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magical dose -魔法少女は破滅の道を歩む-  作者: 伊草


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廃校の七不思議………………………27mg

 光代小学校にはいつだれが作ったものかは分からないが、語り継がれた噂がある。

 その噂は合計で7つ。

 偶に増えたり減ったりして、6つや8つになることもあるが、基本的には7つである。


 噂はまとめて、『学校の七不思議』とされた。


 主に語り継がれているのは以下の7つだ。





1.呪いの本

 図書室の本のうち一つだけ題名がない本があるという。本文もほとんどないが、最後のページだけには何かが書いてあるらしい。

しかし、その文章を読むと死ぬまで追い込まれてしまうという噂がある。


2.奇怪な骨

 昔、中庭には犬小屋があった。現在周辺には痕跡が残るが、その中でも奇妙なものが残っている。

奇妙なものとは普通とは異なった犬の骨だ。どう普通と異なっているのかというと、まず色が紫に変色しているという点と形が変形されてかつ肥大化しているという点だ。このことからここで犬で薬物投与の実験をしていたのではないかという噂がある。


3.4階に選ばれし者

 深夜、本来ないはずの4階が現れるらしい。噂では、実際に4階に行った生徒がいたらしく、化物が現れたので3階に逃げてきたと証言したそうだ。しかし、一緒にいた別の生徒は4階なんか現れなかったという。


4.揺れるロッカー

 3-2の教室中にあるロッカーはたまに揺れる。その時中を覗いた生徒によれば、絶滅動物や昔の格好をした人など現代にはいないようなものがいるという。

そのことからロッカーの中は過去の世界への出入り口という噂が流れている。


5.封印された空き教室

 二階の家庭科室横の教室は何時も鍵がかかって開かない。その教室を覗こうにも窓がセメントで塗り固められており、中は見えない。なんでも、昔この学校で降霊術を行った生徒が失踪した挙げ句、ここで自殺したらしく、それから閉じられるようになったという。

