屋台のはしご
きゃっきゃと
テンションを上げて
屋台から屋台へ
はしごしている子どもは
次から次へと
品物を持ってきては
付き添いの人の手の上に
乗せていく
たこやき
お好み焼き
焼きそば
じゃがバター
りんご飴
チョコバナナ
牛肉の串焼き
かき氷
クレープ
事前に町民に配布された引換券
用事があったり
もともと興味がなかったり
使わない人々から譲り受けて
札束のようになったものを
しっかり握りしめて
順番に交換していく
両腕に抱えきれなくなったところで
一声かける付添い人へ
くるりと振り返った子どもは
はた
気づいて
ばつが悪そうに笑った
ごめんごめん
そろそろ食べよ?
どこか座って
並べるとかなりの量
付添い人は
あまりの状況に
どこから手をつけたものか
分からなくなったようで
子どもは
たこやきひとつ
口に入れて
はふはふと
熱い息を換気しながら
小さい手で勧めた
どうぞどうぞ
ゆっくり
お好きなものから