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magical dose -魔法少女は破滅の道を歩む-  作者: 伊草


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8/65

円卓の会議……………………………8mg

朝起きると、

昨日感じていた疲労と頭痛は、

跡形もなくスッキリと消えている。


飲んだ薬の効果かな。


と考えつつも、カーテンを開けに行く。

ちらっと目に写った時計は10時を差している。

今日は土曜日、休日だ。

カーテンを開けると、朝日が差し込んでくる。

直射日光ではないのでそんなに眩しくはないが、少し心地良く感じる。


一階のリビングに降りて、用意されていた朝食を頬張る。

今日、親はどちらとも仕事で朝早くから出ている。

それなのに、朝食を用意してくれているのは頭が下がる。

親は偉大だ。


一方、私は一日中予定がない。

何をしようかなと考える。

こういう時大抵は何もせずダラダラと過ごすだろう。

でも今日は違う休日を過ごしてみたい。

とはいえど、いい案が思いつかない。


とりあえず家の周りを散歩してみよう。





どこに行くのかも決めずに散歩し始めたけれど、

気がつくと昨日海桜と集まった公園に来ていた。

せっかくなので、その近くの昨日怖いような感じがした道路を通ってみる。

夜と昼間じゃ、感じ方が全然違う。

交通量が違うからかな。

昨日の夜、車通りはまったくなかったけど、今はそれなりに車通りがある。


そのまま道を真っ直ぐ進んでいると、知っている人の姿があった。

というか、昨日会ったばかりの人物だ。

昨日は和装風の魔法少女姿だったが、今は洋服だ。

まったく装いが違うが、雰囲気でわかった。


「すぐ会うかもとは言ったけど、その翌日に会うなんてね。」

その女性、梨乃は微笑みをもって話しかけてきた。

改めて見ると、高身長でスタイルもよく、女性の憧れと言っても過言じゃない。


「うん、そうだね。私もびっくりしちゃった」


「今から、私達のコミュニティの集まりがあるのだけど、もしよければ来てくれないでしょうか?

皆、喜びますよ。」


「なら、海桜も呼んでいいかな?」


「もちろん大丈夫ですわ。

是非呼んでくださいまし」


LINEにメッセージを送ると、すぐに既読が付き、いますぐ行く、と返事が帰ってきた。


「海桜来るって」


「そう。なら待っていましょう。そこの公園ででも。」


と梨乃は先程前を通った公園を指さした。


十数分後、海桜はやってきた。連絡を受けてすぐに走って来たのだろう。息を切らしている。


「ちょっと準備に手間取った」

そう言っている海桜の服装は魔法少女の時の凛々しい姿ではなく、ラフな格好だ。


「大丈夫。待ってないよ」

と紡希が言うと、


「あなた達、カップルみたいですわね」

と梨乃。


「もう。早く行こうよ」

私は少し赤面した。

海桜もほんのり赤くなっていた。





公園からまぁまぁ離れた所に集会所があった。

昭和のアニメで見るような空き地に建物が立っている。

その建物は並一通りのプレハブ小屋と言ってしまうには惜しいほど、モダンでオシャレな小屋。

梨乃によると、こういうのはコンテナハウスとか言うらしい。


中はあまり広くはないが、話し合いをするだけなら十分な広さだ。

そして、部屋の大半を占める一つの丸い机の周りに4人が座っている。

みんな、女の子。

そして、みんな、魔法少女。


「皆、待たせました」

と梨乃が声を上げると、円卓に座って話をしていた4人がこちらを向いた。話に夢中で今まで気づいていなかったようだ。


「あ、梨乃ー!おーそーいー!」

と無邪気な笑顔で出迎えたのは4人の中で1番背が低い子だ。


「紹介したい人物がいたので…。紹介します。

こちらのお二方は同じ魔法少女で、こちらが…」


「羽衣石紡希です。

よろしくお願いします」


「私は円谷海桜。」


「じゃあ、紡希、海桜。

仲間を紹介します…」


机の席順を右回りに

橘玲奈、

小佐渡蒼、

永春桃香、

五月女絆

だと梨乃が紹介した。


続いてそれぞれが自己紹介を始める。


橘玲奈。

「初めまして、橘玲奈です。

 このグループのリーダーみたいな感じです」


小佐渡蒼。

「蒼は蒼って言うんだぞ!よろしくな!」

先程、無邪気な笑顔をしていた背がちっちゃい子だ。


長春桃香。

「よろしく。困ったことがあったら何でも聞いてよ」


早乙女絆。

「よろしくね、紡希ちゃん!海桜ちゃん!

