第4話 生徒会役員選挙
私は生徒会になりたかった。
中学受験の時、児童会に入っていた人は全員合格した。私も目指していたが、人望がなかった。だからこそ児童会に入っていた女子が「私の欠点は、人望がないところ」と言っていたことに腹が立った。
また、生徒会オリエンテーションの時、前に立って説明する生徒会の人たちを見て、ああ、私もこういう人になりたい、という強い憧れを持った。今思えば誰かに尊敬され、認められる人になりたかったのだろう。
懇談の時、生徒会に入りたいということを伝えた。高校受験の時に役に立つと思った。
しかし、私がなりたかったのは生徒会「執行部」だった。
ある日、数学担当であり学年副担任の先生に話しかけられた。
「生徒会副会長に立候補しないか」と。
もちろん私は丁重にお断りした。なれるのは1人。やりたい人は多いだろう。
しかし先生は諦めてくれなかった。そこまで言われて断るのは失礼だ。考える時間が欲しい、と言ってその話は切り上げた。
そして、私は立候補することになった。思わぬ形ではあったが頑張ろうと思っていた。
原稿を作り、挨拶運動をしたりした。担任の女の先生や友達、クラスメイトから応援された。
クラスを回って、演説をした。私だけが英語を最後に使った。「かっこいい」と言ってくれた人もいて、嬉しかった。
そして、生徒会役員選挙当日。自信を持って私は立った。
最初のほうに言う順番を間違えたりはしたが、自分でも良かったと納得できる時間だった。
後日、放送で当選者の名前が読み上げられた。
生徒会長、副会長2年生、そして、、、
選ばれたのは吹奏楽部の女子だった。小学校の頃から人望があり、あたたかい家族がいて、私は変わろうとしても変われなかった現実に自分を殴りたかった。私は何が足りなかった?
小学校の頃とは違い発表をするようになり、班長にもなった、勉強も頑張った。挑戦もたくさんした。親からの身体的、精神的暴力にも耐えた。
悲しかったし、悔しかったが生徒会執行部面接が後に控えていた。