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夜を待つ  作者: 氷桜 零
王国編
14/37

10夜


1週間と言う行程は、あっという間に過ぎて行った。

マラルとジルクニアしか知らなかった私には、全てが新鮮に映った。


ジルクニアも賑やかだったが、王都も違った賑やかさがある。

ジルクニアは、雑多な感じで、王都はそれよりも上品な感じだ。


本来なら王都に入るのに、身分証が必要なのだが、ヴィラーシュ様がいるので、何の心配もなかった。

あの長い列を見ると、待たされなくて良かったと、心から思った。

長ければ、それだけで1日が過ぎるらしい。


とても賑やかで、楽しそうなのに、瘴気の気配が漂っていて、かなり残念だ。


王都に入る前はソワソワしていたのに、入った瞬間、微妙な顔をした私を、ヴィラーシュ様とリカルド様は、不思議そうに見る。


「どうかしたのか?」


リカルド様が私に問いかける。


「所々から、瘴気の気配がします。かなりの広範囲、おそらく王都全体でしょう。」


「何!?」


「瘴気と私たち精霊は、相容れない存在ですから。すぐにわかります。神官や『加護持ち』は気づかないのですか?」


「全く。原因不明だとしか。」


「そうですか。まずは神官と、できれば『加護持ち』に会いたいですね。今の、人側の事情がわからないので。」


「なら、この後、俺と行こう。」


リカルド様が、すぐに予定を立ててくれた。

人のことはわからないので、リカルド様にお任せする。


「私は王城で、情報を集めるよ。後日、情報の擦り合わせをしよう。こちらから連絡する。」


馬車の中で、各自の動きを確認する。




私とリカルド様は、神殿前で降ろしてもらい、そこでヴィラーシュ様と別れた。


王都の神殿は、まさに絢爛豪華と言えるものだった。

ふと、このお金は何処から出ているのかと、考えてしまった。


扉を潜ると、長椅子がたくさん並んでいた。

何人か、そこに座って祈りを捧げている。


両側面には、いくつかの扉。

何処かの部屋と、繋がっているようだ。


神殿内を見ていると、1人の神官がリカルド様に近づいた。


「ご用件を、お伺いしましょうか?」


「ジルクニア辺境伯家のリカルドだ。神官長とリーナ神官に会いたいんだが、どうだろうか?」


「少々お待ちくださいませ。」



しばらく待っていると、1番奥の部屋に案内された。


「リカルド様、如何いたしました?」


「うちの使用人が、病に倒れたんだが、医者の話では、最近流行っている原因不明の病だと言う。神殿に情報がないか、聞こうと思ってな。」


「そうでしたか。申し訳ございません、こちらとしても何とかしたいと言ういる気持ちはございますが…」


神官長が言葉を濁す。


「リーナ神官は、如何ですか?」


「原因不明の病は、何名か診たのですが、治療法も原因も分からず…力不足で、申し訳ございません。」


神官長とリーナ神官が、揃って頭を下げる。

何とかしたいができない、と言う気持ちに嘘はないようだ。

嘘はないけど、力不足。


神殿なのに、精霊の気配が薄い。

神官長もリーナ神官も、そう。

神官長は火の『加護持ち』で、リーナ神官は光の『加護持ち』だが、弱過ぎる。

加護を与えたのは、小精霊クラスかな。


神殿でこれなら、瘴気に気づかないのも、対処できないのも当然か。


リカルド様の影で、こっそり溜め息を吐いた。




神殿での用事が済んだ後は、リカルド様に王都を案内してもらった。


それにしても、精霊の気配が薄い。

300年前は、こんなことなかったのに。

瘴気のせいかと考えたけれど、どうにも納得がいかなかった。


人のために動く気はないけど、少し探ってみる必要がありそう。


王都に来て早々、山積みの問題に、私はすぐにでも帰りたくなってしまった。





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