もっと賑やかになりそうでうれしいな」


4人が自己紹介を終えると、梨乃が改めて自己紹介をし始めた。


「もうお知りだと思いますが、改めて。梨乃ですわ。他のグループとの仲をつなぐ外交役をしていますの。お二人を謹んで歓迎いたしますわ!」


まだ入るって、言ってないんだけどなぁと海桜が呟いたのを尻目に

私は

「精一杯頑張ります」

と答えた。





円卓に座って会話を重ねていくにつれて、だんだん敬語が抜けて心の距離が近くなった。


会話の内容は玲奈と蒼が幼馴染だとか、その二人と私の学校が同じだったとかで、ちょっと驚くような話もあったけど、皆とちょっとは仲良くなれた、そんな気がした。


「はいはーい。注目!。今日の会議始めますよー。」

と、玲奈が盛り上がり過ぎた会話を止めた。


本来することを忘れてた。

梨乃についてきたのは、会議に参加するためだった。


「紡希と海桜はまだあんまり知らないと思うので、魔法少女が置かれている現状について軽く整理します」


玲奈が言ったことは以下の通り。


魔獣はフリーズしており(つまり、活動停止状態)、目覚めの時を待っている。

目覚めの時が訪れてしまうと、全ての魔獣が暴れ出して世界が滅んでしまう。

そこで、私達魔法少女は世界滅亡を阻止するため、魔獣と戦わなければいけない

のだが、フリーズされている魔獣は姿を表さないので、倒すことはできない。


フリーズを解除する必要がある。


そのためには条件があって、それぞれの個体で条件が変わってくる。

条件を見つけ、一体づつ魔獣を倒していくことが魔法少女のやることである。


一通り説明し終えると、玲奈は本題に入った。


「今、魔獣は目覚めのときを迎えようとしています」


「えぇー!? そんな急に!?」

蒼が驚きの声を上げる。


私も声に出すまではいかなくとも驚いている。

それほど切羽詰まった状況だとは思わなかった。


隣の海桜も少し驚いた様子だけど、

梨乃達、元々グループにいたメンバーは蒼を除いて驚いていない。平然としている。


「蒼、この件について集まると伝えているはずでしょう。

また聞いていなかったの?」


「……皆も知らなかった……よね?」


蒼は助けを求めるような目線を梨乃に向けるが、


梨乃は

「すでに玲奈さんからご連絡いただいておりますわ。

ちゃんと確認しておくことですよ」

と微笑みながらあしらった。


蒼はシュンとなって、そんなぁ、と呟いた。


では、と咳払いしたあと、玲奈は話を続けた。


「話を戻します。

目覚めの時が来るというのは次の文章から来たものです。」


四魔自ら枷を解きて集う時、終焉呼ぶ魔王出づ。

魔獣悉く解き放たれ、やがて人は滅ぶ。


「…これも知らない……

梨乃…これは……?」

蒼は青ざめた顔を見せた。


「まだ聞いていない話ですわね。」

梨乃がそう返すと、蒼は顔をパッと晴らした。

聞いていなかったのを咎められると思ったようだ。


二人の会話を尻目に玲奈は話を続けた。


「おそらく、この文章は……」


玲奈によると、こういうことらしい。


四魔は4体の魔獣のことでこれが4体全て集まると魔王が出現する。

そして、魔王は魔獣のフリーズを解くことができ、世界を終焉へ導く。


そういった話をだった。


「玲奈。ちょっと質問。」

桃香が片手を上げて立ち上がった。


「私達は、目覚めの時、を阻止するために何をするの?」


「いい質問です。四魔が集まってしまったら魔王が復活するなら、

全部集まる前に倒しちゃえばいいんです。」


「すると、どういうこと?」


「私達は魔獣を倒すとき、まずフリーズを解除することから始めます。

四魔も魔獣の一種と思われますので四魔が自分で復活する前に一体づつフリーズを解除して一体づつ倒すということです。」


「いつも通り魔獣を倒せばいいってことだな!」

蒼が口を挟む。


「端的にはそういうことです。

蒼にしてはよくわかりましたね。」


「それって褒めてるのか?」


「馬鹿にしてるだけですよ」


「なにをー!!」

蒼は頬を膨らませて、激高したが、気に求めず、玲奈は涼しい顔をしている。


「それで。今後の計画はあるの?」

黙っていた海桜が発言した。


「どの魔獣が四魔かはわかってないので、情報を集めてから倒しに行きます。

その前に新しく紡希、海桜にはグループでの戦闘に慣れてほしいから

適当な魔獣を倒しにいくつもりです。」


「なるほど、わかった。」


「他に質問はありませんか?……、無いようですね。

会議は以上です。

お疲れ様でした」


こうして私紡希と海桜は魔法少女のグループに参加したのだった。

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