 もともとドアがあった場所を教室の中から叩くような音がたまに聞こえるらしい。


6.歩き回る人形

 体育館二階の壁に色が違う場所がある。そこは開けられるようになっているのだが、中には鎌を持った人形が置いてある。深夜になると動き出すという。


7.不明

 七不思議の数が増えても減っても最後だけはまるで何もわからない。

 ただ他の七不思議を試した後に最後のものが判明するという噂がある。しかし、七つ目の噂に遭ったものは一人としていない。





「と、大体こんな感じのことが書いてあるね。」


 最初の目的地、図書室に行く道中、七不思議の内容を確認する。


「七不思議の内容はメジャーなものではないけど、ありそうな内容だね。

 うーん。でも、この紙がロッカーの中に入ってたってことはこの小学校がまだ現役の時に書かれたってことだよね。

 これが本当に魔獣討伐と繋がっているのかなぁ。」


「まぁ、あくまで関係がある可能性だから、一応試してみようよ。ほら、図書室、もうすぐそこだし」


 と、私は図書室を指差した。





 図書室の中は薄暗く、如何にもという雰囲気だが、

 本は一切なく空の本棚だけが残っている。

 廃校ということもあって何処かへ持っていったのだろう。

 しかし、肝心の本がなければ、七不思議を試すことはできない。

 どうしたことか。


「呪いの本っていっても本一つ無いな。やっぱり噂は噂でしかないのかな」

 桃香はそう言いながら、本棚を覗き込む。


 自分は受付の方を物色していると引き出しが二段あった。

 引いてみてみると、当時使われていた貸出カードや栞はまだ残っている。そしてスタンプのようなものまである。


──へぇ、こんなスタンプあるんだ


 私は図書室に行ったことが無かったから知らなかったのだが、そのスタンプはダイヤルをいじることで年や日付も変えることができる代物のようだ。


 スタンプを机の上に置いて、ついで二番目の引出しを開ける。

 すると、中には一冊の本が入っていた。


 表紙は無地で布を使っている。経年劣化でシミが目立つ。

 そして、タイトルは───なし

 背表紙にも───ない

 これが例の呪いの本か。


「絆。なんかあった?」


「これ、なんだけど……」


「これ……、表紙がない。ということはこれが呪いの本か。開けてみる?」


「うん。開けてみよう」


 とりあえず、受付前の机にその本をおいて、何が起こってもいいように用心しながら、表紙をめくる……


 最初のページはやはり白紙。

 次のページも白紙。

 その次のページも白紙。

 次々とめくっていくと、問題の最終ページ前まで来た。


 唾を飲み込む。


 最終ページを開く……


 飛び出して来たのは意味の分からない文字の羅列。

 ひらがなとも、アルファベットとも、教科書で見た楔形文字とも違うまた別の文字。

 ただの文字列にしては気持ち悪くなるほどの悪感情を抱かせるもの。


 しかし、それ以上何も起きなかった。


「なにも、起こらない……か……」

 桃香がつぶやく。


「だね……」


「とりあえず1つ目は試した…、っと。2つ目行こうか。」 


「だね」


 私はうなずいた。




七不思議二つ目 奇怪な骨

屋外『中庭』


「うわっ、草ボーボーだ」


 腰のあたりまである大型草本が生えて足の踏み場もないほどだ。

 しかし、目的の犬小屋跡地はこの先にあるので、草をかき分け進む。


 痛っ


 脚に痛みが走った。

 小さいトゲが刺さっていた。

 足元を見るとイバラが生えている。


「大丈夫?」


「大丈夫。イバラが生えてたから気をつけて」


「了解。そっちも気をつけなよ」


 イバラを靴で踏みつけながら進んでいくと、草が生えなくなっている境界に出た。

 地面に刺さる杭を中心として円形に草が生えていなく、土が見える状態だ。

 杭を見るからに、この中心がおそらく犬小屋がもともとあった場所だろう。

 近づいてみれば、杭の周辺には骨が落ちている。


「なんか気持ち悪。」


 と、桃香がつぶやいた。

 たしかに死んだ動物の骨をみるのはあまり気分がいいものではない。ここからすぐにでも立ち去りたいほどだ。

 でも、噂の真偽を確かめなくては。

 えーっと、落ちている骨は……真っ白、

 あんまり知らないけど、変形もしてないかな。

 ということは、二個目の噂も真実じゃないのかな。


「二個目も何にもなかったね。」


「ちょっと骨は気味が悪かったけどね。次は三つ目のあるはずのない四階のか。行ってみよう」




七不思議三つ目 4階に選ばれし者

三階『階段前』

「やっぱり、四階もないか」

 三階へ上がる階段を上がり終えて、続く四階への階段のようなものを見つけたが、上がってみれば屋上に続いているだけだった。屋上へ出る前の塔屋を四階とはし難い。そのため、桃香は四階はないといったのだろう。

 ここはそこそこにして私たちは次へ向かった。




七不思議四つ目 揺れるロッカー

三階『三年二組の教室』

 元3-2教室に入ってみたのはいいものの、ここの備品の全てはすでに片付けられていた。

 1階の机とかは結構いろいろ残っていたのに、とは思ったが、状態が悪いものが多かった気がする。廃校になったときいったん一階の教室へもっていって、その中から状態がいいものは持って行って、悪いものは一階に下ろしたままおいていったのだろうか。と考えながら教室の中を見ていたが、問題のロッカーもないことに気づいた。


──これじゃあ噂が本当かどうか確かめられないな。


 桃香も同じことに気づいたようでここは確認できなかったということで「次、だね」と言った。





七不思議五つ目 封印された空き教室

二階『廊下』

 家庭科室の隣が廊下の突き当りの教室となり、五つ目の噂の教室だ。ここも元3-2教室と同じように備品は撤去されて何もなくがらんとした様子だ。噂とは異なって窓に目張りはされてないし、ドアも「封印された」と言っている割には建付けが少し悪いくらいで簡単に開ける様にはなっていた。

 別におかしいとこなんてない。ないけど、ほかの噂の場所とは何か違う気がする。

 ちょっと何か違和感を感じるのだ。しかし、やっぱりほかの噂の場所とは違わない。

 逆に、もしかしたら最初の噂から感じていたのかもしれない、些細な違和感を。

 考えてるうち、その違和感というのは七不思議の核心に迫るものだ、と思うようになってきた。

 さらに考えようとするが、だんだん頭がオーバーヒートしてきた。


──ちょっと頭を冷やそう。


 夜風に当たるべく、ガラス戸を開けようと窓に近づく。


──あれ?


 ここの窓枠、ちょっと変。

 材質は木でできているんだけど、穴が定期的に開けられていて、その間に透明な塊が付着している。

 穴の方は釘の太さと同じくらいなので、釘穴だろうとわかるが、もう一方は……?


「その透明なやつ、接着剤かなー。」


 いつの間にか桃香が隣にいて、口を出してきた。


 いわれてみれば確かに、接着剤みたい。でも、こうした意味はなんだろう? 窓にくぎを打ち付け、接着剤で固定する理由──。


 あっ。よく見れば接着剤の中に木片がある。その木片は窓枠の木の材質とは異なっている。

となれば、考える理由は一つ。木で窓を塞いでいたからだ。

 そして、五つ目の七不思議…


「封印された空き教室、は本当だったんだ。」


 おもわず声を漏らしてしまった。桃香も合点が行ったような顔をしている。

 ついでなので、もうちょっと声を漏らしてしまおう。


「他の七不思議もほんとにあったんじゃないかな」


「そうかもしれないね」


 五つ目の真偽は置いておいて次の六つ目の噂を検証することとなった。

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