自信致死量……………………………12mg
夜の公園、魔法少女達は集い、沈黙している。
「集まりましたね」
最後の絆・桃香ペアが集合場所にたどり着いた時、玲奈が沈黙を破った。
私達の今回の目的は、四魔の一角ファージを倒すこと。
皆の顔には緊張が走って、昨日の祝勝会での和やかな空気感はない。
5月の夜に吹く風はまだ肌寒く、その風にゾクッと身を震わせる。
「そろそろ行きましょう」
玲奈の一声に私は覚悟を決める。
足手まといにならず、サポートに徹し、皆を勝利へと導くという覚悟だ。
私の武器は充電器。
弓やカッターナイフのように明確な使い方はないけれど、
少し工夫をすれば、決定打に欠けるとはいえ、かなりチームに貢献できる。
例えば、充電器のコードを延長することができるという特徴を利用して、端子を壁などに刺して罠を張れる。
これならば、海桜や蒼がトドメを差すのがちょっとでも楽になるだろう。
海桜の方を見てみる。
同じく覚悟を決めた顔だ。
しかし、顔をしかめて、どことなく困惑……いや不安そうにも見える。
昨日の海桜自身が放った一言、
「勝てるよ。私達なら」という言葉の真偽が海桜の中で揺らいでいるのだろうか。
海桜に対して言った言葉でその自信を失ったのだろうか。
海桜はさらに顔を崩していって、晴れやかでキリッとした顔になった。
自分の気持ちに決心が着き、問題が解決したのだろう。
そして、私の方はというと、昨日、無責任だと思うだけだった「勝てるよ。私達なら」という海桜の言葉が私の不安を消し去っていた。
無責任で根拠が不明瞭な勝利への自身に満ち溢れている。
勝てる。 私達なら。 絶対に。
…
出発してから20分くらいすると
魔獣の出現場所を知っている玲奈が立ち止まった。
「ファージの出現ポイントはこの辺りです。」
辿り着いた場所は旧高速道路。
最近、老朽化や交通量減少などが原因で廃止された高速道路だ。
この場所は平田北インターの付近でまだ料金所のゲートはそっくりそのまま残っている。
ただ廃止になってからしばらく経つためかコンクリートには背の低い草が生えている部分が散見される。
「いまから桃香に指揮権を渡します。では、桃香お願いします」
戦闘では桃香が全体の指揮をとることになっているのだ。
「了解」
桃香が指揮権を受けたすぐ後、魔獣出現の条件を探し始めたのだが、それは案外簡単に見つかった。
調べる場所へ向かうため全員が道路に沿って少し走った時、それは出現した。
結晶のようなものに包み隠された正四面体のコア。
その下から延びるネジのような胴体部分。
さらにそこから生える6本の細い脚。
四魔の一角ファージがその姿を表した。




