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作者: ヨコチ

 それの目は潰され蝋を流された。

 故に昼が分からず、眼前の闇が夜なのかすら分からない。

 いつか流した血の涙が、赤黒く線を引いている。


 それの鼻は潰され血で固められた。

 むせ返る鉄の臭いは、その他一切を寄せ付けない。

 

 それの口は悪戯に切り開かれ糸で留められた。

 荒く浅い呼吸は、入ってくる少ない酸素を貪る様だ。

 

 それの腕は皮を剥がされ火で焼かれた。

 黒ずんだその腕は醜くひしゃげ、誰かが鉄の茨をきつく巻きつけた。

 もがくたびに滴る血が床を汚す。

 

 その足は折られ何度も殴られた。

 関節の無いところから曲がった足は、変色してドス黒い。

 痙攣しながら引きずるように、それはこちらに歩いてくる。

 

 飲まされた酸は今でもそれの中身を溶かしている。

 臓腑を、肉を、骨を、血を、溶解した物が口へと逆流し、その度に口から溢れ出で、僅かな呼吸すらも邪魔をする。

 それでもそれは生存し続けた。何故ならそれはそう在るように望まれたから、死ねず、終わらず、許されず。望みがいつまでもこの無間地獄を世界に固定する。

 

 逃げろ! 逃げろ! お前の後ろから可視の地獄が追ってくるぞ! 

 

 潰された喉からしゃがれた声が漏れる。

 

 「……………お前のせいだ」



 「っていうのはどうよ?」

 「気持ち悪いよ!」

 間髪入れず素直な感想を真理まりは口にした。自分を抱く形で腕を組み、指先には力が入っている。それを見た俺はニヤリと、いつもの調子で笑った。

 「それはよかった。そういう風に作ったものだからな」

 「まったくもう、二人っきりの男女が放課後の教室で話すようなことじゃないよ」

 真理もいつものように口を尖らせながら文句を言った。不意に、彼女は窓の外を見てため息をついた。

 「……あーあ、もう終わっちゃったね。あと一ヶ月もしたら高校生だよ、私たち」

 その目はどこか遠くを見ていた。もしかしたら景色も空も通り越して、高校に通っている少し未来の自分を見ているかもしれない。卒業式の終わった校舎に人気は無く、校庭のフェンスから長い影が伸びていた。

 「そうだな」

 わざと素っ気無く返事をした。その態度が気に入らないのか、真理はこっちを向いてまた文句を言ってくた。

 「どうしてそう素直じゃないのかなぁ? もう、こうして気味の悪い妄想を話してかわいい幼馴染を怖がらせたりできないんだよ?」

 かわいいの部分を強調しながら真理はニヤリと笑う。なまじ顔が造形が綺麗な分始末が悪い。そんなカワイイ幼馴染を指差して俺は言ってやった。


 「お前俺と高校一緒だろ」

 

 ▼▲▼▲


 そんな会話を、俺が幼馴染としてたのが五日ほど前、今俺は自分部屋で簡単な身支度をしてる。小さめのバックに懐中電灯と携帯、財布、そして念のために護身用の折りたたみナイフをポケットに入れた。

 動きやすいパンツと長袖のシャツをTシャツの上に羽織る。スニーカーを履いて玄関から飛び出した。

 寒くもなければコレといって暑くもない、万人が思い浮かべる春の陽気だ。穏やかな風は散ってしまった桜の花びらを巻き上げて波のように運ぶ。全ての物が始まりと変化を期待せずにはいられない、そんな日だった。

 それとは反対に、俺の心中はどうよく考えても晴れやかではなく、不安が次々と頭の中に芽生え、嫌な『もしかした』らが増殖していく。俺の心境を梅雨の空模様並みにどんよりとさせたのは、友人からの電話だった。

 そいつは俺が母親から受話器を受け取るなりこう言った。

 「高蔵真理が行方不明になったらしい」

 詳細はこうだ。五日前、真理が行き先も告げず家を出て行った。母親は友達と遊びにでも行ったのだろうと気にしなかったが、それ以来真理の行方が全く分からなくなったのだそうだ。簡潔で不可解、真面目なあいつが行き先も告げずに居なくなるとは思えない。

 それ説明を終えた後、そいつはさらにこう付け足した。

 同じような事件が多発していたらしく、警察が動いてくれるのは早かった。調査の結果何件かの目撃証言があがっており、その証言の多くが同一の場所の名を挙げている。その名前が、

 「石川精肉工場ねぇ……」

 市が治水のために造ったという用水路、他県まで続いているらしいそれに沿って自転車を走らせる。焦りのせいか、下に着ているシャツには汗が滲み始めていた。

 この町は駅周辺はそれなりに栄えているが、駅から離れるにしたがって未使用の空き地が目立つようになってくる。最近になって、この無駄に広い土地を有効利用しようと巨大なショッピングモールやマンションが幾つか建設中だ。住んでる町が栄えるのは大いに結構。

