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The Cyber World  作者: 希琉部大弥
1/3

INFINITE LOOP①

「おい…なんだよ…これ!」


俺はいつも通りログインしただけなのに…

なんでこんなに人が破壊されてんだよ!!

この目の前に広がる破壊(デストラクション)の嵐に絶句してる時、

世界はまた繰り返される。


「またこれか…あと何回繰り返されるのだろう…」


もう既に俺は数百回くらいループされて心が折れかけてた。

だがある時、俺は気づいてしまった。

破壊されてる人の中に、俺の彼女がいることを…


「まさか、お前までやられてるとは…っ!!

こんな時にまた俺は何も出来ないのかよ!

でももう諦めないぞ…これは俺が直してやる!!」


その時、俺の周りが光で包まれて…


これはインフィニットループ(繰り返されし世界)と呼ばれる

異変(バグ)を修正するために動く1人の男の物語。


---------------------------


俺の名前は雲降武龍(くもふりたける)

ただの高校生だ。

今はxxyy年。世界はコンピューターで埋め尽くされてる。

ここは『ニアロチオス』といって

現実とは別次元の仮想世界(バーチャル空間)だ。

ここでは『アバター』(もう1人の自分)を動かして

色々なことができる。

例えば、あそこに美味しそうな匂いのする

ラーメン屋がある。あれはバーチャル飯!

実際に食べることができて、味もある!

あそこには服屋や家電量販店などがあり

『ニアロイン』(仮想通貨)を使って買うことができる!

買った商品は数分で現実の家に届いて、

仮想世界の中でも使える。

とまあ、説明はこのくらいかな、他にも色々あるけど

また今度ってことで!


そんなこんなで俺はバーチャル高校生活を

エンジョイしながら日々を過ごしてる。

そして今日は休日!これから彼女とデートするのである!


「武龍ー!!待った?」


「大丈夫!俺も今来たとこ!」


「そっか!じゃあ早速行こっか!」


この子が俺の彼女 一咲希(にのまえさき)ってんだ。

性格、顔、スタイルともに国宝級の可愛い自慢の彼女だ!

なぜこのレベルの子と付き合えたのかは謎だが

付き合えてるからいいよな!理由なんて!


「武龍ー!着いたよー!!」


「おお!ここが噂に聞くなんかヤバい遊園地か!」


「迫力が凄いね!早速行こー!!」


「おー!」


見るからにヤバい雰囲気の遊園地で遊び尽くした。

そしてディナーを食べて帰るまでが今日のプランである。


「やっぱここのラーメンは美味しいね!」


「そうだな!特にこのスープがダシ効いてていいよな!」


「わかる!味にこだわってるからこその美味しさがいい!」


咲希と雑談しながらラーメンを食べ終わって家まで送った。


「今日はありがとう!!楽しかったよ!また学校でね!」


「ああ!また明日!じゃあおやすみ!」


「ちょっと待って武龍ー!」


「どーしたー?」


チュッ♡


「…これは照れるな。」


「えへへっ じゃあまたね!」


「またな。愛してるぞ。」


「…私も愛してるよ!」


ラブラブムーブを交わし終わってお互いログアウトする。(おやすみ)

そして翌日。俺はいつも通りログインする。

すると…


「な…なんだこれ!何が起きてやがる!?」


目の前の異常な光景にド肝を抜かれる。

だって目の前に写るのは…歪みだから。


「前に学校で習ったことがある!これは…バグだ!

だがこのレベルのバグは見たことがない…

どういうことだ?」


そう、小さなバグは教科書で見たことがあるが

こんな大規模は見たことがない。


「こうゆう時はどうすればいいんだっけ…」


そう焦ってるうちにそのバグ(歪み)はなくなった


「ふぅ…良かった。どうなるのか心配だったから

なんにも変化がなくてよかった…」


安心した俺は、学校へ行く。あのバグは

なんだったんだろうという少しの疑問を抱いて…


学校へつくといつもの三人衆が声をかけてくる。


「なあなあクモタケ!見たか?あのバグ!!」


「見てないなんてことはないよな!?あの規模だし!」


「あのバグの原因は不明なんだって!!

その謎を解明したくはない?」


「おいおい笑 一気に喋るなよw

おれは聖徳太子じゃないんだからさ!」


こいつらの名前は順に、佐藤勝信(さとうかつのぶ)鈴木正隆(すずきまさたか)田中敦司(たなかあつし)

