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勇者(ピエロ)は神の掌で踊る  作者: 愚道の探求者
勇者は試練に放り込まれる
4/11

第四話 大きな胸には夢と希望と浪漫がつまっている

前回までのあらすじ↓


眼が覚めたら知らない天井

むしろ真っ暗。試行錯誤でチート発覚

探索開始したら不思議ちゃんがなかまになりたそうにこちらをみていた





そんなこんながあって今俺は最初の部屋にいる。何故かというと、調べたいことがあるのだが周りが全く見えず何が起こるかわからないここで調べるのは怖すぎるからだ。さっきみたいなのは一度だけでお腹一杯である。


え?犯人?俺の隣で寝てるよ。なんてことはなく、地面に腰を下ろした俺のとなりにぺたんと女の子座りをして相変わらずの無表情で俺を凝視してます。おしり汚れるぞ。あと今さっき気づいたけどこの子靴はいてない。


で、調べたいことというのは俺のステータスと装備とスキルについてである。


調子に乗って「俺が守ってやる(キリッ)」なんて言ってしまったので、先程は放棄してしまった危機の察知方法と自衛手段の検索および習得をどうしてもしておきたいのだ。もし自分1人でも、これが夢とかじゃなくてガチで異世界なら、必要なのは明らかだし。


探しても無駄かもしれないが、俺はやらずに後悔するよりやって後悔するタイプである。あれこれだと使い方違うか?まあいい。


まずはスキルからだ。俺が装備しているコートとブーツと、そして2つの指輪にはそれぞれスキルまたは魔法が一つずつあるのだが、俺のスキルの欄にはそれが存在しない。これはなぜなのか、そこから調べてみる。


装備欄を見る限りではちゃんと装備されている。では何故スキルが使えないのだろうか?多分だが装備する他にも使用可能条件があるのかもしれないと俺は考えた。


この線は当たらずも遠からずだろう。問題は、その条件をどうやって判明させ、クリアするかである。


あれこれ考えてみたが当然わかるはずもなく、すぐに俺の試みは座礁する。


だめだ、全然わからん。それに腹も減ってきて集中力が激減している。飯は仕方ないとしても水くらいは飲みたい…


そこで、先程覚えた魔術の存在を思い出した。確か『流泉』というのがあったはずだ。名前の感じからすると水に関係するものだろう。試しに唱えてみる。


流泉(スプリング・ゲイザー)


すると、目の前の空間に青い光の円が出現した。…え?これだけ?


そこで先程と同じように追加の呪文が頭の中に浮かんでくる。


流出(ラーニング)


青い光の円から水がじょぼじょぼと出てきた。うん、まんま水道だな。


両手を使って水を飲む。うまい。少女に飲むか聞いてみたが、ぱちぱちと瞬きするだけだった。切ない。


停閉(ターン・オフ)


青い光の円、いわゆる蛇口を消す。ついでに他に使えそうなものがないか見てみる。種火と解病はなんとなくわかるが、季風ってなんだ?


じっと見て考えていると、


――――――――――――――

季風(コントロール・エア)

説明:暖風と冷風を操ることができる。

――――――――――――――


詳細が出てきた。なるほど、まんまエアコンだな。







って、詳細見れるのかよ!これだ!


どうやらこの「これはなんだろう?」と考えながら見つめると出てくる便利な謎の詳細表示はスキルにも通用するみたいだ。でもこの能力はいったいなんなんだろう?習得済スキル欄にはなかったのだが…


しかしこれでいろんなことの詳細がわかりそうだ。ついでに他のスキルも見てみる。


洗掃は指定したところをきれいにする。床に使えば掃除機と雑巾がけ、皿に使えば食器洗浄機、体に使えばシャワーになるといった感じだ。万納は入れたものの時間を止めて永久保存できる。冷蔵庫と物置小屋みたいな感じか。熱いものも冷めないのはいいな。しかし大きすぎるものは入らないようだ。解病は風邪とか食あたりとか二日酔いとかその他諸々医者に見せなくても自力で治せるような症状を治す、市販の薬の効能をひとつにまとめたような性能だ。種火はどうみてもチャ〇カマンです。本当にありがとうございました。