 以前にもこのような計画があり、その時は工場建設なんかが主だったらしい。しかしその工場のほとんどが建設を中断された。何でもバブルが弾けたせいで親会社が倒産、自然とこの工場群も見捨てられ、中途半端のまま取り壊されずその姿を晒し続けている。その工場群の中にそれはあった。

 少し乱れた呼吸を整え、目の前の工場を見た。

 ここは近辺でもあまり評判の良い所ではない。工場群の中で一際大きいためか、不良の溜まり場だったり、倒産を苦に自殺した工場長の幽霊が出るとか言う心霊スポットだったりと、付き纏うのは悪評ばかりだ。

 

 

 『石川精肉加工工場』


 雨風のせいで錆付いた看板に書かれた名前を確認、さびれた門前に自転車を駐輪する。入り口までの道は舗装されずに砂利が敷かれている。まだ明るい時間のためか周囲に人の気配は無い。外観のためだろうか、植えられている木々が生ぬるい風に揺れる。大きさの異なる三棟の建物、その中心に一際大きな物がある。

 おそらくはこの建物が加工工場だろうか。程なくして入り口のシャッターまで辿り着いた。

 半ば開きかけているそれは何かの口を連想させる。不気味に開いたその口の中には暗く澱んだ闇、屈んで様子を覗う。

 どこからか漏れている光が慰め程度に内部を照らす。中にもやはり人の気配は無いが、人の出入りがあった形跡が見て取れた。工場の内部、大小幾つかの足跡が埃の積もる床に跡を残している。おそらくは(たむろ)している不良だろう、もしくは怖いもの見たさでここに来た馬鹿達か。

 真理がここに来る理由が分からない。基本的に彼女は怖がりだ。俺はその反応が面白いから、気味の悪い妄想を考えては彼女に話していた。俺のくだらない妄想であそこまで怖がっていた彼女が、実際に幽霊が出ると噂されるここに来るとは思えない。

 それでも、彼女はここで目撃されている。幾つか見える足跡の中には真理のものがあるのかもしれない。怖がりのあいつが一人で今もここに居るかもしれない。一人で、泣いているかもしれない。


 勝手に沸いてくる不愉快な妄想を頭から追い出す様に深く息を吐く。少し間を空けて、工場の中に足を踏み入れた。


 ※※※

 

 ほとんど這う形で入り口をくぐった。服に付いた埃を払う。ひとまず工場の中を見回す。外から覗いた時と同様で、板を打ち付けられた窓から漏れる光が、かろうじてその全容を映していた。

 工場の中は空気が澱んでいた。何かが(こご)った様な臭いがする。

 終わってしまった場所。使われること無く放置された機械の数々は、どれも薄汚れていた。

唯一の救いは、まだそれらが使われる前だということ。

 幸いにも、ベルトコンベアーなどには血の跡は見られない。この凝った空気にも、血の臭いは混じっていなかった。ここで死んだ動物といえば、倒産を苦に自殺したらしい工場長くらいのものだろう。

 辺りを観察しながら奥へと進む。注意深く、見落としの無いように時々屈みながら慎重に歩を進める。床には所々に酒の空き缶やタバコの吸殻が落ちていた。

 「真理ー! 居るのかー!」

 ありったけの大声で叫んでも返事は返ってこない。

 不意に、パタパタと外から何かが打ち付けられる様な音がした。その音の間隔は次第に短くなり、やがてザーッと、耳馴染みのある音に変わった。

 「降るなんて予報じゃ言ってなかったのに」

 どうやら雨が降り始めたらしい。雨音は工場内にこだまして、聴覚的にもこの空間をぼやかした。

 奥に進むごとに工場はその闇を濃くしている、まるで、見られたくない何かを隠すようだ。鞄から持ってきた懐中電灯を取り出しスイッチを入れた。

 暗闇に映し出される様々な機器がある、ミキサーを大きくした様なもの、巨大な箱状の何か、材料の動物を運ぶためか、空中にはフックの付いたレーンが設けられている。グニャリと、風景が歪む。

 

 様々な種類の動物が吊るされていた。豚が、牛が、羊が、皮膚を貫かれフックからぶら下げられている。動き出したそれは動物達を大型のミキサーの上に運んでいく。

 けたたましいモーター音がミキサーから発せられ、到達した動物の死体が次々にフックからはずされる。ガガガガと肉を切り骨を断ち切る音の後、ビチャビチャと水音を立ててどこかへ流れ込む音がした。

 濛々(もうもう)と立ち込める血の臭い、くらくらと感覚を揺さぶり立ってる事すら億劫にさせる。落とされていく動物達の最後尾、


 そこには真理がいた。


 フックは首を貫き全身は他の動物と変わらず力なくだらりと垂れていた。彼女の番が近付くにつれて、彼女の様子をハッキリと捉えることができた。死んだ魚のように白く濁ったその目が確かに俺を見ている。彼女がミキサーに近付いていく。


 ――待て。


 いつの間にか身動きが取れなくなっていた。声が出ない、気が付けば息もできなくなっている。顔も動かない。ただ、彼女を見続けることしかできない。

 

 ――止めろ。

 

 彼女がミキサーに投げ入れられる瞬間、


 ――動けよ。動いてくれ!


