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夜を待つ  作者: 氷桜 零
王国編
13/37

9夜


私が夜を守ったのは、あの日だけの特別。

あの日以降、再び夜は来なくなった。

夜を戻すかどうかは、今後に期待。


それに、今、夜を戻したいと思ってもできない。

長く夜がないせいで、地上にいる闇の精霊たちは、眠りについてしまった。

夜を戻すには、闇の精霊を起こすことと、人々の純粋な信仰が必要。


なので、今は、どう頑張っても無理なのだ。




あの日から、私の日常は、変わ…らなかった。


辺境伯様方に、今まで通りで、と頼んだからだ。

頭を抱えさせてしまったけど、了承してくれた。


闇の精霊王のことを何処まで公表するかは、試練の一環として、各国に任せることにした。

ただ、レイシィ=ノワールであることは、胸の内に秘めてもらう。

だってそうしないと、色々な場所に行って、観察することが出来なくなるから。




諸々のことを打ち合わせして、ヴァルドは帝国に帰って行った。

帰り際に、帝国へ来ることがあったら連絡するように言われた。

そのうち行くことになるから、お世話になるだろう。


ヴィラーシュ様とリカルド様は、明日、王都に戻る。

もちろん、罪人になったキャロライン様と、瘴気が気になる私も、一緒に行くことになった。


なので、今日はお休みをいただいて、王都行きの準備をすることになった。


……の、だけど…


「ノワール、聞いているんですか!?」


「聞いてる。」


「私たちがどれだけ心配したか!」


「本当よ〜。すごく寂しかったんだから〜。」


「どうして、真っ先に連絡くれないんだ!?」


「………」


やいのやいの、言っているのは、他の精霊王たち。

光の精霊王リヒト、火の精霊王サラマンダー、水の精霊ウィンディーネ、風の精霊王シルフ、地の精霊王ノーム。


私の2度にわたる、力の放出によって、闇の力を感知した精霊王たちが、まとめて会いに来ていた。


1柱ならまだ良いけど、こんなにも集まると、本当に五月蝿い。


私は心の中で溜め息を吐きながら、黙って聞き役に徹したのだった。



ーーーーー


翌日の朝。

今日も今日とて、綺麗な青空。

王都への出発日和。


また、晴天はいつものことだけど、それは置いておく。


ヴィラーシュ様とリカルド様の見送りだと思っていたら、私の見送りもしてくれた。

道中食べれる、日持ちしたお菓子や、暇を潰せる刺繍に本。

色々と、プレゼントしてくれた。


今回私は、リカルド様の侍女として、ついて行くことになった。

年齢的には見習いだが、侍女教育はいつの間にか終わっていたそう。

なので、侍女として同行することになった。


ちなみに、既に淑女教育も済んでいたらしい。

普通を知らないせいで、全く気が付かなかった。


そうして、皆に見送られながら、辺境伯家を後にした。


王都まで、1週間の道のり。


何も起きませんように!




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