そして本命の装備品のスキルを見てみる。まずはコートから。


―――――――――――――――――

装備固有スキル:闇舞絶影


説明:闇夜邪影竜の隠密性を模したスキル。Lvごとに同時発動も可能。


Lv1:気配を完全に遮断する。低レベルの相手ほど気づかれないが、目視で解除される。また探知魔術などでも解除される。


Lv2:気配探知、熱探知、音波探知などのあらゆる探知魔術にかからなくなる。Lv1と2は直接術者と身体的接触をしているものにも適用される。効果は接触面積と比例する。


Lv3:姿を見えなくする。昼だと戦闘などの激しい動きをすると効果がやや薄れるが、夜だと魔眼などを使わないと看破は不可能。


※使用可能条件が満たされていません。

使用可能条件:スキル『暗視』『隠身潜影』『探知魔術』の習得

―――――――――――――――――


強っ。え、強っ。流石チート。これ使えたら罠にさえ気を付けてればいいってことじゃね?しかしやはり予想通り習得可能条件があったか。スキルがあと三つ必要なのか…しかも全部習得可能スキルの欄に無かったものばかりだ…今は使えないだろう。


今度はブーツを見てみる。


―――――――――――――――

装備固有スキル:冥洛絶夜


説明:闇夜邪影竜の機動性を模したスキル。


Lv1:尾行や追跡がばれない。目視や探知魔術で解除される。


Lv2:短時間だが水の上や壁や天井、その他諸々地面以外をを走ったりできる。


Lv3:相手の死角に瞬時に移動できる。夜だとさらに、魔力を消費して生物以外の自分より大きいものの影に移動できる。


※使用可能条件が満たされていません。

使用可能条件:スキル『追尾術』『瞬動』『悪路踏破』『軽業師』『隠術・虚』の習得

―――――――――――――――


これも強い。しかし見たことないスキルが五つも必要なのか…これも今は使えないな。


仕方ない、指輪を見てみよう。と思ったが、なんとどちらも『封印が施されています。封印を解放してください』と表示されるだけであった。封印とは一体…ぐぬぬ…


全ステータスが上昇する『原初』の指輪を外すのは怖いので、『終焉』の方を外して調べてみる。結構でかくて黒い不気味な宝石がついてること以外は普通の指輪である。封印はどこにされているのだろうか?


詳細表示がされるのを期待したのだが、そこで意外なことが起こった。


「………」


今までじっと見つめる作業をしていた少女が、こちらに身を乗り出してきたのだ。


両手と両膝をついた、猫のポーズである。すると当然服やその美しくそびえ立つ霊峰山脈が偉大なる重力様のお力を受けるわけで、そこにはマリアナ海溝が出現する。つまりは谷間が丸見えです。


それにしても女体とは不思議だ。よくよく考えてみればおっぱいの谷間とは、ただの脂肪の塊の間にできた溝である。しかしそこには、見るものを引き付けて離さない何かがある。ダイソンだとかそんなチャチなもんじゃ断じてない、もっと素晴らしいものの片鱗がそこにはある。


俺が神秘の谷間に目と心を奪われていると、少女は不思議そうな顔で首をかしげた。かわいい。


「どうした?」


とはいえいつまでもガン見しているわけにはいかないので名残惜しさを振りきりつつ聞いてみる。しかしやはり瞬きするだけで言葉は返ってこない。心折れそう。


と思いきや、少女は俺の手にある指輪に手を伸ばした。細くて綺麗な指が触れる。お前にはぶかぶかだと思うぞと言おうとしたら、


「おわっ!?」


指輪が光を放った。いや、光というには少々違うかもしれないが、とにかく黒い光のようなものを発し、





『封印が一段階解放されました。スキル:原初魔法・無限Lv1を習得しました。』





というメッセージが表示された。


お?え、おお?ちょ、なにこれ?封印が解放されました?え、もしかしてこの無口無表情娘が触ったから?