 生きてるはずの無い彼女の口が何かを言った様に動いていた。

 「××××い」

 辛うじて、その言葉だけがその唇から読み取れた。ビチャビチャビチャ、最後に、掻き回された彼女が、細切れの畜生たちの中に吐き出される音を、確かに聞いた。


 

 ※※※

 

 ガクリと、夢の中で急に足場を失ったような落下感が体を襲った。

 気が付けば、半ば倒れるような形で膝を突いていた。辺りを見回してもさっきまでの悪夢は何処にも無かった。

 「うぅっ!」

 ビシャリ、と胃の中のものが逆流した。突然のことに身体が驚き咳き込む。

 さっきのは何だ? 白昼夢? 幻? それとも俺の見た幻覚? あれほどリアルな幻覚があるのだろうか。

 「……落ち着け」

 言葉に出し自身を喚起する。後味の悪い悪夢のせいで口の中が粘つく。まずは乱れた呼吸を落ち着けよう。吸って、吐いて。吸って、吐いて。思考を空にしてそれだけを繰り返す。動揺と一緒に吐き気も飲み込んだ。

 「ふう」

 小さく息を吐き一先ずは落ち着くことができた。そして、改めて辺りを見渡す。先ほどまでと変わらない暗闇に異常は見られない。

 「ん? 何だ……あれ」

 懐中電灯で照らした先、底に何か光を反射するものがあった。目を凝らしてみれば、そこには携帯電話が落ちている。折りたたみ式でやや古い型、髑髏のを模ったストラップが付いている、見覚えのあるそれは真理の物だった。見間違えるはずが無い、あれは彼女の誕生日プレゼントに俺が作ったものだ。

 駆け寄って手に取る。埃のつもり具合から最近捨てられたことが分かる。電池が切れているのか電源は入っていなかった。

 携帯電話を握り締める。彼女はここに来たのだ。それだけで、幻覚に対する嘔吐感など消し飛んだ。

 少しだけ、さっきより辺りが暗くなった気がする……。雨雲が日光をさえぎっているのかも知れない。急がなければ真理の捜索が困難になるかもしれない。


 「――よし、行こう」

 幻など気にしていられない、そんなものは存在しないのと同義だ。真理は確かにここに居た。進む理由なんて、それだけで十分だった。

  

 ※※※

 

 唐突に探索は終わりを告げた。工場の奥、突然闇の中から現れた壁がこの建物の終点を意味している。真理は見つからない。見つけた生き物といえばここに住み着いたネズミくらいだ。

 とりあえずこの建物の探索は終わった。収穫は無いが次がある。この工場の左右に建てられた建物、おそらくは事務所か社員寮だろう、そのどちらかにも彼女がいる可能性はある。

 落胆している暇は無い。日はもう暮れかけていた。早くしないと屯している不良たちが来るかもしれない。そうなると話がややこしくなりそうだ。

 そう思って、来た道を引き返そうとした時、


 ピリリリリリリリ、ピリリリリリリリ、


 心臓が止まるかと思った。突然発せられた電子音は真理の携帯からのものだった。番号は表示されていない。誰からだ? 

 「……もしもし」

 「…………………」

 電波を通して聞こえるのはノイズだけ、深夜のテレビから聞こえる砂嵐のような音が流れ続けている。

 「おい、誰なんだよ? ……真理なのか?」

 耳を澄ます。呼吸も止めて向こうの音を拾うことに意識を集中する。ノイズの中に微かな声が聞こえ始めた。 

 「………か、え……こう……あっ!」

 「おい! 真理なんだな!? 今何処に居るんだ。何があった!?」

 擦れているが声は確かに真理のものだった。十数年聞き続けた声を聞き間違えるはずが無く、聞き取れた最後の声は悲鳴に近かった。それに続いてノイズが止んだ。

 

 「――――」

 何も聞こえない。そして、

 

 「――許さない」


 馴染み深いような、今までに聞いたこと無いような声を最後に電話は切れた。暗くなった画面を見つめて考える。彼女に何があったのか、何処からの連絡なのか、そもそも本当に彼女だったのか。少なすぎる情報はかえって頭を混乱させた。


 「――こうちゃん」

 

 不意に、真理に呼ばれたような気がした。声のしたほうへ身体を向ける。

 「!」

 そこにはドアがあった。先ほどまで何も無かった終点の壁に、あたかも初めから存在するかのようにそのドアは壁にはまっている。材質は金属か、所々塗装がはげて錆付いている部分が時の流れを想像させている。

