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夜を待つ  作者: 氷桜 零
聖国編
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27夜


アルトゥール枢機卿とバルトルト隊長が、必死になって、拠点を制圧している頃。

私とリアムは、同じ部屋でくつろいでいた。

リアムはそもそも離れたがらないし、リアムの目を知った私も、彼を一人にするのは心配になったから。


「リアムはいつから見えているの?」


「ずっと小さい時から。」


と、言うことは、生まれた時からの可能性もある。

遺伝か、環境か、魂の本質か?

もし遺伝なら、この子を手放さないだろう。

精霊が見える者は、色んな場面で活躍するだろうから。


アントゥール枢機卿からは、リアムは売られたと聞いている。

だったら、遺伝の可能性は低い。


環境……も考えにくい。

普通に暮らしていて、精霊と接触することはほとんどない。


だとすれば、魂の本質。

魂は、消滅するか高位の存在に昇華するまで、輪廻する。

何処かの生で、精霊と深く関わっていたのだろう。


私は魂を見ることができるが、その過去を見ることは難しい。

だからそこまでは、わからない。


まあ何にせよ、私の中から、リアムと別れるという選択肢は消えた。

これからこの子をどうやって育てていこうか。

責任が重大だ。





―――――


それから数ヶ月。

私とリアムの生活は、穏やかに過ぎて行った。

花を摘んだり、お菓子を作ったり、絵本を読んだり。

充実した生活だった。


時折、招かれざる客が夜中にやってきたが、リアムに気づかれる前に、全て排除した。

かなりの犯罪抑制に、貢献したんじゃないだろうか。


招かれざる客は、おそらく誘拐組織のメンバーか、彼らに依頼された裏社会の者だろうと、検討がついた。


大方、厳重に守られる私たちを見て、重要人物だと勘違いしたのだろう。

愚かなことだ。

調べるなら、もっとしっかり調べれば良いのに。

馬鹿か無能しかいないのだろうか。

そんなことしている間に、拠点が潰されているのに、呑気なことだ。

やっぱり人間の考えることは、よくわからない。



数ヶ月経って、アルトゥール枢機卿とバルトルト隊長が帰ってきた。

やっと拠点の制圧と、粗方の処理が終わったらしい。

今回の誘拐組織の件を話したいと、部屋に呼び出された。




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