の3人だ。こいつらとは中学からの友達で、周りからは

仲良し四人組と呼ばれている。俺個人ではこいつらのことを

よくいる苗字三人衆と呼んでいる。


「俺個人の意見だが、あのバグはなんかヤバい気がする。」


「「「おお!!やっぱりか!!」」」


「あれは規模が段違いだ。きっとなにかあるに違いない!」


「たしかにな。だがあのレベルが

すぐに収まったのはなぜだ?あれはすぐに収まる

デカさではなかったとおもうのだが」


「すごく早く対処できる有能な人がいたとか!?」


「それもあるかもだけど、なんか違和感があるんだよな。」


「まあ今そんな事考えたって仕方がないからな…

とりあえず今この瞬間を楽しもうぜ!」


「そうだな!暗い雰囲気は嫌いだからな!」


「クモタケがいうならそうするか!楽しい方がいいし!」


「たしかにな!今心配した所で解決する問題じゃないし!」


そんなこんなで学校が終わり、三人衆と別れたあと

咲希と合流する。ちなみに咲希とは隣のクラスだ。


「すまん、待った?」


「ううん、大丈夫!さ!帰ろっか!」


一緒に帰路を辿る。すると咲希がこんな質問をしてきた。


「そういえばさ!今朝のバグ!凄かったよね!」


「ああ、あれな。最初見た時はすごく焦ったよ。」


「学校でもあれの原因はなんだろうって

話題でもちきりだったんだ!

私も気になるけど分からなかった…」


「1つ話題に上がったんだが、あれは人の仕業

なんじゃないかって。」


「ええ!?そんな事できる人なんているの?」


「そう、そこなんだよ。普通はそんな事できる人

なんていないんだ。だからその話は打ち止めされた。

だが…もしいたとしたらと考えるとヤバくないか?」


「確かにね…ほんとにいたとしたら大事件だよ!!」


「まあそんなやつなんていないと思うけどな!」


「そうだよね笑 そんな人なんていたらこの仮想世界の

終わりに近いもんね!」


そう、ほんとにいたならば既にこの世界は終わってる。

だから、人の仕業なんてありえないのである。

そんな話をしているうちに咲希の家に着いた。


「話をしていたらあっという間に家に着いちゃったね!」


「そうだな!またバグが来るかもしれないから

早く寝るんだぞー。」


「うん!そうする!じゃあまた明日!」


「ああ!また明日!」


そうして2人ともログアウトした。

今日はバグが起きて焦ったけど何もなくて

よかったなとほっとしながら寝る。

そして翌日。今日もログイン…の前に

一昨日買った服を試着する。


「意外といいなこれ。今度のデートの時に着るか!」


買った服はドラゴンの服。これのいい所は

動くところ!!着ている間はドラゴンがぐるぐると

服の周りを動いててすごくかっこいいんだ!!

とまあ、試着はここら辺にして、ログインすっか。

時計を見たら数十分ほど経っていたので

焦ってログインする。

そして仮想世界に来た時。

ものすごい光景を目の当たりにした。


「な…なんだよこれ!!世界が…ズレてる!?」


地震のような揺れと空間のズレが出来ていて

ものすごく焦った。


「とりあえず他の奴らを探さなきゃ!状況を聞かないと!」


とりあえず俺は学校へ行った。そこなら人がいると

思ったから。だがしかし、その予想は外れて…


「なんで誰もいないんだ!?…クソッ。ここにいても

埒が明かない!他を探そう!!」


だがどこを探しても人がおらず、大量のズレは

どんどん広がってく。


「クソッ…クソッ!なんで1人もいないんだよ!!

咲希!三人衆!他の誰か!誰でもいいから姿を

現してくれよ!!俺1人なんてやだよ…」


その時。仮想世界が完全にズレた。

大量のズレが一度にバラバラになって、俺は

強制終了(ログアウト)されると思ったが、次の瞬間。

ありえないことが起こった。

世界が元に戻ったのだ。それも完璧に。


「ッ…なんだったんだよ…あれは…」


めちゃくちゃな疑問と心配を残しつつもひとまず誰かに

会うために学校へ向かった。

そこにはいつもの面子とクラスメイト、その他全員が

揃っていた。


「おーい!かっつん!たかちゃん!あっくん!

さっきはいなくて心配したんだぜ!…ておい!

反応しろよw 俺1人でどうなるかと思ったんだぜ!」


「そういや今日のマガジャンみた?」


「見た見た!あの今日リベの展開は凄かったよな!」


「それな!あのテツマチがメンキーと対決してるとこ

マジアツすぎ!!早く続きが見たいぜ!!」


「………おいおい笑 なんで1人も俺に気づかないんだよ!

どうせ気づかないフリでもして驚かそうって魂胆だろ?

もうそんなのいいってw 早くドッキリ大成功!!って

言っていつも通り話そうぜ!なあ!」


そういいつつ俺はかっつんの肩を叩こうとするが…


「あれ?避けられた?もっかいだー!」


何回か試した後、あることに気づく。


「あれ?俺の手がかっつんの身体を貫通してる…」


そう、武龍が触れようとした時、避けられたのではなく

すり抜けてたから触れなかったのだ。


「なんでだ…なぜ触れない…!?!?」


一瞬窓を見た時、俺は絶句した。

だって、そこには俺が映っていなかったから。


「どうゆう事だ!?なぜ俺だけ映らない?」


そんな疑問を抱いていた時。バグが起こった。


「ッ!なんだこれ!?世界がズレ始めてる!?」


「すごい地震も起こってるぞ!なんかヤバいぞこれ!」


「これは一体どういうことだ!?」


「とりあえず校庭へ避難しよう!建物内は危険だ!」


勝信がみんなにそう伝えて、生徒全員と教師たちが

校庭へ集まる。そして校長が話す。


「えー生徒の皆さん。落ち着いてください。

まず、この世界のズレについて、これはバグです。

それもかなり強大な力をもったバグなので修正には

時間を要するかもしれませんが、安心してください。

管理人がしっかり対処してくれるでしょう。」


「安心なんてしてられるか!!校外の状況はどうなんだ!