 そのドアから声が聞こえた。核心めいた何かに自然と足がそのドアへと、まるで誘われるように向かっていた。

 懐中電灯でドアを照らす。近付いて見てみると傷を付けて何かが書かれていた。暗闇に浮かんだ文字を確かめる。


 『在る筈の無いもの 望んでいた形 思い思いの夢 ここはそれらが叶う場所 その入り口 然れども この楽園に出口は無い 自身の望み その閉じた箱の中 朽ちて終わるのもあなたの望み』 

 

 「………………………」


 息を呑む。ぐらりと平衡感覚を失い体が傾いだ。俺は、ここを知っている? いや、この先にあるものを知っている。思い出せないだけで、確かにこの先には覚えのある何かがある。

 

 ――――足先は床を見失う。

 

 書かれている事も知っている。濃い霧の奥にその意味は姿を隠した。


 ――――凍てついていく感覚が末端から這い上がる。


 真理がこの先に居ることも知っている。


 ――――自身の所有を離れた身体は吸い寄せられるように、いつの間にか開いていたドアへと倒れこんでいく。


 「ま………り……」


 霧散していく意識の中で、最後に彼女の名前を呟いた。


 下へ下へシタへ、深く深くフカく、石の様に動かなく成り果てた躯が無意識の谷へ落ちていく。



 ↓↓↓↓↓


 「………………」


 終わりを告げたのはどちらだったか、思い出せない気持ち悪さすら飲み込めない。

 暗闇がよく見える。動かない手足は無いに等しく、閉じない瞼の中、瞳は像を結ばない。

 停滞する深海で、誰かが意識を引き上げるのを感じた。



 ↑↑↑↑↑


 「――――ぅあ!……はぁッ!……はぁ、……はぁ」

 覚醒は窒息寸前で水中から引き上げられた様だった。全身に脂汗をかき張り付いたシャツが気持ち悪い。息は乱れ酸欠状態の脳は状況を飲み込めていない。目をこすり辺りを見渡す。

 廊下、いや、通路というべきだろうか、自分の倒れている位置を始まりとして人が二人通れる程度の通路が延びている。天井には裸電球がぶら下げられ辺りをを頼りなく照らし、それが等間隔で並んでいた。壁は古びた白煉瓦で埋め尽くされている。

 「何だここ……俺はドアの前で………倒れた?」

 うまく思う出せない。突然現れたドア、その前に立ち文字を読んだ。

 「!」

 後ろを振り返る。そこには周囲の壁同様に煉瓦で埋められている。俺はここに運ばれてきた? あのドアの奥にこの廊下が伸びていてその深奥がここなのだろうか。周囲を囲む長い直方体、その四辺は点を結んでいる。異常な事だが、それほどまでに目の前の通路は果てが見えない。

 壁に手を付き半覚醒の身体を起こす。靴と肩に掛けていたバックは無くなっていた。手にしていたはずの真理の携帯電話も見当たらない。

 唯一、バックと別にしていたナイフだけがポケットに残っていた。

 真理はここに居るのだろうか。少し考えた後、壁しかない後方を一瞥し前へと踏み出す。こんな所でとどまっていては真理は捜せない。一刻も早くここ出るために、俺は前進を始めた。 

 ………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………。


 どれほど歩いただろうか。何時間も歩いたようにも思えたが、時間の感覚はとっくに麻痺していた。前方に伸びる通路も未だに終わりが見えない。薄暗がりの中自分が本当に進んでいるのかさえも疑ってしまうが、後ろに伸びる通路がそれを否定していた。

 無限廊下、そんな言葉が頭に浮かんだ。

 馬鹿らしい考えを頭から排除する、終わりの無い物なんて無い。出発点があったなら終点もあるはずだし無いと困る。そんな事を考えた時、後ろから何かが聞こえた気がした。

 「何だ?」

 それは電子音だった。携帯電話の着信音に聞こえる。前のほうから聞こえ、段々こちらに近付いているようだった。薄暗い廊下の先に目を凝らす。

 次第に音が止み、変わりに何かを引きずるような音が聞こえだす、次第に形をはっきりしていくそれの全容を見て、俺は呼吸する事を忘れた。

 

 それの目は潰され蝋を流された。

 故に昼が分からず、眼前の闇が夜なのかすら分からない。

 いつか流した血の涙が、赤黒く線を引いている。


 それの鼻は潰され血で固められた。

 むせ返る鉄の臭いは、その他一切を寄せ付けない。

 

 それの口は悪戯に切り開かれ糸で留められた。

 荒く浅い呼吸は、入ってくる少ない酸素を貪る様だ。

 

 それの腕は皮を剥がされ火で焼かれた。

 黒ずんだその腕は醜くひしゃげ、誰かが鉄の茨をきつく巻きつけた。

 もがくたびに滴る血が床を汚す。

 

