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夜を待つ  作者: 氷桜 零
帝国編
20/37

16夜



役所に行って聞いてみると、ちょうど見学ができる時間帯だったよう。

案内の役人をつけてくれると言うので、しばしの待機中。



やって来たのは、メガネをかけたご婦人。

名前は、ローズさんと言うらしい。


ローズさんが言うには、街の住人はもちろん、それ以上に、街の外から来た人が見学することが多いのだとか。

砂漠に隣接している街は他にもあるので、この街を参考にしたいのだと。


ローズさんも領主様のことをすごく尊敬してるんだって。

むしろ、尊敬していない人の方が珍しいみたい。


ローズさんと話をしているうちに、水源にたどり着いた。

ここと同じ水源が、他に4ヶ所あって、ここが1番大きいとのこと。

水源のすぐ側には、野菜などを栽培している建物があるとのこと。



水源に近づくごとに、変な感覚が強くなる。

表情を取り繕ったまま、視線だけで、周囲を見渡すが、気になるものは何もない。


「さあ、着いたわ。ここが第1の水源で、1番初めに作られた水源なのよ。」


「…わぁ、すごく綺麗ですね!どうなってるんでしょう?」


「あそこ、水源の中央が見えるかしら?」


「あれは、魔道具ですか?」


「そうよ。あれが、水を浄化してくれているから、皆、綺麗な水が使えるのよ。」


「…へぇ…。」


「領主様が、高名な魔道具職人に頼んだ貴重な物なんだそうよ。私たちのことを考えてくださって、素晴らしい方だわ!」


「…そうですね…」


「あら?どうかした?」


「あ、いえ、水が綺麗で見惚れていました。」


「そうなのよ、そうなのよ!」


ローズさんがテンション高く話をしているが、あまり内容が入ってこない。


だって、直に見て、気づいてしまった。


あの魔道具に使われているのは、魔石ではない。


あれは…あれは、そう…


精霊の命だ。


しかも、自然にできたものでは無い。

だってあんなにも、苦しいって、悲鳴を上げている。


どうやったかまでは、わからない。


けれどあれは、無理矢理精霊を殺してできた精霊石だ。


ああ、あの子たちは、苦しいまま殺されて、死んでもなお苦しめられている。



ーーーーー


あれから、ローズさんの案内で畑にも行った。


まさかとは思ったけど、案の定、畑にある魔道具にも精霊石が使われていた。


ローズさんに案内のお礼を言って、急いで宿に帰って来た。


きっと、他の場所の水源や畑にも、精霊石を使った魔道具があるのだろう。

ただの魔石よりも精霊石の方が、比べ物にならないくらい力が強い。


だから、この街は発展したんだ。


水源の魔道具には、水の精霊。

畑の魔道具には、地の精霊。


風の精霊が言っていたことと、合致する。

精霊たちは、無理矢理、精霊石にされて、利用されている。


でも、ここの領主は主犯でないだろう。

無関係かどうかは、わからないけど。


ローズさんの言葉を信じるなら、魔道具を作った人間か、その人間に精霊石を渡した人間が犯人。


まさか、何年もこんな事が繰り返されていたなんて。


早く犯人を見つけないと。

それから、精霊石も。


精霊石になってもなお、苦しんでいるあの子たちを開放したい。


同じことを別の人間がしないように、資料とかも全部探し出して、消す。


とりあえず、まずは何から取り掛かろうか。


関係者は、1人も逃さない。


ひとまず、帝国のことだからヴァルドに知らせておこう。


私は早速、手紙を書いて、ジスに最速で届けてもらった。




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