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八節

連行されること10分


今、俺は沙耶に連行されて巨大な門の前にいた

「改めて思った」

「何をです?」

「お前の家がマジで金持ちだったってこと」

「きょうちゃんが言えることですか?」

「まあ・・な」

恭司と沙耶は門の前で他愛のない会話をしていると門のインターホンから声が聞こえた

「どちら様ですか?」

「私です」

「えっ!お嬢様!」

「はい、そうですけど?」

「学校はどうなさったんですか?」

「それよりお父様とお母様はいらっしゃいますか?」

「いえ、今は外に出ておられます」

「そうですかぁ」

沙耶は「どこいったんだろう」とつぶやいている

すると恭司が何気なく

「じゃあ、帰るか・・・」

どことなく自然にそういってくるりと回れ右をしたとき

「どこにいかれるんですか?」

ガシッと沙耶が恭司の腕を絡めとった

「えっと・・そろそろ日が沈みそうだから帰らないとなぁって・・・」

だが、沙耶はそれを許そうとしない

「大丈夫です、明日きょうちゃんの家に私が送り届けます」

そういって沙耶は門のインターホンに向かっていった

「ゆらさーん開けてもらえますか?」

沙耶が聞くとすぐに返事が来た

「少々お待ちください」

少し待つと重たそうな洋風の門がギギギと音を立てて開いた

「もう、後戻りはできないな」と、思った恭司であった・・・



門をくぐってから5分ほど歩いていると恭司が言い出す

「なぁ、後どれくらい歩いたらいいんだ?」

それを聞いた沙耶は普通に答えた

「まぁ後15分くらいですかね」

「お前の家どれくらい広いんだ?」

「たしか・・某東京のドームが10コ入ってもあまるぐらいでしたような・・・」

「さいですか・・・」

恭司はツッコム気も失せたようだった

それから10分ほど歩くと館が見えてきだした

「さあ、後ちょっとですよ」

さっきからニコニコしながら歩いていた沙耶が言って来る

「・・・・・」

恭司はなぜかソワソワしている、気にかけて沙耶が

「どうしました?」

「少し前から誰かが俺たちを見ている・・・っつ!」

いきなり恭司の右側からナイフが飛んできた

恭司はそれをよけつつナイフをつかんで飛んできたとこに投げ返す!

ザッ!

「クッ!」

草むらから何かが飛び出した!

「・・・・メイドさん?」

恭司が飛び出して来た者を指さす

裕子(ゆうこ)さん!?」

沙耶がそのメイドに問いかける

「えっ!お嬢様!アッ!ああああ!」

メイドが足をくねらせて倒れる

「ツッ!」

恭司がすばやくメイドに寄って支える

メイドが恐る恐る目を開けるとそこには恭司の顔があった・・・

「大丈夫か?」

恭司がメイドに聞くと

「は、はい・・大丈夫です。。。。」

メイドは顔を真っ赤にして答える

「気分でも悪いのか?」

恭司はメイドの顔色がやけにおかしいことに気付く

だがメイドは何もなかったかのように起き上がる

「えっ、えっと先ほどはどうもすみませんでした」

メイドが改まって謝る

「きょ、きょうちゃん、こちらがこの屋敷の警備長の江田裕子(えだゆうこ)さんです・・」

沙耶が慌てて紹介をする

「はじめまして警備長の裕子です。。。」

少し気まずい空気が流れた後

「あっ!裕子さん、きょうちゃんと会うのは初めてではありませんよ」

いきなり沙耶が切り出す

「えっ、初対面でもない人に向かって私は先ほどのようなことを・・・・」

一息おいて

「ほんっとうにすいませんでした」

深々と裕子が頭を下げる

せっかくこっちに戻ってきたのにやけに頭を下げられるよなぁ

そう思っていた恭司が不意に沙耶に聞いた

「そういえば俺と裕子さんってどこであったことあるんだ?」

今まで行方不明になっていた恭司にとっては疑問だった、なんせ、いなくなるまえには女で仲のいいやつは沙耶だけだったのだ、男の知り合いなら腐るほどいるが・・・

「何言ってるんですか、祐君ですよ」

沙耶が当たり前のように言った

「祐君?・・・待てよ・・・なんか記憶にあるようなないような・・むしろ思い出したくないような・・・」

恭司が昔の記憶をたどっていくと、よく遊んだ男の子を思い出す。そのときのかん高い声が恭司の頭に響く・・・

「あっ!ああああっ!」

「「わっ!」」

いきなりの恭司の反応に沙耶と裕子が驚く

「えっ!で、でも、祐は男だし・・・この人は女だし・・・・???????」

恭司はめちゃくちゃ混乱していた、なぜかと言うと恭司の知っている「祐君」とは元気のいい「男の子」だったからだ・・・・

それに気付いた沙耶は言った

「裕子さんは昔、元気がよすぎてみんなが男の子のようだねって言ってたから私たちは祐君ってよんでたんですよ」

裕子はその話を聞くうちに今自分がナイフを放った相手が誰なのかに気付いた

「もっ、もしかして恭ちゃん?」

恐る恐る裕子が聞くと恭司が答えた

「そうだけど・・・お前変わったなぁ〜」

「い、いや、変わったのは恭ちゃんですよ」

裕子はもう一度恭司を見る、さっき見た顔といい、もたれかかったときの筋肉質の体といい

申し分ない男性になっている恭司に裕子は顔をまた真っ赤にする

「お前、本当に大丈夫か?」

「あっ、え?」

裕子が顔を真っ赤にしているので恭司は裕子の額に手を当てる

「熱は・・・ねえなぁ」

裕子がこれ以上は耐えられないと思ってサッと体を離して違う話に振る

「さあ、こんなとこにいないで中に入りませんか?」

沙耶が裕子の態度がいつもと違うことに気付いた

「へぇ〜、そうだったんですかぁ」

「なに言ってんだお前?」

恭司が不思議そうに沙耶に聞く

「なんでもないですよぉ〜」

沙耶がさっきとは違う話し方になる

「さ、さぁはいりましょ」

裕子が知らないとばかりに屋敷の入り口に向かう

「〜〜♪」

沙耶の気分がよさそうだ

恭司達は屋敷に入っていった・・・・



だが、恭司は覚えてなかった、時雨家の両親のメンドクサさを・・・・

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