当の本人はちょっとびっくりしたのか、いつもよりちょっと多めに瞬きしている。かわいい。


「おい、今何したんだ?」


少女に聞いてみる。


すると少女はぱちぱちと瞬きして、


「さわった」


簡潔な答えが返ってきた。うん、知ってる。…つまりわからないってことだな。シカトされなかっただけよしとしよう。


俺は未だに表示され続けているウィンドウに目を戻し、スキルの欄を見てみる。しっかりと習得済になっていた。やったね!使えるスキルだといいなーと期待しながら詳細を見てみる。





そこに書いてあった文章を一言でまとめると、どうやら食らった相手のスキルを覚えられるらしい。





…マジすか。





間違いなく強いは強いのだが、結局このままの状態で探索しなきゃならないのかよ!


どうやらスキルには期待できないようだ。仕方ない。


俺は立ち上がり、調べたいことの最後の一つを試してみることにする。ずばり、ステータスだ。


全項目は調べられなくても、最悪でもAGLだけはどんなもんか把握しておきたい。すばやさが高ければ高いほど逃亡の可能性は桁違いだ。今の俺のすばやさが実際にどれくらいなのか。それが魔物に出くわしたときに生死を分けるポイントになるだろう。


部屋の出口に移動する。振り返ると少女がぺたぺたとついてきていた。ちょっと和む。


すぐに戻ってくるので待ってるように言い、部屋を出て真っ直ぐ進み、部屋の入り口がぎりぎり見える辺りで立ち止まる。大体50メートル前後だろう。


…この辺でいいか。




俺は姿勢を低くし、全速力で駆け出した。




一歩目を踏み出し、その足で地面を蹴った瞬間、風が全身にぶち当たる。


蹴った地面がえぐれた感触が伝わってくるのを感じながら、一気に5メートルほど跳ぶ。


続けざまに二歩目。先程よりも強く地面を蹴ると一歩目より速く、遠くに跳んだ。


三歩目、さらに強く跳ぶ。三歩目ですでに部屋の入り口までの距離は半分を切っている。


四歩目、五歩目と同じ強さで踏み切り、接地と同時に靴底でブレーキをかけて部屋の中に滑り込む。




結果、50メートルほどの距離なら五歩、時間にして約2秒くらいで踏破できることが判明した。



人類最高記録の三分の一か…笑ってまうな。いや笑えないか。なんとなくだが筋力も関係している気がする。今のはどっちかというと走るというよりは跳ぶって感じだったし。



『スキル:瞬歩が習得可能です。習得しますか?』


おっと、新しいスキルがでた。しかもスキルポイントを消費しないみたいだ。スキルポイントを消費したりしなかったりするのは何故だろう?…まあただで覚えられるならそれに越したことはないが。


『スキル:瞬歩を習得しました』


少女の方を見ると、またまたちょっとびっくりしたように目をぱちぱちさせていた。いかん、やりすぎたか?やはり俺のステータスは異常なのだろうか。でももっと速度が出るような気がするんだよな。


どうやら何も言うことは無さそうなので、次の実験に移る。


VIT、INT、RES、DEX、LUKは調べる手段を思い付かないので、STRである。


「なあ、ちょっといいか」


俺は少女に声をかけ、今から実験をするから手伝って欲しいことを話し、協力を仰ぐ。シカトされるかと思ったが少女はこくりと頷いた。こちらもシカトされたりされなかったりの基準がわからない。


同意は得られたので、実行に移る。最後の実験は一番重要な、少女を抱えた状態での機動力測定である。


最初は背中に背負うことを考えたのだが、彼女にかかる負担と重心が背中に偏りバランスがとりにくくなることを考慮し、お姫様抱っこすることにした。実際に試してみればわかる。おんぶとお姫様抱っこでは負担と走りやすさがかなり違う。


