。

ゴブリンが勝利を確信したとこころで、ゴブリンは肩から胸、腹に熱さを感じた。

ゴブリンは、倒れる最後に、自分を切った男を確認する。

そいつは、必死に、自分に切りかかっていた。

侮るでも、嘲るでもない、自分を敵として認めて⋯。

ゴブリンは、満足とはいかずとも、割とマシな死に様に納得して倒れていった。


龍二は、セティと街に戻る。

無言だ。

龍二はふと、セティのはだけていた服を思い出す。

こういう時、男子高校生なら興奮するものなのだろうか。

龍二は若干一歩引いたところにいた。

興奮より、ああ、こういうものかと。


セティは、龍二が何を考えているかわからなかったが、優しい人なのかと思っていた。

マントを貸してくれたし。

このマントってくれたのかな?

セティもセティで、ときめきを感じるより、身につけているちょっとよさそうなマントが自分の物になるかを考える実利を取る女の子だった。


そう言えば、一郎はいろんな人から情報を仕入れていたな。

そんなことを思い出す龍二。

「龍二だ。俺の名前。」


「龍二さん?私は、セティです。」


「セティ。ちょっと聞きたい。レベルってどうやって上がるんだ?」


「えっと、普通に上がりますよ。モンスターを倒すと。」


「そうか⋯。俺、まだレベル1なんだが。」


「ギルド証を更新すれば上がっていると思いますよ。」


「これいちいち更新しないといけないのか⋯。」


「何、当たり前なこと言ってるんですか。」


「セティはレベルいくつ?」


「私は、10です。」


「俺も10くらいまで上がっているといいが⋯。」


「⋯変な人。」

セティは首をかしげる。

自分が苦戦していたゴブリンを簡単に倒すのに、どこか抜けている。

というか、浮き世離れしている。

セティから龍二を見た第一印象はそれだった。

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