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magical dose -魔法少女は破滅の道を歩む-  作者: 伊草


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24/65

斬れない→発想………………………23mg

ベヒモスが、

四魔の一角が、

魔法少女チームを壊滅させた魔獣が、

いとも簡単にも真っ二つになった。


ベヒモスはただの肉塊になり、地面にべチャリと落ちた。

その塊はもう動かない。


「………え。」


死闘を繰り広げることになる、と思っていた。

だが、ベヒモスはものの数秒にして地に伏した。

そのあっけなさに私達は驚き言葉を失った。

ベヒモスを斬った蒼でさえも驚き立ち尽くしている。


ベヒモスは死んだの……?

いや、とても強力な魔獣のはず。

まだ、死んではいない……?

もしかして、これは罠?

死んだと思わせて近づいた瞬間、襲われる?

そういう罠?

でも、ほんの僅かも動かない。

やっぱり、死んだのかな。

いや、それでも……


死んだ、死んでないの2つの意見が交錯して、頭の中がこんがらがる。


「時、止めて見てみる」


桃香もやはりベヒモスが死んだとは思えない様子だ。


「いや……分からなかった」


時を止めてじっくり観察してきた桃香はさらに疑念を深めたようだ。


「ちょっと待ってください。」


しばらく考え込んでいた玲奈は何かに気付いた。


「粒子出てなくないですか。」


玲奈の一言で、ベヒモスの生死は明らかになった。


普通、魔獣は死ぬと肉体は粒子となり消えていく。しかし、今回の場合、ベヒモスから粒子は発していない。

つまり、ベヒモスは死んでなどいなかったのだ。


突然ベヒモスだった2つの塊はうごめき始め、粘土のように塑造されて形が形成されていく。


それの一方を海桜が2つに斬って、肉塊と血が飛び散った。

倒すため、というよりベヒモスの企みを阻止しようとしたのだろう。


しかし、海桜の阻害も虚しく、ほとんど形づくられてしまった。


出来上がったものは二本足歩行のゾウの姿であった。


「やはり……

 でも、なんか小さいですね」


玲奈の言う通り元の姿の半分のものが一体、4分の1が二体と、小さいベヒモスが出現した。

そして、出来上がった三体のベヒモスを合わせると元の大きさとそう違わない。


「うわっ、なんか分裂したぞ。

桃香、どうする!?」


「とりあえず、むやみに攻撃しないで。様子をみよう。」


私達が一旦退こうとしたとき、ベヒモス達は蜘蛛の子を散らすように逃げ去った。


私はまたもや予想もし得ない行動に面食らった。


こういう意図しない状況に陥っても冷静に判断できる桃香は即座に対応策を打つ。


「玲奈、蒼、梨乃は公園方面に行ったベヒモスを追って! 紡希、海桜は川方面へ!

私たちは残る一体を倒す!」


「了解!」


そうして私たちはベヒモスの逃げた三方へ向かって散っていった。





〈紡希・海桜班〉

逃げるベヒモスには案外簡単に追いつけた。

でも、今のところ何もできそうにない。


私の武器は攻撃向けじゃないし、海桜の武器は通用しなかった。


何か手を考えなければいけない。

この場にあるもので何か手を………


とりあえず、通用しなくてもいいから出来ることを考えよう。


まず、私が出来ることは…


1.自分の魔力を海桜に譲渡

2.地面に充電器を張って転ばす罠にする


このくらいか。


じゃあ、海桜ができそうなことは


1.ハサミで斬る

2.ハサミの留め具を外して、双剣にする


うーん。できそうなこと、まだありそうな気がするんだけど……

あ、できるかどうかわからないけど……


3.刃の部分をもって持ち手のとこで鎚みたいにぶん回す。


あと、もう一つ。これもできるかどうかわからないやつ。


4.武器の巨大化


魔法少女の武器って、都合がいいようにしてくれることが多い。

だって、私の武器の充電器だって必要に応じて長く伸びてくれるし、海桜の武器のハサミだって、本来なら片手で握れるほどのサイズなのに1mくらいある。

だから、意識してないだけで武器のサイズも自由にできるんじゃないかな。


ということで、できそうなことは出揃った。


これをうまく組み立てよう。


海桜ができることの3.と4.を組み合わせて、ハサミを巨大鎚にしてベヒモスをぺしゃんこにするのはどうだろうか。

武器の巨大化に魔力を使うなら、私が譲渡してって、我ながら結構いい作戦だ。


これを実行してみよう。


「海桜、作戦があるんだけど」


海桜に作戦を伝えると、大体は賛成してくれた。

しかし、一つだけ。

「もしハサミを巨大化することができて鎚にしても、そのまま潰すのは難しいと思う。

厚みがないからね。

でも、小さく刻んだらたぶん問題ない。

それで簡単に潰せると思う。」


続けて海桜は言う。

「でも、紡希の作戦は多分うまくいく。

確証はないけど。

じゃあ、やろう」


その言葉が言い終わらないうちに海桜は駆ける。

目標はベヒモス。

まずは切り刻む。

そして、私が魔力を譲渡する。


うまくいくか……?


海桜はハサミを生成する。

そのハサミはいつもより大きく、重い。


巨大化は成功……!


そして、ハンマーのように何度も振り下ろす。


切り刻まれたベヒモスはさらに潰され、小さくなりすぎたのか、そこから分裂してくることはなかった。


数秒後、道路のそこら中に粒子が飛んで、宙に溶け入るように消えた。


紡希・海桜班──ベヒモスの分裂体討伐完了。

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