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風読みの魔女は静かに過ごしたい  作者: おおりく
1-5章 波乱の学園祭

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16/24

10 魔法カフェと「紅蓮」の来客

6月。

王立マグノリア魔法学園のキャンパスは、初夏の陽気と、それ以上の熱気に包まれていた。

学園最大のイベント、「マグノリア祭」が迫っていたからだ。


これは単なる生徒たちの祭りではない。

王都の一般市民はもちろん、貴族や、他国の要人、さらには著名な魔術師たちも視察に訪れる、国を挙げての一大行事である。

当然、生徒たちは己の威信と、将来の就職やスカウトを懸けて、出し物の準備に全力を注ぐことになる。


1年A組の教室もまた、喧々諤々の議論の場となっていた。


「我がA組たるもの、高貴な舞踏会こそ相応しい!」

リゼット・オルレアンが扇子を広げて主張する。

「いやいや、そこは模擬戦トーナメントだろ! 俺たちの強さを見せつけるんだ!」

カイン・ベルフォードが机を叩いて反論する。


教室の隅、自分の席で小さくなっていたアリア・ローゼンは、心の中でひたすら祈っていた。

(目立たないやつ。目立たないやつ。どうか、私が表に出なくて済むやつでお願いします……)


そんなアリアの願いが通じたのか、あるいは天の助けか。

隣の席のメアリ・スミスがおずおずと手を挙げた。

「あの……カフェなんて、どうかな? 疲れたお客さんに、お茶とお菓子を出して休んでもらうの。……平和で、いいと思うんだけど」


教室が一瞬静まり返り、次に爆発的な賛同の声が上がった。

「それだ!」

「A組のエリートが給仕をする『執事・メイド喫茶』か!」

「リアム様の執事姿……! 絶対に需要があるわ!」

「リゼットのツンデレメイドも悪くないな」


こうして、1年A組の出し物は「魔法カフェ・マグノリア」に決定した。


役割分担の話し合いが始まる。

アリアは、これまでにない速さで挙手をした。

「は、はい! 私、裏方を希望します! 調理とか、洗い物とか、買い出しとか!」

必死だった。

接客など、絶対に無理だ。何百、何千という客の目に晒されるなど、考えただけで卒倒しそうになる。

幸い、クラスメイトたちはアリアを「魔力Gの地味な子」と認識しているため(一部の生徒は「リアム様に監視されている謎の生徒」と恐れているが)、表舞台に出すことには消極的だった。


「じゃあ、ローゼンはキッチン担当な。皿洗い頼むぜ」

「はい! 喜んで!」

アリアは、心の底から安堵した。

キッチンなら隠れていられる。野菜を切ったり、お皿を洗ったりするのは得意だ。

(よかった……。これで学園祭を平和に乗り切れる)


しかし、アリアの「平和」の定義は、常に周囲の「常識」とズレていた。


放課後の準備期間。

A組の教室は、急ごしらえのカフェへと改装されつつあった。

机を並べ替え、飾り付けをし、衣装の採寸を行う。

そんな中、クラスメイトの一人、魔道具師の娘であるソフィア・ヴァーミリオンが、大きな箱を抱えてやってきた。


「みんな注目! 私の自信作を持ってきたわ!」

ソフィアが箱を開けると、そこには銀色に輝く、車輪のついたワゴンと、数枚の金属製の円盤が入っていた。

「名付けて『自動配膳システム・マークIV』! 風の魔石を動力にして、注文された料理をお客さんのテーブルまで自動で運ぶの!」


「おおー! すげえ!」

「さすがソフィア!」

クラスメイトたちが盛り上がる。

アリアも、キッチンの隅から興味深そうに覗き込んだ。

(へえ……。風の魔石で浮力を生んで、指向性を持たせて移動させるのかな。便利そう)


「じゃあ、テスト起動するわね! リアム様、ちょっと見てていただけますか?」

ソフィアが得意げにスイッチを入れる。

配膳用の円盤が、ふわりと浮き上がった。

「すごい! 浮いた!」


だが、次の瞬間。

ブウン! という異音と共に、円盤が激しく振動し始めた。

「あれ? ちょっと出力が不安定かも……」

ソフィアが慌てて調整しようとしたが、遅かった。

円盤に組み込まれた風の魔石が、過剰な魔力を噴出したのだ。


バシュッ!!

「きゃあっ!?」

制御を失った円盤は、配膳どころか、凶器となって教室中を飛び回り始めた。

それだけではない。

ワゴンの上に積まれていた、リゼットが家から持ってきたという最高級のティーカップとソーサーの山が、暴風に煽られて宙に舞った。


「嘘!? 私の家の家宝が!」

リゼットが悲鳴を上げる。

「危ねえ! 伏せろ!」

カインが叫ぶ。


ガシャン! ガチャン!