俺は右腕を少女の両足の膝の裏、左腕を背中に回し、持ち上げた。軽い。人間一人分の重さとは思えない。少女が軽いのか、俺の筋力が異常なのか。多分どっちもだろう。


そのまま先程と同じあたりの位置まで行く。今までの俺だったら人一人抱えて歩くなんて到底無理だったのだが、今は難なく行える。このまま一キロ歩けと言われても全然余裕なくらいだ。腕の太さとかは全然変わってないのに、どうしてこんなに軽く感じるのだろうか。なんかちょっと怖い。



ふと気になったので少女の方を見ると、目が合った。どうやらさっきからずっと変わらず俺を凝視していたようだ。先程までは距離があったが、今はかなりの至近距離である。真正面からではないとはいえ、超絶美少女に至近距離からひたすら見つめられるのはかなりキツい。もしかして俺の顔には何かついてるのか?




先程の位置についた。しかしここで、大事なことがひとつある。一応両腕で彼女をしっかり支えているつもりではあるが、何かしらの不慮の事態が起こり、もしかしたらどちらかの腕、あるいは両腕を離してしまうかもしれない。その時、今の体勢のままだと少女は投げ出されてしまうことになる。そうなると大変危険だ。だが、回避する手段がひとつある。


それはずばり、少女が俺につかまってもらう、という方法だ。


しかし今のお姫様抱っこの体勢ではつかまれる場所は少なく、必然的に少女には俺の首へ両腕を回してもらうしかない。


ちなみにこれは仕方の無いことであって決して下心はない。歩くたびにふるふると揺れる山脈を見てどれくらい柔らかいのか確かめたいなんて思ってないし、すごくいい匂いのする髪や首筋に顔を埋めてくんかくんかしたいなんて考えてないし、少女の黒いワンピースを押し上げる山脈の頂上部分に小さな突起があるからといって食い入るようにガン見したりもしてない。この世界にブラはあるのだろうか。


俺は少女に今のままの危険性と両腕を回した場合の安全性を説き、遠回しに抱きつくことを推奨する。今度こそシカトされるかと思いきや、少女は表情を変えることなく首へ両腕を回してきた。



ぬおっ。い、いかん、いかんぞ、これは思ったよりもやばい。


先程よりも顔が近づきもはやお互いの吐息がかかるような距離で、真っ直ぐ見つめてくる少女。少し首を傾ければ唇に触れられるような近さである。本当に何故、そんなに見つめてくるんだ。心拍数上がるだろうが。ちょっとは目を逸らせよ。


腕が首に回ることでより密着した胸もやばい。隔てるものが何もなくなったことで、見た感じ推定でもFはある巨大な膨らみが押し付けられている。や、柔らかい。柔らかすぎる。そしてでかすぎる。なんだこれはっ。なんて暴虐的な大きさと柔らかさだ。もはや凶器、いや最終兵器である。これはだめだ、反則だ。役得を期待したのが馬鹿だった、これは童貞の手に負えるものではない。いや、人の手に負えるものではない。神秘とは軽々しく触れてはならないものなのだ。しかしそれにしても大きくて柔らかい。もう夢か現実かなんてどうでもいい、この感触こそが全てだ。


女の子の体はどうしてこんなにどこもかしこも柔らかくてすべすべでいい匂いがするんだろうか。ああやばい、くそ、柔らかすぎる。幸せすぎる。くどいようだがそれしか考えられない。実際味わってみればわかる。この感触は人を狂わせる。至宝でありながら麻薬。そしてわずかに感じる突起の存在。霊峰の頂。神々しい。大きさ、美しさ、そして弾力のある柔らかさ。とどめにぽっち。理性が崩壊寸前である。


「実験は」


不思議そうな顔で少女が聞いてくる。


「ちょっと待ってくれ」


「どうして」


答えは簡単、眠りから目覚めた俺の分身を必死に静めようとしているからだ。今の状態では走れない。思わぬ大問題だ。




おっぱいのくだりがうまく書けない…拙くてすみません。次回こそは探索再開

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