好きな人には好きな人がいる。
私が体験したお話です。
もしも 奇跡が起きたとしたら。…
奇跡が起きてくれたなら。…
でも “奇跡”が起きるはずなんて…ない。
ひらり、と薄いピンク色をした綺麗な花びらが1枚…また1枚…と落ちる。
私と君が出会ったのは小学校1年生の時でした。
小学校に入学して、クラスが決まって、私と君は同じクラスになった。
君は背が低くて、イケメンで、運動系のクラブに入っていて、全然しゃべらない。第一印象は、静かな子。他のサッカークラブに入っている子は、ヤンチャだったり、リーダーシップがある子が多い。
でも君は私が話しかけても、無愛想でなかなか心を開いてくれない。
それでも必死に話しかけて話そうとしても、無視されてしまう。
それで私は「君に嫌われているんだ。」「ただのクラスメイト」としか思っていなかった。
そしていつの間にか小学校6年生になり、君と私は同じクラスになった。
小学校1年生の時以来、同じクラスになった事は無いし、やっぱり最初の方は心を開き合うこともなく、全然気にしていなかった。
ある日私の友達と君が隣の席になった。いつも私と友達は一緒にいて、休み時間になると、仲のいいメンバーで集まって、好きな人の話。憧れの有名人の話...いわゆる女子トークをしていた。
そして君の隣の席の友達の机の周りで女子トークをしていて私がちょっと後ろに下がると君とぶつかった。
それをきっかけに君は私にちょっかいを出してくるようになった。
私に足を引っ掛けようとしたり、服のフードをツンツンしたり。
私は「あれ。こんな子だっけ。昔はもっと、しずかで真面目な子じゃなかったかな。」と思っていた。
それからはずっとこんな楽しい毎日が過ぎて、君と目を合わせて笑い合うたびに、胸が「ドキッ」としたりしていた。
この頃から、私の心の中では何かが芽生え始めていた。
君が他の女子と話していたりすると目が合うたびに鳴る、「ドキッ」とは違う「ズキン」と鳴る。
どうしてだろう。と疑問に思っていたけど、特に気にしていなかった。
みんなから言われるのは「それって恋なんじゃない?」と。
でも私にしたらあんな無愛想なやつ...ってずっと思ってた。
とうとう念願の夏休みがやって来た。
もう6年生。宿題に追われる日々だった。その中でぼーっとする度に浮かぶ、君の顔。君の声。ずっと頭に君が浮かぶ。
ある日、1人の同じクラスで仲のいい男子から、告白された。
嬉しかった。私をこんなに想ってくれている子がいる。
でも好きな人という言葉を聞く度に、君を思い出す。
私はやっと気づいた。そう。私は君の事が好きになっていました。
別に恋をするのは悪い事ではないし、恋をするのは普通。
でも、私はこの時点で気づいていた。きっと“失恋”なんだって。
みんなと仲良くてイケメンでフレンドリーで優しい君だから、女子からはよくモテる。
君には他に好きな人がいる。もしかしたらもう、付き合っているかもしれない。
そう思って気持ちを抑えようとしても目が合う度に、君への気持ちがどんどんふくらんでしまう。
告白してくれた子と付き合った方がいいのかと迷ったけどその子の事は友達以上には思えなくて、「あなたの気持ちにはこたえられない。」と言って断った。
その子はそれでもまだ「諦めないよ。ずっと待ってる」と言っていた。
でも私は、もう、失恋でもいい。今だけはまだ君を想っていよう。忘れられる日が来るまでは。
君を好きでいさせてください、と。
君を好きになっと気づいてから何日か。
君と私の関係が変わることなく、仲のいい友達のままだった。
でも私は君への想いは止まらなくなってきていた。
そしてとうとう、小学校を卒業する日が来てしまった。
中学校に入学してからも私達は同じ中学だから、顔を合わす機会は沢山ある。でもクラスは離れてしまい、なぜか私と君の間にはみぞができてしまい、あんなに仲良かった日々はなかったようにすれ違い際、目も合わせず通りすぎるという毎日だった。
とうとう君への気持ちを忘れてしまうのかな。忘れたという事も忘れてしまうのかな。そんなふうに思っていた。
そして最近よく聞く噂。それは「君とあの子は両想いなんじゃない?確かにお似合い!」という噂。
私は家に帰り、自分の部屋に入ったら、なぜか 涙が出てしまう。なんでだろう。あの噂を聞いた日は毎回思う。「やっぱり君はあの子が好きだったのかな。」そう思うだけでまた涙が溢れてしまう。
私はただ君が好きで いつだって想ってる。この胸が切なくなるくらいずっと。この気持ちを伝えたくても伝えられない。
今さら伝えたって、叶わない。
ただ後悔するだけ。そう思った。
読んでくださって本当にありがとうございます!
この後も、君と私の関係はまだまだ続きます!