教室は大パニックになった。

高速で飛び回る円盤。宙を舞う数十枚の陶磁器。

このままでは、カップが全滅するどころか、誰かが怪我をする。


(——あ)

キッチンの陰にいたアリアの目が、スローモーションのようにその光景を捉えた。

リアムが前に出て、結界を張ろうとしているのが見える。

だが、彼の結界は「防御」だ。生徒たちは守れても、宙を舞うティーカップまでは守れない。あれらは地面に落ちて粉々になるだろう。

リゼットが泣きそうな顔をしている。


(……もったいない)

アリアの思考は、単純だった。

あんな綺麗なカップを割るなんて、もったいない。

それに、ここで騒ぎが大きくなれば、準備が遅れ、私の平穏なキッチンライフも脅かされる。


(……誰も見てない。みんな、リアムさんの結界に注目してる)

(今なら、いける)


アリアは、エプロンのポケットの中で、指を小さく動かした。

イメージするのは、先日、秘密の温室で行った「大掃除」。

そして、『風使いの楽しい家庭菜園』の応用技。

『強風の日に、トマトの実が落ちないように、風で支えてあげる技術』。


「……《風のウインド・パーム》」


アリアの唇が、音もなく動いた。


その瞬間。

教室の中に、奇妙な風が吹いた。

それは暴風ではなく、まるで意志を持った「クッション」のような、柔らかく、粘り気のある風だった。


宙を舞っていた数十個のカップとソーサーが、床に激突する寸前で、ふわりと、空中で停止した。

暴走していた配膳円盤も、見えない手に掴まれたかのように、空中でピタリと動きを止める。


「え……?」

カインが、口をあんぐりと開けた。

リゼットが、涙目のまま固まる。


アリアは、指先を指揮者のように滑らかに動かした。

空中に浮かんだカップたちが、整然と列をなし、まるでダンスを踊るように、キッチンの作業台の上へと、音もなく着地していく。

最後に、暴走していた円盤が、ソフィアの手元に、コトリ、と優しく戻された。


教室に、完全な静寂が訪れた。


「……な、なに? 今の……」

「奇跡……?」

「風が、助けてくれたのか?」


生徒たちは、何が起きたのか理解できず、互いに顔を見合わせた。

アリアは、キッチンの陰で小さく息を吐き、何食わぬ顔でジャガイモの皮むきを再開した。

(ふぅ。バレてない。完璧)


——しかし。

アリアは甘かった。

教室の中央で、結界を解除したリアム・アークライトだけは、その視線を、正確にキッチンのアリアに向けていた。


「…………」

彼の空色の瞳は、驚愕を通り越し、もはや「諦観」に近い色を帯びていた。


(……またか。ローゼン)

(数十の物体を同時に、異なるベクトルで制御し、傷一つ付けずに着地させるだと?)

(王宮魔術師団の「風部隊」一個小隊が束になっても、今の芸当は不可能だ)


リアムは、アリアの背中を見つめながら、心の中で重く溜息をついた。

(やはり、彼女は「特命」を受けたエージェントだ。それも、恐らくは国宝級の)

(そんな彼女が、なぜジャガイモの皮むきなどに甘んじているのかは謎だが……これも、任務の一環なのか?)


リアムは、アリアへの「畏怖」と、わけのわからない「信頼」を、勝手に深めていた。

(……いいだろう。君が隠したいというのなら、私が協力しよう。それが、アークライト家の「義務」だ)


「……皆、無事か」

リアムは、努めて冷静な声で、教室の空気を引き戻した。

「どうやら、ソフィアの発明品には、安全装置が働いたようだな。……さあ、作業を再開しよう」

「あ、ああ……そうだよな! 安全装置か! すげえなソフィア!」

「え? あ、うん……そう、なのよ! たぶん!」


リアムの機転(隠蔽工作)により、アリアの神業は「魔道具の機能」として処理された。

アリアは、キッチンからリアムの背中を見て、首を傾げた。

(……助かった? のかな?)

彼が何を考えているのかは分からないが、とりあえず平穏は守られたようだ。


そして、学園祭当日。

快晴の空の下、王立マグノリア魔法学園は、かつてない賑わいを見せていた。

正門から続くメインストリートには屋台が並び、着飾った人々が行き交う。


1年A組の「魔法カフェ・マグノリア」も、開店と同時に長蛇の列ができていた。

その人気の理由は、明白だった。


「いらっしゃいませ、お嬢様」

執事服に身を包んだリアム・アークライトが、優雅に一礼するだけで、女性客から黄色い悲鳴が上がる。

「こ、こちらへどうぞ! ……だぞ!」

慣れないメイド服を着たリゼットが、顔を真っ赤にしながら接客する姿も、マニアにはたまらないらしい。


そんな華やかな表舞台の裏側。

キッチンでは、アリアが戦場のような忙しさの中にいた。


「ローゼン! 紅茶の追加だ!」

「はい!」

「スコーンが足りないぞ! 焼けたか!」

「今出します!」


アリアは、一心不乱に手を動かしていた。

だが、その手元は、常人には見えない速度で動いていた。

(注文が多い……! 普通にやってたら間に合わない!)