親が心配でどうにかなっちまいそうだよ!ッ!?」


その時、その生徒は…破壊された。


「「「きゃああああああああああああああ!!!」」」


男女ともに悲鳴を上げ、教師は膝から崩れ落ちた。

そして1人の生徒が破壊されて数秒経ったあと。


「あれ?私たちはなんで悲鳴をあげてたんだっけ?」


生徒たちが疑問を持ち始めた。それもそうだ。

1人の生徒が破壊されたことを忘れてしまったから。

この破壊(デストラクション)は発動すると存在ごと

消されてしまうのだから。疑問を持って当然なのだ。


「まあまあ、とりあえずはこのバグが収まるまで

まとう。運営がなんとかしてくれるさ。」


そうして数分後。大量破壊(スーパーデストラクション)が始まった。

一瞬にして人数の半分が破壊された。

その数秒後には校庭に誰もいなくなり、数分後には

武龍以外の全てのユーザーがいなくなった。


「な…なんだよ…これ!こんなことが起きてたなんて…」


この世界は武龍がログインする

数十分ほど前の時間に起きた出来事。それを知らない武龍へ

知らせるために作られたリプレイなのであることを。

そして武龍がログインして来て焦ってるのを見て

武龍は過去世界だと気づいた。

だが気づいた時には世界が完全にズレていて…


「ッ…そうゆうことか。これはいわゆる無限ループ。

有名なバグの1つか。てことはまた同じ光景が

繰り返されるのか…」


武龍の予想通り、同じ光景が繰り出された。

そしてまた大量破壊は起こる。また戻る。

破壊、また戻り、破壊、また戻りの繰り返しで

武龍の精神は限界を迎えていた。


「またこれか…何度同じ光景を見ればいいんだよ!

なんで運営はこれを修正しないんだ!なぜだ!なぜ…」


そしてもう数え切れない位繰り返した。

だが次の瞬間。違う光景が映し出された。

咲希だ。彼女がログインしてからすぐに破壊されたのを

見た俺は絶望した。


「咲希…お前は…あの大量破壊の前から

やられてたんだな…気づけられなくてすまん…

助けてやれなくて…ごめんな…」


武龍がそんなことを言ってる間にも、世界は巻き戻される。

そしてまた咲希が破壊される光景を見た。


「俺が…助けてやれれば…もっと…俺がそばに

いてやれてたら…こんなことにはならなかったのに!!」


そんな武龍の悲痛な願いは届くはずもなく…

武龍は絶望した…と思ったが。


「咲希!!俺は絶対お前を助ける!!たとえ俺に

力がなくとも…なにかできるはずだ!だから!!

俺が助けるまで待っててくれ!必ず救ってみせる!」


そう武龍が言った瞬間。周りが光で包まれて…


「よく言ったね。武龍。僕が力を貸してあげるよ。」


「ッ…!?誰だ…お前は…」


「僕は…削除されたプログラム…

この世界を唯一直せるものだよ。」


「…!! なら早く直してくれ!!咲希が大変なんだ!」


「僕もそうしたいけど…今は出来ないんだ…」


「なぜだ!?直せるんだろ!!直してくれよ!!」


「ちょちょ。話を最後まで聞いてよ…

僕は削除されたプログラム、今君に話せてるのは

君も削除されかけてるからなんだ。」


「…どういうことだ?俺が削除?意味が分からない…」


「簡単に説明するとね。このループは

仕組まれたものなんだ。そして仕組んだ理由は

どういう訳か君を仮想と現実どちらもの存在の抹消。

つまり、武龍を完全にいなかったことにしようと

しているんだよ。」


「なぜ俺を消そうとしているかはよく分からんから

置いといて…なぜお前はこのバグを今すぐ直せないんだ?」


ほんとに俺を消そうとしてる理由がわからん…

俺に恨みでも持っているのか?


「僕が今すぐバグを直せない理由はね…足りないんだ。

僕のプログラムの1部が欠損してるから直せないんだよ。」


「じゃあなんで直せるなんて言ったんだよ!

それじゃ直せないのと同じじゃないか!!」


「だから話を最後まで聞いてって…でね、その1部を

君に直して欲しいんだよ、過去へ戻って。」


「…その1部を直せばこの世界は元に戻るんだな?」


「…ああ、約束するよ。」


「よしわかった!!じゃあ早速直しに行くぞ!!」



こうして、俺の咲希を救う物語が始まった。

はたして、この世界を完全に元に戻すことは

できるのだろうか。

毎週月曜更新します。

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