そんじょそこらの使わしめ
★そんじょそこらの使わしめ
最終 巫女式神は鬼の元で神使として過ごしている。
あたしは使わしめになった。"町"はまだ山の女神の支配で動いているけれど、いつかあたしの主が継ぐことになる。
神としておぼつかない主だけど、有屋がサポートしてくれてる。
言っても越久夜町には有屋とかしか、今は神さまがいないんだけどさ。
人も-山伏姿の式神も、ネーハも……皆 いなくなっちゃったけど、また会えるよな。童子さん。
約束しただろ?また会うって。あれからかなりの時間が過ぎたけど、あたしは諦めてないんだ。
また童子式神に会いたいから。
あたしは巫女式神じゃなくなったけど、巫女式神なんだ。アンタに再開するまでは巫女式神って名乗り続けるつもりだよ。
『カラス!どこにいる!さっさと戻ってきなっ!』
稲荷の狐のテレパシーがわんわんと響く。
「また"会議"の時間か?ったく、焦ったってなににもならねえのによ。」
さわさわと風が吹き、草原をざわめかせる。広々とした土地に何軒か廃屋が立ち、信号機が傾いて立っていた。
-越久夜町はなくなっちまった。災害があったとか何かで人々は町を捨てたらしいんだ。あたしたちがカオスをリセットしたら、そういうことになってたんだよ。時空がたわんで戻ろうとした余波なのかな?難しいのはゴメンだけどさ、神様のご都合ってヤツだよなあ。
巫女式神はあるものをみておっ、と声を上げた。
「おっ、この扉。まだ生きてやがったか。」
崩れた廃墟から懐かしい扉が出てくる。扉の前でネズミ娘が遊んでいた。幼い人ならざる者だと察した巫女式神は、「ここいらで遊んでると悪い魔に食われちまうぜ」と注意する。
ネズミ娘はけたけた笑い、扉を開けくぐって行った。
巫女式神は「おーい。どこ行ってるんだ。」と呼びかける。
微笑ましく見守っていると、たまに山伏式神や童子式神がどこにいるのか思いを馳せた。
『カラス!いい加減にしなっ』
テレパシーで仕事をさぼるなと狐の神使に怒られてしまう。
「はいはい!わぁったよ!今行きまーす!」
ネズミ娘になった主と童子式神(幼女姿)が楽しそうに走っていくのを横目に町を守るのだった。




