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十五節

・・・・って、青春ドラマ見たいな展開はまずないな

恭司は一番なりたくない状況を想像していた


タッ!

恭司と沙耶が着地する


「お父様!・・・お父様!」

沙耶が勢いよくドアを開ける

「お父様!何処ですか!」

日ごろの沙耶が出さないような大声で父を呼ぶそしてすぐに


「おお、沙耶じゃないか!どうしたんだい?学校は?」

沙耶の父・章吾が沙耶に返事をする

「それどころじゃあありませんっ!今、学校で庚先生に聞いたんですけど、恭ちゃんとの契約は召還契約ではなく従者契約と先生から聞きました」

沙耶は章吾に説明をする

「なんと!今、従者契約と言ったかね!?」

「はい、そうです」

沙耶は残念そうに答える

恭司は今聞いた言葉に疑問を持った

「従者契約ってなんだ?」

簡単な質問をなげかけた

それに章吾が答える

「従者召還とは、まあ、主従の関係になることだよ」

「主従?・・・たとえば主人とメイドとかのことですか?」

「まあ、それもある、だが、主従の関係とは真に信じあえるもの同士が契りを結ぶ事だよ」

「ああ、なんだ、「ギール」の事か」

恭司はサラッと答えた

「ああ、そうだよ・・・っな!、今何と!」

章吾が驚いて恭司に聞き返す

「だから「ギール」ですよ、闇の宝典を覚えるときにその項も読んだんです」

「「ギール」ですか?」

沙耶が恭司に聞く

「ああ、闇の宝典において「相棒」や「友・恋人」のことを指すんだ」

「「相棒」や「こ、恋人」ですか?」

沙耶は恋人の部分を強調して言った

だが恭司は「熱心なやつだなぁ」としか捕らえていなかった

「そう、それでその相棒となる人は決まっているんだ」

「じゃあ、すでに恭ちゃんの恋人(あいぼう)となる人は・・・」

沙耶は少し肩を落としながら言う

「さあ、わっかんね」

恭司と沙耶の会話に割ってはいるように章吾が質問をする

「じゃあ、その「相棒」が沙耶と言う可能性はあるのかね?」

沙耶は少しドキッ!とする

「そこまでは、俺では分かりません・・・ですが、一人の闇の使い手に一人の「相棒」と言うものは決められてはいなようです。」

「では、一人が多数の従者を従えれると言うのかね?」

「はい、多分人数には個人差があると思いますが・・・」

沙耶は「じゃあ一夫多妻制?」と考え顔を赤らめる

章吾は少し考えると恭司に言った

「その儀式みたいなものはあるのかね?」

「少し待ってください」

言うと恭司は宝典を呼び出す

「ケル・カルスト」

恭司が唱えると恭司の周りに何百いや、何千と言っても過言ではないほどの黒表紙の本が舞う

恭司はその中の一冊を手に取ると沙耶と章吾に見せる

「此処に書かれているのは闇の宝典の行使者ができる儀式を全て記したものです」

「えっ、恭ちゃんは全部覚えてるんじゃないんですか?」

沙耶は疑問をぶつける

それを聞くと恭司はバツの悪い顔をして言う

「まあ、この辺は「かったるい」からだ」

ストレート一直線の答えだった

沙耶は苦笑いを浮かべる

「それより説明を続けてくれ恭司君」

章吾が促す

「ああ、すいません、で、ココの項なんですけど」

恭司が指を刺すところを沙耶と章吾が注目する

「ここにはこう書かれています」

「すべての闇の従者は「ギール」の称号の元この儀式を執り行う事とする」


・闇の行使者にその体をゆだねすべての力を解放しその力を忠誠の証とせよ


・闇の行使者は血の楔でその者を縛り己が物とせよ


・之において其の者「ギール」の称号を受けん


「まあ、これが書いてあることのすべてです」

恭司が言うと章吾が言う

「この儀式の最初の項だが、「闇の行使者にその体をゆだねすべての力を解放しその力を忠誠の証とせよ

」と書いてあるが、すべての力とは何を指すのかね?」

「ああ、それは宝典をゆだねると言う事です」

「では、もし、沙耶が君の従者になると沙耶の宝典は君が預かると言う事になるのかね?」

「いいえ、ちがいます、従者は俺と一緒のことができるようになると言う事です」

「と言うと?」

「章吾さん、初めて俺が此処に来たとき俺がどんなことをしたか覚えていますか?」

「ああ、あの詠唱なしの宝典行使の事かね?」

「はい、そうです、元々宝典の行使方法はあれが正しいのですが、これを読める人物が今いないからでしょう」

「では、君の詠唱方法とは「ロスト・スペル」と言うことかね」

「まあ、言い方を変えるとそうなりますね」

沙耶はそんな話を聞いてるとイライラしだした

「ちょっとお父様、そんな事より今は恭ちゃんとの契約が先です!」

それを聞くと章吾は言う

「だが、沙耶、お前も従者契約の代価は分かってるんだよね?」

それを聞いた沙耶はハッとする

「ああ、そのあたりは心配ないですよ」

「「へ」」

沙耶と章吾は同時に答える

「それは闇の宝典の行使者でないものがやった結果論に過ぎません」

「と、言うと?」

沙耶は恭司に問う

「まあ、闇にしかできない事もあるって事だよ」

そういうと恭司はニッと笑う・・・

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