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第10話 ひとり
私はいつも物事を一人で解決してきた。
例えば、小学1年生のころ。折り鶴を折るのだが、上級生が教えてくれることになっていた。
しかし、誰も私のところには来なかった。聞いても迷惑だろうと思い試行錯誤して折った。授業終わりくらいまで折り続けている私のところには最後まで誰も来てくれなかった。
また、同時期の頃、探検ごっこのようなものをやっていた。友達に私の鉛筆を何本か貸していたのだが、チャイムが鳴ると同時に放り投げて走って行ってしまった。階段だったためすべて折れてしまったが、謝ってはくれなかった。
私は徐々に「ひとり」が一番楽だと気付き始めた。
ずっと、ひとりでいたい。
そうすれば、好きな時に勉強できて、休むことができる。失敗は誰にも知られない。生きているのが辛い、価値が分からない。
どれだけ過程で頑張っても、みんな結果しか見ない。
そんな人生なんていらないと思った。