 その足は折られ何度も殴られた。

 関節の無いところから曲がった足は、変色してドス黒い。

 痙攣しながら引きずるように、それはこちらに歩いてくる。

 

 飲まされた酸は今でもそれの中身を溶かしている。

 臓腑を、肉を、骨を、血を、溶解した物が口へと逆流し、その度に口から溢れ出で、僅かな呼吸すらも邪魔をする。


 絶句する。自分が夢想した地獄がそこに居た。血反吐を撒き散らし折れた足を引きずりながらそれはこっちに近付いてくる。両眼に流された白濁が、見えないはずの俺を捕らえていた。

 足で朱の線を引きながら接近するそれに対して、何故という疑問を持つより早く、身体は後方へと後ずさり、やがて全力で駆け出した。


 ※※※

 

 何故!? 何故!? 何故!? 何故!? 何故!? 何故あんなものがいる!? あれは頭の中でしか存在できないものだ。生きていられるはずが無い。動けるはずが無い。ましてや形を持てるはずが無い。

 でもあれはいた。気味の悪いうめき声、血のこぼれる音、異常な姿。むせ返るような鉄の臭いは今でも鼻に残って吐きそうだ。

 全力で走る。できる限り遠くあの怪物から離れたい、見たくない、聞きたくない、あの夜の夢想があれを生み出した原因なら今すぐに取り消したい。

 走る! 走る! 体中が酸素を欲して苦痛による抗議をしている、心臓が躍起になって血液を身体に送り出す。両足はとうに限界を超えていつ止まってもおかしくない。肺に空気を送り込もうとしても乱れた呼吸が邪魔をする。

 それでも止まれない。止まった瞬間にはすぐ後ろにあれが迫ってくる。そんな考えが頭から離れない。

 空想から生まれたあれは、こんな空想すら実現してしまうかもしれない。そう思うと、止まる事なんてできなかった。

 「はっ! はっ! はっ! はっ!」

 限界が近い。身体から聞こえる声は悲鳴を通り越して絶叫だ。このまま前に倒れこんでしまいたい……。

 コレだけ走ったのだ。あの怪物の足では大分離したはず。大丈夫、少しくらい休む時間くらいあるはずだ。大丈夫。大丈夫。大丈夫。不安を押し込めるように自身に言い聞かせる。

 足を止めて壁に手を付いた。急な停止に体が驚き咳き込む。

 呼吸を整えてその場に座り込んだ。乳酸の溜まった四肢が痺れだし、思考がぼやけてうまく状況が理解できない。溢れ出る汗が滴り床をぬらした。

 何故あんなものがここに居る? 先ほどの疑問を再び考える。


 …………………。分かるわけがない! 考えても答えはでなかった。何かの冗談にしては現実的過ぎる。そもそもここは何処なんだ? 意識を失う前に立っていたドアの奥なのかも怪しい。

 捜索に行き詰まり引き返そうとした時、突然ドアが現れて、その前に立って……俺は…………文字を読んだ? 何と書かれていた? 確か……。

 

『在る筈の無いもの 望んでいた形 思い思いの夢 ここはそれらが叶う場所 その入り口 然れども この楽園に出口は無い 自身の望み その閉じた箱の中 朽ちて終わるのもあなたの望み』


 「望みの叶う場所、……………楽園?」

 ここの何処が楽園だって言うんだ。何もありはしない。あの怪物は誰かの望みだというのか? だとしたら、あれを生み出せるのは……………………。


 「許さない」

 

 声が、聞こえた。心臓が跳ね上がる。今まで走り抜けて来た道を振り返った。

 …………………何で、何でもう追いつかれている? 時間の感覚は無いが少なくとも十分以上は走りっぱなしだったはずだ。それを無視して怪物はすぐそこまで迫っていた。先ほどと変わらぬ愚鈍さで、ずるずると足を引きずっている。

 「ううぅぅぅううぅ…………ぅぐっ、がぼっ!」

 黒い血反吐を吐きながら、確実に距離を詰めてくるソレから目が離せなかった。気付けば、身体は恐怖に支配され動けなくなっている。周りの空気が固体化したようにその空間から動けない。