アリアは、誰にも見えない角度で、指先から微量の魔力を放出する。

《加熱》の火魔法を、オーブンの中だけに限定展開。

温度を均一に保ち、焼き時間を半分に短縮する。

さらに、《風》の魔術で茶葉を踊らせ、瞬時にお湯に味を抽出させる。


出来上がったスコーンは外はサクサク、中はふんわり。

紅茶は香り高く、渋みは一切ない。

「この店の料理、やけに美味しくないか?」

「一年生が出すレベルじゃないぞ」

お客たちの評判は上々だった。それが全て、裏方の「魔力G」の少女による超絶技巧のおかげだとは、誰も知らない。


(忙しいけど……楽しいかも)

アリアは、額の汗を拭いながら、充実感を感じていた。

誰にも注目されず、自分の仕事が評価され、みんなの役に立っている。

これこそが、アリアの求めていた「理想の学園生活」だった。


——その時までは。


「おい、リアム! 大変だ!」

入り口で案内係をしていたカインが、血相を変えてキッチンに飛び込んできた。

「ど、どうした? 食材が切れたか?」

「違う! ……とんでもない客が来た!」

「客?」

「VIPだ! いや、VIPなんてレベルじゃねえ! 『四天候』だ!」


ガチャン。

アリアの手から、トングが滑り落ちた。


「……え?」

アリアは、自分の耳を疑った。

四天候?

まさか。

カイさんは、任務で忙しいはずだ。

シルヴィ師匠も、めったに人前には出ない。

じゃあ、誰が?


「『紅蓮』のレナと、『大地』のゴウだ! 今、席に着いた!」


(うそでしょおおおおおおおおおお!?)

アリアは、心の中で絶叫した。

レナ姉様と、ゴウ兄様。

四天候の中でも、特にアリアを溺愛し、そして特に「自重」を知らない二人が、揃って来店したというのだ。


「な、なんで……」

アリアはガタガタと震え出した。

あの二人が、ただお茶を飲みに来るはずがない。

目的は一つ。

「アリアの様子を見に来た(冷やかしに来た)」に決まっている。


「落ち着け、カイン」

リアムが、厳しい表情で入ってきた。

「『四天候』といえば、王国の最高戦力だ。粗相があってはならない。私が直接対応する」

「た、頼むわ……。あの二人、座ってるだけで威圧感が半端ねえんだよ」


リアムは、身だしなみを整え、ホールへと出て行った。

アリアは、キッチンのドアの隙間から、恐る恐るホールを覗き見た。


いた。

窓際の一番いい席に、異彩を放つ二人の姿があった。


一人は、燃えるような真紅の髪をポニーテールにした、派手な美女。

「紅蓮」のレナ。

彼女は、腕を組んで不機嫌そうに店内を見回していた。

「なによこれ。狭苦しいわね。アリアはどこなのよ」


もう一人は、岩山のように巨大な体躯の男。

「大地」のゴウ。

彼は、小さなカフェの椅子が壊れないか心配になるほどの巨体で、窮屈そうに座り、無言でメニューを睨みつけていた。


(ひいいいい……! 目立ちすぎだよ二人とも!)

周りのお客さんたちが、遠巻きにヒソヒソと噂している。

「あれ、四天候のレナ様じゃない?」「隣の大男はゴウ様だ」「なんでこんな一年生の店に?」


リアムが、二人のテーブルに進み出た。

「いらっしゃいませ。ようこそ、魔法カフェ・マグノリアへ」

完璧な礼儀作法。さすが公爵家の嫡男だ。


レナが、リアムをじろりと見上げた。

「あら。あなたがアークライト家の坊や? ……ふうん。顔だけはいいわね」

「恐縮です」

「で? うちの……じゃなかった。ここのオススメは何?」

「はい。当店自慢のスコーンと、季節のフルーツタルトでございます」


「タルト?」

レナの目が光った。

「それ、誰が作ったの?」

「え……?」

リアムが一瞬、言葉に詰まる。

「キッチン担当の生徒たちですが……」

「名前は? 誰が焼いたの? アリア……とかいう子はいない?」


(やめてえええええええ!!)

アリアは、ドアの陰で頭を抱えた。

名指しだ。完全に名指しで確認しに来ている。


リアムの眉が、ピクリと動いた。

彼は、チラリとキッチンの方を見た。

(……やはりか)

リアムの中で、またしても確信が深まった。

(四天候までもが、彼女と接触を図ろうとしている。……アリア・ローゼン。君は、一体どれほどの組織の要人なんだ?)


