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明日はあるのか  作者: 虎麻
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病みへの一歩

--2か月後 2021年5月


 急に役員の山田さんから呼び出された。

「今、人がいなくて稼働していない課があるんだけど、6月から西野君に任せてみようって会議で挙がっているんだけどどう?」

「えっ?」と驚きを隠せない。

「いや、入社して2カ月、一生懸命働いて、雑用も率先してやっている姿を社長が見てて、推薦してくれたんだよ。満場一致でみんなも賛成してる」


 急過ぎて暁はかなり驚いた。要は1つの部門を入社2カ月、しかも全然経験も、知識もない暁に任せようとしてくれている。昇格だ。

 元々そこの部門に居た人が、暁の入社前に退職して以降、専属の担当がおらず、その部門の案件はとらないようにしていた。


暁の入社した会社のメインはカーコーティングである。ただ他にも様々な車に関する内容の仕事がある。

技術部門

・コーティング課

・フィルム課

・プロテクション課

・オーディオ課

営業部門

マーケティング部門


 このように、暁は現在は車の基礎を学ぶ意味でコーティング課に所属している。

そして、今回頂いたお話は、オーディオ課である。


「是非やりたいです!」

迷うはずがなかった。チャンスがこんなにも早く来るなんて思ってもいなかったのだから。

「ありがとう。そう伝えておくね」

山田さんは満足そうに去っていった。


 暁には、全くわからない仕事を任される不安もあったが、最高の課にしてやろうという気持ちが強かった。


 暁は小中と野球部の主将、アルバイト先でもバイトリーダー等と、上に立つ仕事が好きだった。周囲からもそれなりに、頼られているという自負もあった。

そういった経験から、「いつか起業したい」と思うようになり、自分が社長になった時に活きる経験をしたいと思っていた。

だから、今回の昇格の話はかなり嬉しかった。


 暁は6月までの期間をさらに一生懸命働いた。誰よりも早く来て、遅く帰る。

頑張っていれば評価してくれる事にモチベーションが高まっていた。


 そして6月1日

 待ちに待ったオーディオ課デビューの日。


 未経験という事もあり、技術教育係に営業部門の小川さんがついてくれるそうだ。

小川さんは、20年以上カーオーディオ関連の仕事を経験しているため、技術、知識は社内で一番ある。現在は営業専属のため、技術職から離れていた。


「早速明日から仕事あるからね!」と小川が笑顔で言う。


 小川から技術、知識を盗んで早く独り立ちしようと暁のテンションは高まっていった。


翌日 6月2日

この日から、うつ病へのカウントダウンが始まった。







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