 不意に、怪物の動きが止まり、白濁とした目と視線が交わる。見えているはずの無い両眼が俺の姿を捉えたとたん、

 「ぅぅぅううううぅうぅぅうう!」

 何か苦しみに耐えているような、不快なうめき声を上げ始めた。そして、ミチミチと、何かが引き千切れるような音が聞こえ始める。

 ソレは糸を引き千切ろうとしていた。悪戯に切り裂かれた口、そこに施された縫合を痛みと引き換えに解き放とうとしている。

 次第に糸が口から外れ始めた、肉を裂く苦痛にも関わらず怪物はその行為を中断しない。

 ブチブチと、内から順に外れ始め、最後の一本が音を立てて切れた。

 「あぁ」

 最初に漏れたのは嗚咽のような声、そして、

 「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」

 悲鳴と怒声が混ざったような叫び声が通路に響き渡る。今まで溜め込まれていたものを一気に吐き出すように怪物は叫び声をあげる。口の中の血が周囲に飛散した。

 身体は未だに竦んで動けないまま、怪物を見つめ続けている。

 近付いてくる。声が、姿が、臭いが、体験した事の無いほどの禍々しさを持って迫ってくる。じわりじわりと距離を詰められる。

 縛られた腕についている細い指が別の生き物のようにのたくっている。

 呪縛から開放された口が求めているものはもう空気だけではない。

 あれは俺を喰らおうとしている、本能的に、直感的にそう思った。

 怪物が俺に向かって倒れこむ。開かれた口の奥に尖った歯が見えた。

 足先に怪物の息がかかる。そして、怪物は、俺の左足に、喰らい付いた。

 「うあああああああああああああああああ!」

 苦痛が恐怖を超えて身体に火をつける。喰われていない方の足で怪物を蹴りつけ、怪物の歯を足から引き離す。ブチッと肉の千切れる音がした。

 瞬時に立ち上がり壁伝いに逃げる。食われた左足には小指が無かった。壁に手を付き負傷した足をかばいながら走る、できるだけ怪物から離れるために。足先から流れる血が赤い線を描いている。

 一歩進む度に激痛が全身を駆け抜ける。それだけで意識は霞み、体が倒れそうになった。

 バラバラになった思考のせいで呼吸さえままならない。鼻に残る血の臭いがさらに邪魔をした。

 視界は白く濁って自分が何処に逃げているのか判断が付かなくなっている。

 苦痛と恐怖の中で、確かに怪物の叫び声が遠ざかるのを聞いた。それなのに身体は止まることなく動き続ける。

 先ほどのイメージが脳裏にこびり付いて離れない。止まれば、また怪物に追いつかれてしまうような気がした。だから足を動かし続ける。もう頭はその事しか考えることしかできなくなっていた。  

 止まるなという命令が全身を支配する。


 止まってはいけない、止まってはいけない止まってはいけない、止まってはいけない、止まってはいけない、止まってはいけない、止まってはいけない、止まってはいけない、止まってはいけない、止まってはいけない止まってはいけない、止まっては、

 「うあ!」

 突然、何か硬いものにぶつかった。反動で後ろに倒れる。目の前には壁があった。周囲と同じく煉瓦を敷き詰めた壁が立ちはだかり、ここが終点だと言っていた。

 これ以上先に進めないという絶望感に膝を床に着く。あまりにも理不尽な状況に怒りが湧き上がった。向ける先の無いソレは、怒りというよりは寧ろ憎悪に近かった。

 握り締めた拳で壁を叩く。

 「ふざけるな! 何なんだコレは! 俺が、俺が何したってんだよ! 俺をここから出せよ! 俺をここから出せええええええ!」

 拳から血が流れる。結局、出発点に戻ってきてしまった。

 

 そう思った時、ズキリ、と左足が疼く様な痛みを発した。

 振り返ると、そこには、またしても、足に喰らいつく、怪物の姿があった。

 足に残った指を引きちぎり咀嚼する。血を滴らせ、骨が口内をズタズタにするのも構わずに食事を続けている。

 何故か痛みはあまり無かった。疼くような鈍痛が足先からジワジワと恐怖と一緒に上ってくる。

 こいつは俺を喰っている。客観的にそう思えた。その次に、足先から吹き出る血のような赤い怒りが、脳を一色に染め上げた。

 ポケットにはナイフが入っている。それを取り出し怪物に突き刺した。

 

 「離せ」


 怪物は意に介さず足を貪り続ける。


 「離せ! 離せ! 離せ! 離せ! 離せ! 離せ! 離せ! 離せ! 離せ! 離せよおおおおおおお!」 

 何度も何度も刺突しても怪物は止まらない。酸化した黒い血が流れている。

 何度も、何度も、何度も刺した。なのに何でこいつは止まらない。何でこいつは死なないんだ。そもそもこいつは何なんだよ。夢なら、夢なら覚めてくれ。いつの間にか目からは涙が流れていた。

 もう、足首から下は何も無くなっていた。大量の血液が床を赤で染め上げていた。その光景が意識を遠のかせる。


 何でおれはこんな目に遭っている? そもそも、俺は何で、ここに来たんだったっけ?