「……あいにく、担当者の名前までは把握しておりませんが」

リアムは、表情一つ変えずに嘘をついた。

「当店の料理は、全てA組の総力を結集した自信作です」

「ふーん。つまんない答え」

レナはつまらなそうに頬杖をついた。

「まあいいわ。そのタルトと、紅茶を頂戴。……もし不味かったら、店ごと燃やすから覚悟しなさいね」

「……善処致します」


リアムが下がってくる。

アリアは、キッチンの中で震えていた。

「ロ、ローゼン」

リアムが、アリアの元へやってきた。

その顔は、真剣そのものだった。

「……聞いたな?」

「は、はい……」

「『紅蓮』のレナ様が、君の作ったタルトをご所望だ」

「む、無理です! 私が運んだら、絶対バレます! 殺されます!」

「落ち着け。運ぶのは私だ」

リアムは、アリアの肩を掴んだ。

「君は、最高傑作を作れ。……彼女を満足させられなければ、この店は燃やされる。これは、A組の存亡に関わる重大事だ」


リアムは、アリアが四天候と関わりがあることを知っている(とアリアは思っている)はずだが、彼はあえてそこには触れず、「客としての対応」を求めてきた。

(……やるしかない)

アリアは、覚悟を決めた。

ここで逃げたら、本当にレナ姉様は暴れるかもしれない。あの人は、そういう人だ。


アリアは、タルトの仕上げに取り掛かった。

カスタードクリームの滑らかさ。フルーツの並べ方。そして、仕上げのナパージュ(艶出し)。

全てに、微細な魔力を込める。

(姉様の好きな、甘さ控えめ。フルーツの酸味を活かして……)

(ゴウ兄様には、少し大きめのカットで、ナッツを多めに……)


数分後。

完璧なタルトが完成した。

リアムは、それを恭しくトレイに乗せ、再び戦場へと向かった。


アリアは、再びドアの隙間から覗き見る。

リアムが、タルトを二人の前に置く。

レナが、フォークで一口、口に運ぶ。


ゴクリ。

アリアの喉が鳴る。


レナが、咀嚼し、飲み込む。

そして、その鋭い目が、カッと見開かれた。


「…………」

沈黙。

緊張が走る。


「……合格よ」

レナが、フン、と鼻を鳴らした。

「焼き加減、クリームの甘さ。……懐かしい味がするわね。誰かさんが、田舎で焼いてくれた味にそっくりだわ」

レナの口元が、わずかに緩んでいる。

隣のゴウも、無言でタルトを平らげ、無言でサムズアップしていた。


(よかったあぁぁぁぁ……!)

アリアは、その場にへたり込んだ。

どうやら、店が燃やされる事態は回避されたようだ。


二人はその後、紅茶を飲み干し、席を立った。

帰り際、レナはリアムに一枚の金貨を投げ渡した。

「釣りはいらないわ。……それと、伝えておきなさい」

レナは、キッチンの方向をじっと見つめ、言った。

「『ちゃんと食べて、ちゃんと寝なさい。無理はするな』ってね」


「……承知致しました」

リアムは、深く頭を下げた。


二人の四天候は、嵐のように現れ、嵐のように去っていった。

アリアは、キッチンの中で、安堵と、そして少しの寂しさを感じていた。

(姉様、兄様……。ありがとう)

あんなに派手で、怖くて、迷惑な人たちだけど。

それでも、わざわざ様子を見に来てくれた、大切な家族。


「……ローゼン」

リアムが、キッチンに戻ってきた。

彼は、アリアをじっと見つめた。

その目には、以前のような冷たさはなく、どこか、同志を見るような色が混じっていた。

「……伝言だ。『ちゃんと食べて、ちゃんと寝ろ』だそうだ」

「……はい」

アリアは、小さく頷いた。


「それと」

リアムは、少し言い淀んでから、続けた。

「……タルト、美味かったそうだ。……よくやった」


「え?」

アリアが顔を上げると、リアムはすでに背を向けて、ホールへと戻っていくところだった。

その耳が、ほんの少しだけ赤くなっているように見えたのは、アリアの気のせいだっただろうか。


嵐の来訪は、A組のカフェに思わぬ高評価を残していった。

だが、アリアは知らなかった。

この平穏な時間が、これから起こる「本当の事件」の、ほんのプロローグに過ぎないことを。


教室の外。

廊下の陰から、アリアたちの様子をじっと伺う、一人の女子生徒の姿があった。

その瞳は、暗く、虚ろに濁っていた。

手に持っているのは、何かの「箱」。

それは、ソフィアが作った配膳システムの残骸……ではなく、もっと禍々しい気配を放つ、別の「何か」だった。


祭りの喧騒の裏で、歯車が、狂い始めていた。

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