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夜を待つ  作者: 氷桜 零
帝国編
19/37

15夜



闇の領域を出た後、私は、ツェアドラ帝国に降り立った。


見渡す限りの砂。

乾燥した空気。

照りつける日差し。


降りる場所、間違ったかもしれない。


どうしてこんなに、砂漠が広がっているのか。

火の精霊と風の精霊の気配しかしない。


嫌な予感が胸を過ぎる。


地域によって、精霊の種類に偏りはあるものだけど、ここまで極端なのは、きっと何かがある。


幸い、精霊はいるから、話を聞いてみよう。

まずは、この地域で1番強い精霊を探そう。


自身の精霊力を広げると、ある地点から強い反応が返ってきた。


何かを強く訴えているのはわかるが、内容までは、聞き取れない。

それに、何だか荒れている。


感知した場所まで、急いで転移した。


アアアアーーー


耳を劈くような悲鳴。

意味がないとわかっているが、思わず耳を塞いでしまう。


これは、嘆き?それとも怒りだろうか?


悲鳴と共に、暴風が砂を巻き上げる。


その精霊は、感情的になるあまり、暴走してしまっている。

無理にでも止めないと、存在を使い果たして、消えてしまうだろう。


普通に伝えても、きっと彼女には伝わらない。


それならば…



さあ、可愛い子よ、愛しい子よ。

怒らないで、嘆かないで。

大丈夫、私はここにいるわ。

さあ、可愛い子よ、愛しい子よ。

さあ、声を聞かせて

私に教えて、可愛い我が子。



詩と共に、私の精霊力を注ぐ。


次第に、悲鳴と風が落ち着いてくる。

今度はしっかりと、彼女と目が合う。

理性を取り戻したようだ。


今だに存在が不安定なので、さらに精霊力を分け与える。


さて、彼女から有力な手がかりが得られると良いのだけど。


精霊を傷つけたものには、報いを受けてもらわないとね。



ーーーーー


先程まで暴走していた彼女は、今、私に気付いたようだ。

目を瞬かせ、少し驚いている。


私がここに来た経緯と、先程までの彼女の様子を伝えると、彼女は、コクリと頷いた。


私は彼女に、何があったのか尋ねた。


「私の大切な友、水の精霊の気配がなくなったのです。どうか、助けてください。」


「水の精霊がいなくなったのは、いつ頃の話?」


「3年前です。彼はいつくかのオアシスを管理していました。」


「彼がいなくなって、オアシスも消えたのね。他に気になることはある?」


「もっと前、10数年前から、少しずつ水の精霊と地の精霊の数が減っているような話を聞いたことがあります。」


「水の精霊に、地の精霊か…わかったわ。調べてみるから時間をちょうだい。」


「よろしくお願いします、闇の王よ。」



風の精霊と別れて、1人、砂の海を歩く。

考えるのは、先ほどの話。


何故、水と地だけなのか。

極端に偏っている以上、人為的なことが原因だと思われる。


誰が、何のために?


「はぁ…わからない。」


いくら考えても結論が出ないので、一旦、考えるのをやめよう。


ひとまず、1番近い街に行こう。




砂漠から1番近い街は、ディディムと言うらしい。

防壁が高いから、出入りに厳しい街かと思ったが、特に何もしなくても入れた。

防壁がたかいのは、砂嵐のせいらしい。

宿の女将さんが教えてくれた。

話好き、領主様好きのようで、聞いてないこともたくさん教えてくれた。


砂漠に隣接する街だが、水がとっても貴重!と言うほどでもないらしい。

領主様が溜池を作ったり、水脈を探し当てたりで、頑張った結果らしい。


また、領主様が畑を管理してくれているから、食料で困ることもないんだとか。


「ここの領主様ってすごい人何ですねー。」


「そうなのよ〜。何なら、溜池とか栽培場所とか、見に行ってみたら良いわ。」


「え!?見れるんですか?」


「見張りの兵はいるけど、見学はできわよ。」


「じゃあ、行ってみます!」


「いってらっしゃい〜。」


元気な女将さんに見送られ、見学の申請を行なっている役所に向かうことにした。




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