 廊下の奥。電球の切れた薄暗がりに、真理が立っている。その幻覚の唇が動いて、それを見た途端、意識は過去に飛ばされた。


  ▲▼▲▼

 

 「お前俺と高校一緒だろ」

 真理とは同じ高校に行くと決めていた。物心付いた時から一緒にいた幼馴染とは、小中高、と同じ学校に行こうと約束を交わしていたのだ。幼い頃の、もはや原形を留めていない曖昧な約束を、今もこうしてお互い守り続けている。

 その事がお互いの絆を確かにしているのだと思っていた。

 「そのことなんだけどさ、こうちゃん……私ね、違う学校に行く事にしたの」

 「え?」

 突然、真理が苦笑いをしながら何かを言った。よく分からなかった。

 「ごめんね。今まで黙ってて、でも私やりたい事ができたの……」

 彼女は話を続ける。聞こえてはいるが何を話しているのか分からない。

 「私、看護士になりたいの。こうちゃんと行く予定だった学校は全然そういう職業についてサポートが無かったでしょ? でもその学校は高校生のうちから医療とか看護について勉強できるんだって」

 「……………」

 相槌も打たずに、唯々彼女を見つめ続ける。

 「お母さん達に話したら、私の好きなようにしなさいって言ってくれた。もう入学の手続きも済ませちゃったんだ。……ごめんね、言うのが遅くなっちゃって。勉強の邪魔になると思ってさ」

 すまなそうに頭を垂れれいる、彼女の話はようやく終わったようだった。

 「……真理」

 「何?」

 「入学したらどんな部活に入ろうか?」

 「え?」

 「お前、運動苦手だからやっぱり文科系の部活? 中学と同じで吹奏楽部はどうだ? 俺も高校から何か楽器始めてみようかなぁ。あの学校は家から近いし目一杯朝寝坊できるぞ。高校からは自転車通学だから大分楽になるよ。校舎が広いからお前なんか迷うんじゃないか? 学食があるらしいから今から何を食べるか楽しみだよな。授業は難しいかな? 友達はできるかな? 教師とは仲良くできるかな? まぁ、真理が一緒に居ればたいした問題じゃない。楽しみだなぁ。楽しみだ。楽しみだ。楽しみだ。楽しみだ。楽しみだ。楽しみだ。楽しみだ。楽しみだ。」

 笑いが止まらない。待っている高校生活が楽しみで仕方が無かった。

 「あの、こうちゃん。………私、こうちゃんとは違う学校に」

 「うるさい」

 聞きたくない、理解したくない、彼女が何を言っているのか知りたくない。

 「だから、私は」

 「うるさい!」

 黙らせる。彼女こっちを見つめていた。何か、不気味なものでも見るような引きつった表情は、明らかにこちらを見ていた。

 「お前は俺と同じ高校に行くんだ! それ以外は有り得ない! 嘘だって言えよ。……許さないぞ。約束を破るなんて、許さないからな。この裏切り者!」

 真理はこっちを見つめ続けている。目が大きく見開かれたその表情には、明らかに恐怖が混じっていた。

 「そんな目で俺を見るな!」

 胸倉を掴み締め上げる。華奢な身体は簡単に引き寄せられ、逃れる力など持ち合わせていなかった。

 「冗談なんだろ。嘘だって言え。言えよ」

 ギリギリと締め上げる手に力が入る。

 「言え!」

 苦しそうにうめき声を上げる真理の顔が見る見る赤らんでいく。じたばたと自身を捕らえる手を剥がそうともがいていた。

 目の前が真っ赤になる。怒りが全身を支配して目の前の女を離さない。自分を裏切ったこの女を許せなかった。

 そう、殺してやりたいくらいに。

 一層手に力を込めようとした時、真理が俺の腹を蹴り飛ばした。お互いが机を倒しながら床に倒れる。

 鬱血した顔で咳き込みながら、涙を流し彼女は言った。

 「……ヒドイよ、応援してくれると思ってたのに、こんなの……」

 そのまま、彼女は教室から駆け出して行った。殺されかけた恐怖のせいか二度とこちらを振り返る事は無かった。教室に残され、放心する身体に残った感情は、自身をも焦がすような怒りと憎悪。

 裏切られた。約束したのに、ずっと一緒に居ると、離れないと約束したのに……。

 その日から後はあまり覚えていない。たぶん、家に帰ったのだと思う。日が昇り、沈み、また昇る。その間中、真理の事を呪った。どれ位の間そうしていたのか分からない。

 鍵を掛けたドアの向こう側で誰かが呼んでいた気がする。

 日の光の入らない暗い部屋の中、ひたすらに彼女の事を呪った。

 思い返してみれば、いつも思い出の中には真理がいた。仲良くなった理由は覚えていない。家が隣同士だったという理由だけで、幼い二人には事足りたのかもしれない。気付いた時には共に遊び、過ごし、育っていった。

 彼女と自分を分けて考えなくなったのはいつからだったろうか。

 いつも一緒に居るのは当たり前。年を重ねるごとにお互い遠慮はするようになったが、根の部分は変わらなかった。変わらないと思っいてた。

 そう、全ては勘違い。都合のいい自己解釈。共に育った半身だと思っていたものは、とっくにこの身から離れていたのだ……。


 ………………………………嫌だ。


 離れるなんて嫌だ。毎日声が聞けないなんて嫌だ。一緒に過ごせないなんて嫌だ。姿が見れないなんて嫌だ。嫌だ! 嫌だ! 嫌だ! 嫌だ!

