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夜を待つ  作者: 氷桜 零
帝国編
21/37

間夜4



ツェアドラ帝国皇帝ヴァルドルツィオは、晩餐後、再び執務室に戻り、書類を片付けていた。

そこに、補佐官のトゥーベルクが、追加の書類を持って来た。

ジルクニア辺境伯領の件で、処理しなければならない仕事が増えたのだ。

なので連日深夜まで、仕事にかかりっきりとなっている。


闇属性の件は、当たり障りのない事を噂として市井に広め、詳しい事情は上層部と神殿にのみ知らせた。

噂を広め、土台を作ってから、公表するつもりだ。


ペンの音だけが響く静かな部屋で、窓を叩く、小さな音が聞こえた。

何事かと窓を見ると、小鳥が窓を突いているのが見えた。


ヴァルドルツィオは、トゥーベルクと顔を見合わせた。


〈我が王、闇の精霊王より、手紙を届けに来た。〉


小鳥と目が合うと、頭の中に声が響いた。

一瞬、何のことだか、わからなかった。


〈おい、無視するな。〉


ハッとして、慌てて窓を開けた。


〈我が王からの手紙だ。確かに渡したぞ。〉


小鳥の影から、1通の手紙が出て来た。

小鳥はそれだけを言うと、さっさと飛び去ってしまった。


ヴァルドルツィオは、レイシィからの手紙に、嬉しさが込み上げできた。

思わず、口元を手で隠した。

横からは、妙に生暖かい視線が突き刺さる。


ヴァルドルツィオは、咳払いで誤魔化し、手紙を広げた。



ーーー


ヴァルドへ


ディディムと言う街をご存知ですか?

今、私は、その街に滞在しています。

故意かどうかはわかりませんが、ディディムの領主は、精霊を敵に回しました。

ですから、私も動こうと思います。

直接ではありませんが、間接的に街を壊すことになりそうなので、先にご連絡しました。


追伸

返信があれば、同封の紙に書いて、魔力を込めてください。

すぐに私の所に届きますので。


レイシィ



ーーー


手紙の内容は、甘くも優しくもなかった。

それどころか、すごい破壊力があった。


固まったヴァルドルツィオを不思議に思い、横からそっと、トゥーベルクが覗き込んだ。


内容を読むと、トゥーベルクも同様に、固まってしまった。


……………


「ディディムの領主は、何をしやがった!?」


ヴァルドルツィオが、頭を抱えて叫ぶ。


「どうしますか?」


「これだけでは、状況がわからん。すぐにディディムに行く。」


「御意!」


深夜間近と言う時間帯にも関わらず、慌てて各所に連絡を回し、予定を調整して、わずかな護衛と共に、ヴァルドルツィオは、ディディムへ向かったのだった。



ーーー


レイシィへ


今すぐ、そちらに向かうから、それまで待ってくれ!


ヴァルドルツィオ


ーーー

 



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