更に3年後
あれから、3年の月日が経った。
「ラディウス前国王陛下は、秀でた優秀さはなかったが、
別に悪政を行った訳でも、暴君でもなかったし、
クーデター起こされるような、お人ではなかった」
「まだ、お若かったのに、側妃の愚行に巻きこまれて、
こんな形で責任を取らされるとは…気の毒になぁ…」
ラディウス前国王陛下の墓前で、領民の会話が聞こえてきた。
彼らは罪人として処刑されたため、
王族の墓地ではなく、一般の墓地に埋葬されている。
今日は、元国王陛下が処刑されてから3回忌。
彼を気の毒に思っている領民が大勢いるのだろう。
墓前の献花は、花畑のようになっていた。
私も毎年、献花をしに訪れている。
……これくらいしか出来ないから。
罪状は、些細な事だった。
それも、国王陛下ではなく側妃のやらかしだった。
詳細は伏せられているが、隣国の王族の怒りをかったらしい。
あわや開戦間近で、それを回避するためのクーデターだった。
元凶の王族ごと引き摺り落として、隣国へ不祥事の責任を取ったのだった。
国王という地位にいたばかりに、
全ての責任を負わされて、なんて理不尽な…
献花をして、祈りを捧げる。
私の気持ちも大分落ち着いてきた。
まだ、払拭できない微かな痛みと怒りはあるが…
帰ろうかと立ち上がると、誰かが順番待ちしていたのか、
後ろに気配を感じた。
急いで横に避けようとすると、グッと腕を掴まれる。
「来てくれたのか」
「……え?」
腕を掴んでいる男を見上げると、
どこかで見たことのある顔。
「どちら様ですか?腕、離してください」
「あ~、そっか。髪の色変えてるから分かんねーか…」
「は?その声…えっ?」
「そう。俺、俺」
「……成仏、してください」
「ちげえよ。殺すなっ」
「………えっ、生きてるんですか?」
「まあ、驚くよな。話すと長くなるんだが、少しいいか?」
「は、はあ…」
処刑されたはずの、
ラディウス国王陛下が、目の前に現れたのだ。
しかも何の冗談か、自分の墓前に。