 裏切り者め! 畜生!

 暗い暗い部屋の中、否定と怨言を繰り返す。

 いつしか視覚が消えた。次いで触覚、嗅覚、聴覚、最後に味覚。感覚は失せ、思考だけが残された。

 真理のいない生活なんて意味が無い。真理と共に歩めない時間なんて進むに値しない。世界もその何もかもがくだらない。

 思考は次第に蓄積し、その姿を徐々に濃くしていく。意識の闇よりもさらに黒い靄のような物が立ち込め始める。

 其れはゆっくりと、質感を有し、臭気を漂わせ、微音を発し、苦味すらも感じさせるように成長した。存在を確かにした其れは俺の身体を包み、自身の存在で俺を侵した。


 共に歩めないのなら、時間など留まってしまえ。それができないのならせめて、彼女に復讐を! 償いを! 永遠を! 

 …………ああ、そうか。だったら……。

 ――――脳裏には、今となっては遠い夜に浮かんだ地獄のイメージ。

 侵された思考が進む事を嫌悪した。黒い靄が無くした俺の手を掴んだ。不気味な手触りの向こうに、強く真理の事を浮かべる。

 ガタン、と何かが外れ、カタリ、と何かがはまる音を聞いた。


 次の瞬間、何かを掴んだような、捉えたような気がした。


 ………………………。


 五感が自身に返される。うずくまった姿勢のまま自分が何処にいるのか見回す。

 何て事の無い自分の部屋。何故か薄暗い部屋に、カーテンを開け光を入れた。妙に頭はスッキリしていた。何をしていたのか思い出せない。

 体が痛い。あちこちに不具合があるみたいだ。一階に降りて洗面所で顔を洗う。ひどい顔をしていた。まるで何日も寝てないような……。

 空腹を覚え朝食を摂りに台所へ向かう。なにやら驚いた様子の母親が体の調子などを聞いてきたが聞き流し、大量に出された朝食をそこそこに食べた。

 体の不調もいくらか回復した。 

 今日はまだ高校進学までのちょっとした春休み。何をしようか考えていると、電話が鳴っているような気がした。



 ▼▲▼▲



 繋がった。全てが。電話を掛けてきた相手の名前を覚えていないのも、工場に警察の捜査の跡が無い事も、導かれるようにここに来た事も全部。

 壁に寄り掛かったまま目線を落とす。

 半身はもうそろそろ無くなろうとしている。左足は綺麗に平らげられ、右足も残すところあと僅か。

 痛みは無く。寧ろ気分がよかった。彼女の中に流れ込んでいく快感。

 結局のところ、全ては自作自演だったのだ。騙したのは自分自身。

 よく見てみれば目の前の怪物だって、間違いなく真理じゃないか。制服も、耳の形も、髪の毛も全て彼女のものだ。

 こんな姿にした罪悪感からか、初めは認めようとしなかった。それも今となってはどうでもいい。

 そっと愛おしむように、身体を貪り続ける頭を両腕で包み込む。

 ごめんな、こんな風にしてしまって。でも、お前が悪いんだ。俺を置いて行くから、約束を、破ったからこんな事になった。

 もう進みたくない。共に行けないなら、いっそのこと留まってしまおう。許される限り永遠に。

 この造られた世界で、一緒に、溶け合おう。


 誰にも邪魔されず。


 そう言って、目を閉じた。いずれ繋がる彼女との、再開の前の休息として。

 


 




 

 

恥ずかしいです。とある映画を見て不条理なホラーを書きたくなったのですが、自分の文章力の無さのせいで薄っぺらい内容に……。ストーリー展開も速すぎたと思います。

でも、これが今の自分の書ける最良のものだと思うので、これからもっと精進していきたいです。

 たぶんですけど今自分が考えてる物語にひょっとしたら繋がるかもしれないです。

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― 新着の感想 ―
[一言] 前回のモノより複雑で、言葉も選んだって印象だった。 俺は、文字でリアルで鮮明な映像が作れるからホラーは苦手。 そんな好みは置いといて、ストーリーには引き込まれた。 でも、主人公の扉の向こうで…
[一言] 内容が凄い…。読後にそう感じました。 怖いけど何より難しい話だなと思いました(とりあえずまだまだ子供の自分には分からないほど)。 ただよく分からない中に恐怖や複雑さ、強い憎悪を感じます。 結…
[一言] 評価できるほど文学に親しんでいないので評価はしません。 精肉工場の幻が何だったのか分かりませんでしたが、面白い演出だったと思います。 全体的には、気持ち悪さや恐怖感、危機感といったものの表現…
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